シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

深作欣二

ウイルスの予言。角川映画記念すべき一作「復活の日」

ウイルスによる影響は多大になってきている昨今。 ウイルスが関係する映画作品というのも数多くあり、どのような騒動になっていくのか、その最悪のシナリオがわかる、という点で、今見ると違った見方ができる作品がありますので、注目の一作を紹介していきた…

感想&解説。深作欣二監督「蒲田行進曲」

深作欣二監督といえば、仁義なき戦いシリーズや、バトルロワイヤルといったイメージが強いかと思いますが、当時の日本アカデミー賞などを総なめにした偉大なる作品として「蒲田行進曲」があります。 エンターテインメント性と、男の身勝手さ、女性がいかにふ…

五部作、堂々の完結! 『仁義なき戦い 完結篇』(1974年)

今回は『仁義なき戦い』シリーズのラスト作品である、五作目の『完結篇』を取り上げます。 各組織の逮捕により収束したはずの広島抗争。しかし、これまで闘争の中心であった広能や武田より若い世代が次第に台頭しはじめ、まだまだ広島やくざの争いは終わりそ…

シリーズ4作目! 『仁義なき戦い 頂上作戦』(1974年)

前作『代理戦争』から引き続き、大規模抗争が描かれる本作。今回は警察側も黙っておらずそれぞれの組のトップ・幹部の逮捕による抗争の終結を狙った「頂上作戦」が展開されます。果たして広能はじめとする広島やくざたちはどうなるのでしょうか。 簡単なあら…

シリーズ3作目! 『仁義なき戦い 代理戦争』(1973年)

番外編であるニ作目『広島死闘篇』を挟んだ三作目。一作目の実質的な続編となり、四作目『頂上作戦』とセットの作品でもあります。 ますます人間関係は複雑怪奇、抗争の規模も呉だけではなく広島市、そして神戸の大組織が絡んでくるなど波乱に満ちた展開が描…

映画は暴力なり 深作欣二『仁義なき戦い』(1973年)

あまりに有名すぎる本作品。 深作監督語るところによれば、この作品のテーマは一貫して「暴力」。 その後の映画そのものに大きな影響を与えることになった、このビッグシリーズの一作目は、「暴力」が最もストレートに生き生きと観客の前に提示されます。 そ…

ヤクザ、新たなる混乱を求めて 深作欣二『博徒外人部隊』(1971年)

今回は深作欣二監督の1971年の作品『博徒外人部隊』を取り上げます。 鶴田浩二主演で、「任侠映画からヤクザ映画」への移行期にあたる時期に撮られた作品です。 七人のやくざ、集合す ストーリーは非常に分かりやすいです。 横浜には、郡司(鶴田浩二)の所…

実録やくざ映画・完結篇 松方弘樹・深作欣二『北陸代理戦争』(1977年)

本日は東映の実録やくざ映画路線の極北ともいわれる、『北陸代理戦争』(1977年)をとりあげたいと思います。 主演は松方弘樹、監督は深作欣二です。 北陸、福井を中心とした地元ヤクザの対立、そしてそれに絡んでくる大阪の巨大ヤクザ組織との戦いがスリリ…

本当に仁義なき戦い 菅原文太『人斬り与太 狂犬三兄弟』(1972年)

仁義なき戦いよりも仁義がない 今回ご紹介する『人斬り与太 狂犬三兄弟』は深作欣二監督による作品です。従来の仁侠映画路線を意図的に外して「ワルすぎる」ヤクザを主役にし、本作と同じ深作・菅原コンビによる『仁義なき戦い』シリーズへと発展する記念す…

深作欣二×北大路欣也の隠れた名作! 『資金源強奪』(1975年)

知名度はそこまで高くはないかもしれませんが、まぎれもない傑作をご紹介させていただきます。 深作欣二(本作ではひらがなの「ふかさくきんじ」名義)監督、北大路欣也主演の『資金源強奪』です! 資金源強奪 [DVD] 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE…

赤飯と菅原文太   深作欣二『現代やくざ 人斬り与太』(1972年)

『現代やくざ』シリーズは菅原文太が主演していることをのぞけば、各作品に時系列的なつながりはありません。監督もころころ変わります。 本作はシリーズ第5弾で、『仁義なき戦い』でおなじみの深作欣二がメガホンをとっております。 深作監督作品を筆頭とす…

悪臭ふんぷんたるレジスタンス  深作欣二『狼と豚と人間』

今回は深作欣二監督のギャング映画『狼と豚と人間』(1964年、95分)を取り上げます。 出演は高倉健(黒木次郎=次男)、三國連太郎(黒木市郎=長男)、北大路欣也(黒木三郎=三男)というそうそうたるメンツでございます。もう50年前の作品なんですね~。…

この男もまた、凶暴につき…  深作欣二監督『やくざの墓場 くちなしの花』

今回は前回に続き、深作欣二監督である『やくざの墓場 くちなしの花』(1976年、96分)を取り上げます。 この作品は同じく渡哲也主演『仁義の墓場』の内容のつながりはないものの続編的な位置にあり、同じく深作監督の『県警対組織暴力』などにも通じる「ヤ…

なぜ彼は「仁義」という言葉を墓石に彫ったのか?  渡哲也主演 『仁義の墓場』

今日は渡哲也主演のヤクザ映画『仁義の墓場』(1975年、94分)を取り上げたいと思います。 この映画は『仁義なき戦い』の深作監督が担当しています。 『仁義なき戦い』と『仁義の墓場』。 なんだかタイトルが似ていますね。 しかし、タイトルで扱われている…

デス・ゲーム物では一番マシ!?  深作欣二監督『バトル・ロワイアル 特別篇』

今夜は深作欣二監督の実質的な遺作である『バトル・ロワイアル 特別篇』(122分、2001年)を取り上げてみたいと思います。 興行収入30億、R-15指定など大きな話題になったこの作品。はたして映画としての出来はどんなものなのでしょうか。 あ、ちなみに無…

ドブネズミと人間    深作欣二『恐喝こそわが人生』

こんにちはニャロ目です。 今日は、深作欣二監督、松方弘樹主演『恐喝こそわが人生』(1968年、90分)を紹介したいと思います! 強請り屋組織「四ツ葉会」 「カツアゲのコツは三つある」 「仲間を増やさないこと」 「無理押しをしないこと」 「一度カツアゲ…

山中正治と大友勝利  『仁義なき戦い 広島死闘篇』

また観てしまった…。今夜は邦画史に残る『仁義なき戦い』シリーズの2本目にして番外篇の『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973年、日本、100分)を取り上げたいと思います。 監督深作欣二、脚本笠原和夫、音楽津島利章 と前作同様の製作陣。 シリーズ主演、広能…

警察官とヤクザのあいだに友情は成立しうるのか  『県警対組織暴力』

本日とりあげるのは東映実録路線の名作「県警対組織暴力」(1975年、100分、日本)であります! キャスト(菅原文太、松方弘樹ら)、監督(深作欣二)、脚本(笠原和夫)の名前をみてわかるかもしれませんが、1973年から74年にかけて公開され大ヒットを記録した「…

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