シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

洋画

良作映画を紹介。ある女性作家の罪と罰

面白い作品ではあるものの、宣伝が悪いのか、なんとなくイメージで敬遠されてしまうのかはわかりませんが、世の中には、思ったほどみられていない良作映画というものはあるものです。 今回の記事で紹介するのは「ある女流作家の罪と罰」です。 罪と罰という…

生き残ることができるのか。映画「生きてこそ」

過酷な状況の中で生き抜くということを取り扱った映画というのは枚挙にいとまがありませんが、映画「生きてこそ」では、実際にあった飛行機事故に基づいて作られた過酷な現実を描いた作品となっています。 遺書を書いた人間は全員死んでしまった、というその…

記憶にもてあそばれた男の悲劇。映画「手紙は憶えている」

記憶にまつわる映画というのは数多くありますが、本作品は、認知症の老人が主人公という珍しいものになっています。 その中でも、友人と協力して、認知症でたびたび自分がどこにいるかもわからなくなる主人公が、ナチの残党を見つけ出そうとする本作品は特に…

ネタバレ前にみる映画。感想&解説「バービー」

「バービー」は、人形のバービーもでてきますが、タイトルとは全然違う物語です。 ネタバレをしてしまうと、先入観をもって見ることになってしまいます。 もし、まだご覧になっていないのであれば、ぜひ視聴後に本記事をご覧いただきたいと思います。予告編…

類似映画も紹介。殺人者の記憶法。新しい記憶も。

アルツハイマーににして、元連続殺人鬼という経歴をもつ主人公が、愛する娘のために、若い連続殺人鬼と対決する「殺人者の記憶法」。 この一文だけでも、設定に驚いてしまうところだと思いますが、特殊な設定をいかしながら描かれる本作品について、類似する…

男子に辛く。男はバカな生き物。青い体験

青春というのは人それぞれですが、誰しもが最近の日本映画のように、イケメンと美女と学校生活、という青春ではないでしょう。 「青い体験」は、主人公は中学生くらいの男の子になっています。 母親が死んだのと同時にやってきた、美人な家政婦さんによって…

感想。ロックンロールなオペラ座の怪人。ブライアン・デ・パルマ「ファントムオブパラダイス」

ブライアン・デ・パルマといえば、職人気質な映画作家として「アンタッチャブル」といったマフィア映画から、ホラー映画の傑作「キャリー」。ボディダブル、殺しのドレス、ともう、枚挙にいとまがないほどの名作を作り出してきた映画監督です。 とはいえ、こ…

オタクは環境を選ばない。ブリグズリーベア

いわゆる監禁ものの映画というのは、重たい雰囲気のものが多いです。監禁によって生まれたトラウマをどう解消していくべきか、と悩んでみたり、脱出そのものに重きを置いたり、はたまた、犯人とのストックホルム症候群を考えるものもあります。 「ブリグズリ…

死は孤独なのか。幸せのひとりぼっち

スウェーデンの映画の中で、歴代3位の売り上げになったという「幸せの独りぼっち」。 59歳にして妻に先立たれ、会社をクビになったおじいさんが自殺をしようとするものの、なかなかうまくいかないというコメディタッチであり、人間がどう生きるべきかを考…

重ねたSFを読み解け。感想&解説 映画「ミッション:8ミニッツ」

いわゆるループものとされる作品は、映画表現のみならず、数多くの作品で使われるモチーフです。 代表的なものでいえば、ビル・マーレイが主演する「恋はデジャ・ブ」なんかは、嫌みな主人公が気が遠くなるほど同じ1日を繰り返すことによって、やがて、人間…

オススメアクション映画。ジジィの戦いは終わらない「RED」

第一線を退いた人たちが活躍する映画というのは、ある意味の爽快さ痛快さがあり、見ていて楽しいところです。 「RED」は、引退した危険人物の略称であり、元CIAが引退していたにも関わらず、結局、戦いまくるというアクション映画が「RED」となっています。 …

おススメ関連映画を紹介。感想批評 映画「トランスワールド」

クリント・イーストウッドの息子であるスコット・イーストウッドの初主演作品である「トランスワールド」。 物語の大半を森の中の小屋(キャビン)で撮影されており、どちらかというと、舞台劇のような雰囲気すらする映画となっています。 森の中で出会った…

ダメ男、立ち上がる。感想「アイアンマン」

「アイアンマン」は、「マーベル・シネマティック・ユニバース」と呼ばれる、マーベル・コミックにでてくるヒーローたちを一つの世界の中で登場させるシリーズの第一作目となっています。 MCUと呼ばれる世界観を楽しむために、絶対に見なければいけないも…

幼児期の虐待の恐ろしさ。映画「ジェニーの記憶」

子供への虐待について取り沙汰されることが多くなってきた昨今ですが、この手の問題は、はるか昔からあったはずです。 そんな恐ろしい事実が明るみになってきた背景には、時代の流れや発言しやすい社会が生まれてきたという状況が存在します。 日本では劇場…

真実を知ると後悔するかもしれない。「スポットライトスポットライト 世紀のスクープ」でした!

