シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

洋画

おっさんのゲーム魂は傷つかない。映画「ピクセル」

「ホーム・アローン」で有名な監督、クリス・コロンバス監督によるビデオゲーム全盛の時代を生きた人間の、ブロマンス映画的であり、トラウマ克服映画でもある本作品について、どのような点を強く見ていくといいのかを解説してみたいと思います。 オタクは、…

男って馬鹿ね。キューブリック監督/博士の異常な愛情

スタンリー・キューブリック監督の代表作のひとつ「博士の異常な愛情。または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったか」について、ブラックユーモアたっぷりな本作品の楽しみ方について、語ってみたいと思います。 人は、本当に異常なと…

クイーンと出会おう! 映画「ボヘミアンラプソディ」

クイーンといえば、伝説的なイギリスのロックバンドです。 とはいえ、ボーカルであるフレディ・マーキュリーが死去してから長い年月がたち、名前だけは知っているけれど、あまり詳しくは知らない、といった人たちが多くなってきていたのではないでしょうか。…

アカデミー賞脚本賞。感想&解説 映画「ゲット・アウト」

差別というのはよくないことです。ただ、歴史と言うのは残酷なもので、差別が行われてきた事実はありましたし、それを利用する人たちも多く存在していました。 その歴史の中で、移民国家であるもののアメリカは白人が支配する国であったという歴史的事実はあ…

妄想の成れの果て マーティン・スコセッシ映画「キング・オブ・コメディ」

マーティン・スコセッシ監督とロバート・デニーロといえば「タクシードライバー」が有名すぎるところです。 映画史に残る作品であり、数多くの人たちに影響を与えた映画ですが、1976年につくられた「タクシードライバー」よりも、ある意味はるかに危険な…

大脱出!スマッシュなアニキ達。スタローン&シュワちゃん夢のW共演「大脱出」感想

かつて、アメリカン・ニューシネマ(またはニューアメリカンシネマ)が、シルベスター・スタローン主演「ロッキー」によって終わりを告げ、やがて、筋肉スターたちのアクション映画が台頭してくるようになっていきました。 映画の歴史の中において、いまだに…

怪盗グルーのミニオン危機一髪 感想

「怪盗グルーのミニオン危機一髪」は、怪盗グルーシリーズの第二作目となっております。 ミニオンたちの可愛さや楽しさはそのままになった本作品は、恋や愛といった部分を前面に押し出してつくられていますので、簡単に解説してみたいと思います。

戦場は男の世界/ローン・サバイバー

戦争は常に悲劇を生むものですが、その中で戦っている人たちがいることもまた事実です。 マーク・ウォールバーグ主演「ローン・サバイバー」は、アフガニスタン紛争におけるアメリカのタリバン政権への軍事行動であるレッド・ウィング作戦を取り扱った作品と…

ブラック企業でも人間性を取り戻せ/サウルの息子  

サウルの息子は、第二次世界大戦下のアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所を舞台にした物語です。 ユダヤ人の虐殺を取り扱った映画は数多くありますが、「サウルの息子」は、今までの作品と一線を画する作品となっています。 その違いを含めて、最後に主人…

自分探しのやりかた。感想解説。スカーレット・ヨハンソン主演「私がクマにキレた理由

自分自身というのは案外よくわからないものです。 また、他人から指摘されてはじめてわかったりすることもあり、自分が本当にやりたいこと、というのは案外わからないものだったりします。 さて、「私がクマにキレた理由」は、スカーレット・ヨハンソンが主…

なぜ心に疑いを持つのか。国村隼主演「哭声/コクソン」解説&感想

人間とは何を信じて生きればいいのか。 自分が見えるものは本当に正しいものなのか。 「哭声/コクソン」は、人間の弱さを浮き彫りにした衝撃作です。 本作品は、宗教的な観念も含めて考えなければ、よくわからないパニックホラーものになってしまいかねない…

身勝手な男は暴力に支配される。サム・ペキンパー「わらの犬」解説  

サム・ペキンパー監督といえば、「ワイルドバンチ」によってそれまでの西部劇を一変させた監督であり、バイオレンス描写については一線を画する監督です。 西部劇で有名な監督ではありますが、今回紹介するのは、ダスティン・ホフマン主演「わらの犬」を紹介…

日本人は見るべき映画。感想&解説「犬ヶ島」ウェス・アンダーソン

ウェス・アンダーソン監督といえば、天才少年と学校の校長との恋の鞘当てが行われる「天才マックスの世界」や、アカデミー賞にノミネート・受賞するなどした「グランド・ブタペスト・ホテル」で有名です。 ウェス・アンダーソン監督は以前にもストップモーシ…

完全犯罪はうまくいかない。感想解説/完全犯罪クラブ

社会という中でいきている以上、犯罪を避けるというのは当然の発想です。 ですが、時として人は、環境や可能性が整ったとき、その誘惑に抗えなかったりすることも往々にあるのではないでしょうか。 レオポルドとローブによる事件を題材に、過去数度の映画化…

身勝手な親たち。ネタバレあり。映画「ラブレス」アンドレイ・ズビャギンツェフ

冷め切った夫婦関係。 お互いに恋人がいて、それを隠すこともないまま離婚協議をすすめ、高級マンションを売り払おうと算段をつける。 二人がそれぞれの生活をすすめていこうとしている中、一人息子の行く先だけが決まっていない。 なんと恐ろしい状況でしょ…

