アクション映画の金字塔。感想「ドランクモンキー 酔拳」
酔えば酔うほど強くなる。
酔拳といえば、そんな言葉を思い出す人が多いのではないでしょうか。
また、ジャッキー・チェンといえば、カンフーアクションスターとしては、もうレジェンドといえる存在であり、若いころの作品をみるという機会もあまりないかもしれません。
そんな、ジャッキーの人気作の一つでもある「ドランクモンキー 酔拳」について、有名ではあるものの、あえて見る機会が少ない本作品について、感想をのべつつ解説をしてみたいと思います。
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あらすじ
本作品は、ジャッキー・チェン演じるウォン・フェイフォンが、挫折を繰り返しながら、師匠とともに成長していく物語となっています。
名門道場の子息であるフォンですが、彼は、才能を持ちながらも、中途半端に強い男となっています。
師範代の男をコケにできる能力はあっても、そうとは知らないで戦いを挑んでしまった叔母には、コテンパンにやられてしまいます。
そんな、中途半端な実力の持ち主となっています。
女性にコテンパンにやられても、自分の弱さを認めないウォンは、結果として自分よりも弱い相手を叩きのめし、父親から親子の縁をきるとまで言われてしまいます。
ツライ修行は長続きせず、すぐに逃げてしまうウォン。
そんな彼の前に現れたのが、酔拳の使い手であるソウ・ハッイーです。
彼は、ウォンの父親に頼まれて1年間修業をすることになっており、厳しい修行を行いながら、彼を鍛え上げていきます。
アクションに次ぐアクション
「ドランクモンキー酔拳」は、単なるアクション映画と思われがちですが、一応、ストーリーは、天狗になってしまっている生意気な男が、自分の弱さを知り、修行をすることで、誰もが恐れる暗殺拳の使い手に勝利するまでを描いています。
ただ、物語そのものは、その程度のものとなっており、ストーリーを楽しむ、というよりは、てんこ盛りになっている演出を楽しむのが本筋だといえるでしょう。
本作品は、とにかくアクションの連続です。
冒頭からアクションシーンがあり、その後も、これでもかというぐらいにアクションシーンが連続します。
正直な話、よほどのカンフーが好きでなければ、その違いはよくわかりません。
ただし、若かりし日のジャッキー・チェンの動きは素晴らしく、動きの切れを見ても、そのすさまじさに驚かされます。
アクション・コメディ
カンフー映画といえばアクションですが、多くの作品は、仇討ちをするというちょっと、重たい内容が当たり前でした。
そんな中、「ドランクモンキー酔拳」は、完全にコメディとなっています。
戦い方もコミカルであり、酔拳ということもあって、酒樽をもちながらの立ち回りや、そこらへんにある道具をつかって相手にダメージを与えたりと、様々な工夫が凝らされています。
何も考えず、ひたすらアクションと、ジャッキーのコミカルな演技をみるだけでも、大変面白い作品となっています。
修行シーン
本作品の見どころとしては、やはり、修行シーンでしょう。
小さな酒の盃をつかって、水をしたから上に移し替えるシーンや、手首を返しながら腕を鍛えるシーンなど、色々な作品がリスペクトしていそうな感じがありますし、バラエティ番組とかでもパロディめいたものをみかけたことがあるのではないでしょうか。
いきなり強いのではなく、修行をしてちゃんと強くなる、という点と、そのユニークな修行を経て、敵に打ち勝つという痛快な作品となっています。
これまた、コメディ感があっていいのが、師匠が油断すると、すぐにでも主人公がズルをしようとするところです。
必ずしもまじめに修行をしない、というのも面白い点です。
ちなみに、本作品は、「スネークモンキー 蛇拳」の姉妹編ということになっている作品ですが、こちらのほうを見る機会はもっと少ないことでしょう。
また、あまりにコメディ色が強いので、この作品の主人公が、実は実在の人物をもとにしていることについては、考える必要がないかもしれません。
ウォン・フェイフォンは、洪家拳(こうかけん)の使い手であり、民衆に武術を教えることで自衛手段を与えた歴史的人物であるとともに、彼を主人公とした多くの作品もまた作られているところです。
話は戻りますが、師匠の見た目が爺さんではなく、コスプレっぽい格好をしているだけではある、というチープさはあるものの、これでもかとみることのできるアクションと、修行シーンを、コメディタッチでつなげるというアイデアは、面白く見ることができます。
もっとも、アクションがてんこ盛りすぎて少々飽きてしまいがちなところではありますが、難しいことを一切考えずにみることのできる作品となっています。
以上、アクション映画の金字塔。感想「ドランクモンキー 酔拳」でした!