時として、大きすぎる事件というのは誰も触れることができなくなってしまうものです。 「スポットライト 世紀のスクープ」は、実際にあった神父による少年少女らへの性的暴行の実態を暴いた実在の事件をもとにしてつくられた作品となっています。 本作品は、…

孤独を恐れるな。ロビン・ウィリアムズ主演。映画「ビックショットダディ」

人はだれしもが孤独を恐れます。 誰にも理解されず、愛されないで生きるのはつらいことです。 名優ロビン・ウィリアムズが主演した映画は数多くありますが、「ビッグショットダディ」はロビン・ウィリアムズの魅力をいかんなく発揮した作品になっています。 …

GAFAの勢いは止まらない。グーグルに入りたい人は必見 映画「インターンシップ」

もはや、グーグルという企業を知らない人はほとんどいないのではないでしょうか。 検索エンジンから始まった会社は、いまや世界中で使われ、我々にとっては必要不可欠な存在になっています。 インフラといっても過言ではないグーグルという会社についての紹…

強さとは何か。ポール・バーホーベン監督「エルELLE」

ポール・バーホーベン監督といえば、「氷の微笑」によってとんでもない悪女を見せ、もちろん、「ロボコップ」をつくったことでも知られる巨匠のひとりです。 ロボコップ (字幕版) 発売日: 2014/07/09 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る そん…

コメディは世相を示す。「グリーンブック」感想&解説

アカデミー賞3部門受賞した映画「グリーンブック」。 ロードオブザリングでお馴染みアラゴルン役を演じたヴィゴ・モーテンセンと、「ムーンライト」でも助演男優賞をとったマーシャラ・アリが出演するデコボココンビの差別やそれに対する姿勢をみせたロード…

じじぃ活躍映画。老人VSゾンビはいい勝負。映画「ロンドンゾンビ紀行」

ゾンビ映画は数多くありますが、その大半は、謎のゾンビウイルスが蔓延することで人々が戦いゾンビになりながらも、希望を胸に生きていく。 ジョージ・A・ロメロ監督の偉大さをひも解くまでもなく、ゾンビというのは物語におけるモチーフとして非常に面白い…

深い悲しみを癒すためには。感想&解説。デイミアン・チャゼル監督「ファースト・マン」

人類初の月到着を達成した人物こそが、ニール・アームストロングです。 彼はNASAの中でももっとも冷静と言われた人物であり、その内面がわからない人物でもあることから、彼を題材にした作品は困難とされておりました。 それでなくとも、はじめて月に降り立…

笑えるのに、笑えない。映画「帰ってきたヒトラー」感想&解説

アドルフ・ヒトラーという人物は、物語の中でいまだに悪役として強い存在感をもって使われる人物です。 政治手腕や、演説の巧みさ。 後世への影響力含めてタブー視される人物でもありますが、このドイツ映画でヒトラーを現代に復活させ、しかも、それをドキ…

子供は天使のままではいられない。リメイク前に。映画「ペット・セメタリー」

映画「ペット・セメタリー」は、巨匠スティーブン・キングが発表したホラー小説が原作です。 ペット・セマタリー(劇中ではスペルミスとして表記されています)という看板の掲げられたペット霊園の奥でペットの遺体を埋めると、それが戻ってくる、という話に…

子供が大人になるということ。感想&解説 映画「オーバーボード」

自分の今いる状況というのが実は夢のようなもので、本当の自分はまったく別のどこかにいる、と考えてしまったことはないでしょうか。 「オーバーボード」は、けた違いの大富豪の息子が、記憶喪失になって、シングルマザーの貧乏家族の父親だと思わされてしま…

大きすぎる夢は人を惹きつける。映画「ザ・ウォーク」

ロバート・ゼメキス監督による映画「ザ・ウォーク」は、今は無きワールドトレードセンターの二つのビルの間にワイヤーを通し、その上を命綱なしで歩いた実際の人物の話となっています。 たんに、綱渡りをするだけの映画と思ってしまうかもしれませんが、そこ…

おっさんのゲーム魂は傷つかない。映画「ピクセル」

「ホーム・アローン」で有名な監督、クリス・コロンバス監督によるビデオゲーム全盛の時代を生きた人間の、ブロマンス映画的であり、トラウマ克服映画でもある本作品について、どのような点を強く見ていくといいのかを解説してみたいと思います。 オタクは、…

男って馬鹿ね。キューブリック監督/博士の異常な愛情

スタンリー・キューブリック監督の代表作のひとつ「博士の異常な愛情。または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったか」について、ブラックユーモアたっぷりな本作品の楽しみ方について、語ってみたいと思います。 人は、本当に異常なと…

クイーンと出会おう! 映画「ボヘミアンラプソディ」

クイーンといえば、伝説的なイギリスのロックバンドです。 とはいえ、ボーカルであるフレディ・マーキュリーが死去してから長い年月がたち、名前だけは知っているけれど、あまり詳しくは知らない、といった人たちが多くなってきていたのではないでしょうか。…

アカデミー賞脚本賞。感想&解説 映画「ゲット・アウト」

差別というのはよくないことです。ただ、歴史と言うのは残酷なもので、差別が行われてきた事実はありましたし、それを利用する人たちも多く存在していました。 その歴史の中で、移民国家であるもののアメリカは白人が支配する国であったという歴史的事実はあ…

妄想の成れの果て マーティン・スコセッシ映画「キング・オブ・コメディ」

マーティン・スコセッシ監督とロバート・デニーロといえば「タクシードライバー」が有名すぎるところです。 映画史に残る作品であり、数多くの人たちに影響を与えた映画ですが、1976年につくられた「タクシードライバー」よりも、ある意味はるかに危険な…

スポンサードリンク