アクション映画としての境地。映画「ジョン・ウィック」
キアヌ・リーブスといえば、映画「マトリックス」で有名になった俳優ですが、そのキアヌ・リーブスが、ちぎっては投げちぎっては投げして、敵を泥臭く倒すアクション映画こそが「ジョン・ウィック」となります。
本作品のストーリーもざっくり解説しますが、基本的には、アクションをみる映画となっておりますので、そんなあたりも考えながら、楽しくみてもらえるように感想を述べてみたいと思います。
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復讐を誓う暗殺者
「ジョン・ウィック」は、暗殺者の苦悩などを描いた文学的な雰囲気の映画とは一線を画すものですので、まずはそこを前提として見ていただきたいと思います。
たしかに、主人公は愛する妻を病気で亡くし、あまつさえ、死んだあとに寂しくならないよう、生きる目的を見失わないようにと、亡き妻が後日届くようにしてくれた子犬すら目の前で斬殺されてしまう男です。
ハリウッドでは、犬を殺すシーンというのは比較的やらないようになっております。
というのも、ハリウッドでは犬好きが多いということもあって、不評につながりやすいため敬遠されていたりするのです。
このあたりを皮肉った作品としては、「メリーにくびったけ」で、犬と戦うベン・スティラーが描かれていて面白かったりしますが、今回では割愛させてもらいます。
「ジョン・ウィック」は、復讐を誓った元殺し屋が、どこまでも相手を殲滅しようとする物語となっているのですが、まぁ、気軽にアクションをたっぷりマシマシで見たい人にお勧めの作品となっております。
戦いとは、泥臭い
元伝説の殺し屋というからには、殺し方もスマートであるだろうと思うに違いありません。
ですが、その戦いは案外に泥臭いものです。
でも、そのあたりこそが「ジョン・ウィック」におけるリアルさだと思えば、各段に楽しくみることができるのです。
監督であるチャド・スタエルスキ監督は、自分自身もまたスタントマンだったという経験をいかし、スタントコーディネーターをやっていた人物でもあるのです。
一見泥臭い戦いかたをするのですが、逆にそれがリアルな戦いになってくるのです。
ガラスが邪魔して、なかなか銃もあたらなかったりしますし、どこかあか抜けない感じのアクションこそが魅力です。
他のオススメ映画
本作品は、ガンフーと呼ばれる銃と肉弾戦を組み合わせた戦闘方式となっています。
このあたりは、何に影響を受けている云々というよりも、有名な作品をあげるのにとどめておきたいと思います。
銃をつかったアクションといえば、リベリオンをおいてほかにはないと思われます。
リベリオンででてくるガン=カタと呼ばれる架空の武術である格闘術は、銃をうちながら相手の銃をそらしながらも戦い続ける、という、銃の派手さと体術の動きを組み合わせた映画的にも見栄えのするものとなっています。
ディストピアと化したSF世界において、クリスチャン=ベール演じる主人公が、ガン=カタを駆使して戦いを挑んでいく物語となっています。
ガンフーにおける一つの到達点として、一見の価値がある作品になっています。
他の映画としておすすめなのは、殺し屋としてであれば、「レオン」はいうまでもないかもしれませんので、名作として、「グロリア」なんかがお勧めです。
子供と女殺し屋との交流が描かれます。
「ジョン・ウィック」では、とにかく、まわりがやんわりとめるのも聞かずに、大戦争に発展してしまいます。
コンチネンタル・ホテル
「ジョン・ウィック」において面白い設定なのが、殺し屋稼業の同業者だけが泊まることのできるホテルの存在でしょうか。
殺人者というのは、逆に言えば誰から恨まれたりしても不思議のない商売ですので、ある意味、安心して眠れるところは限られるというものです。
作中では、そんな殺人者たちの憩いの場としてコンチネンタル・ホテルなる場所が存在します。
漫画「殺し屋イチ」にもでてきた、ヤ〇ザマンションのようなものといえば、わかる人にはわかるでしょうか。
その場所では、面倒ごとはしない。
そんな了解のもと、同業者たちが暮らす場所となっているのです。
当然のごとく、裏切ってジョンを殺そうとする殺し屋がでてくるのですが、この商売を長く続けたいのであれば、報酬にはとうてい釣り合わないリスクを背負うことになると思うのですが、そのあたりは、つっこまないことにします。
ブギーマンとは
さて、作中の中で、ジョンのことを「ブギーマン」と呼んでくる人たちがいますが、ブギーマンについて簡単に書いてみたいと思います。
正確な伝承というのを紐解くと大変になりますので、ようは、なんか恐ろしいものの総称である、と思っていただけばと思います。
「悪いことをしたら、鬼がくる」
とか、なまはげがくる、とかそういうものだと思ってくれればいいのではないでしょうか。
ちなみに、ジョン・カーペンター監督「ハロウィン」では、そんなブギーマンのようなものを描いた恐怖が映画となっていたりします。
昔取った杵柄
最後に「ジョン・ウィック」の楽しいところを紹介して終わりにしたいと思います。
ジョンは伝説の殺し屋でありながら、愛する女性と出会ったことで殺人稼業を引退した男です。
そのため、敵であるヴィゴを倒すために復帰した彼は、いろいろな人から「会えてうれしいわ」とか「また一緒に仕事を」と誘われるのです。
そのまわりの反応をみるだけで、ジョンがどんな殺人芸を見せてくれるのかわくわくさせられるところです。
その泥臭いアクションとのギャップも含めて、難しいことは考えずに、不幸な男が敵を倒しまくる物語としてみて楽しんでいただければと思います。
以上、アクション映画としての境地。映画「ジョン・ウィック」でした!