トロッコ問題。アメリカンスナイパー感想&解説 クリント・イーストウッド

クリント・イーストウッド監督といえば、80歳を越えてなお映画を製作し続ける紛れもなくA級の映画監督です。 アメリカの魂は移民であろうと継承できるという思いを描いた傑作「グラン・トリノ」や、孤独だった女性とトレーナーがボクシングを通じて生きる…

むかわ竜で盛り上がったら、この映画/ジュラシック・パーク

日本で最大の全身骨格恐竜であるとされている通称むかわ竜。 歴史的発見の後押しもあって、恐竜に対する興味がじわじわと盛り上がっている人も多いのではないでしょうか。 太古のロマンである恐竜。 そんな恐竜へのロマンが現実化した、歴史的な作品である「…

お前のミルクシェイキを飲みつくす!感想&解説/ゼアウィルビーブラッド

ポール・トーマス・アンダーソン監督(以下PTA監督)といえば、映画界の中でも才能に溢れた人物として、有名な人物です。 アメリカのポルノ業界の隆盛と、その中で翻弄される主人公を描いた「ブギーナイツ」を監督したことで一躍有名になり、トム・クルー…

人間は変わることができる。黒人差別/大統領の執事の涙

人間の価値観は変化していきます。 かつては良しとされていたものも、時代を経るにつれて悪いものにかわっていったりするものです。また、その逆もあります。 人類の歴史の中でも、奴隷文化や差別の歴史というものは今の我々にとってすれば、常識外のことで…

ネタバレ解説。人は見かけじゃない/スリービルボード

3枚の看板を田舎の道沿いに立てる。そこから波及する影響をもとに、人々の心のありようが浮き彫りにされる「スリービルボード」。 わかりやすいアクションがあるわけでも、心が熱くなるような恋愛劇があるわけでもない本作品ですが、看板に表裏があるように…

ファミリーでも安心映画。紳士なクマが大活躍/パディントン

くまのパディントンといえば、全世界でも販売されている有名な児童文学の一つです。 子供の頃に読まないまでも見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。 クマのパディントン 作者: マイケルボンド,R.W.アリー,Michael Bond,R.W. Alley,木坂涼 出版…

日本語も英語も伝わらない/ロスト・イン・トランスレーション

ソフィア・コッポラ監督といえば、言わずとしれた「地獄の黙示録」や「ゴッドファーザー」シリーズで有名なフランシス・フォード・コッポラ監督の娘です。 そのソフィア・コッポラの監督2作品目にあたるのが「ロスト・イン・トランスレーション」となってい…

誰が最後だ!考察&感想&解説 スターウォーズ 最後のジェダイ  

エピソード7に続き「スターウォーズ 最後のジェダイ」が公開されました。 ネタバレは最小限にしつつ、賛否両論ある本作品について、どういった物語となっているのかについて考えながら、見ていきたいと思います。

悩み事から逃げたら、こうなるかも/マシニスト

どんな人であったとしても、悩み事というのは尽きないものです。 ましてや、それがとりかえしのつかないことをしてしまって、誰にもいえない状況になってしまったら、ノイローゼになってしまっても不思議ではありません。 マシニストは、悩みによって自分自…

愛することについて/きみに読む物語

年齢を経た中ですれ違う男女を描いた「ブルー・バレインタイン」や、ダッチワイフを彼女だとして連れてきた心の弱った男を「ラースとその彼女」で演じたライアン・ゴズリング。 ラースと、その彼女<特別編> [DVD] 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム…

子供の幸せは誰が決めるのか/ゴーン・ベイビー・ゴーン

ベン・アフレックといえば、「ゴーン・ガール」で冴えない旦那を演じる俳優を一方で、「グッド・ウィルハンティング」では共同脚本、「ザ・タウン」や、要人救出のために、偽の映画をつくるといって乗り込む「アルゴ」では監督もこなす多才な人物です。 そん…

地元に居づらい人はよくわかる。解説。マンチェスター・バイ・ザ・シー

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」は、アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞、そして、主演のケーシー・アフレックがアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品であり、それ以外にも数々の賞にノミネート・受賞した良作となっています。 そんな、「マンチェスタ…

騙されるより、騙されたい。マッチスティック・メン

騙されるということは不幸なことなのでしょうか。 多くの場合、騙されることはいいことではなく、残念な出来事であることは間違いありませんが、時には騙されたほうがいいことだってあったりします。 リドリー・スコット監督が描く、詐欺師を主人公にした映…

会社か、法令順守か。リドリー・スコット監督「エイリアン」  

言わずとしれた、SFホラーの古典であり、「エイリアン」という名前を聞けば、誰しもが、だいたいどういう映画かわかってしまう有名作品でもあります。 ただし、エイリアンシリーズも後半になるに従ってその影響力を徐々に失っていき、ついには「エイリアン…

女性の戦い方。アトミック・ブロンド

映画にでてくる女性のアクションスターというのは、だいたいが細腕です。 「トゥームレイダー」や「ミスター&ミセススミス」などで、アクションもバリバリこなしていたアンジョリーナ・ジョリーや、バイオハザードシリーズでお馴染み、ミラ・ジョヴォヴィッ…

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