シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

なぜ心に疑いを持つのか。国村隼主演「哭声/コクソン」解説&感想

哭声/コクソン(字幕版)

 

 人間とは何を信じて生きればいいのか。

自分が見えるものは本当に正しいものなのか。

「哭声/コクソン」は、人間の弱さを浮き彫りにした衝撃作です。

本作品は、宗教的な観念も含めて考えなければ、よくわからないパニックホラーものになってしまいかねない作品でもあり、解釈の余地のある作品ですので、一つの見方としての真実を語ってみたいと思います。

 

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宮沢りえ主演「湯を沸かすほどの熱い愛」感想&解説

湯を沸かすほどの熱い愛

  

自分の余命がわかったとき、人はどんな行動をとるのでしょうか。

多くの作品がそのような人生の終わりを予感することで、変わる人間を描いてきていますが、「湯を沸かすほどの熱い愛」は、一人の女性が、大きな愛を示し、多くの人間を救っていく物語となっています。


倫理的な問題が言われることもある本作品ですが、その魅力と物語の構造を含めて解説してみたいと思います。

 

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身勝手な男は暴力に支配される。サム・ペキンパー「わらの犬」解説  

 

わらの犬 HDリマスター版 [Blu-ray]

サム・ペキンパー監督といえば、「ワイルドバンチ」によってそれまでの西部劇を一変させた監督であり、バイオレンス描写については一線を画する監督です。


西部劇で有名な監督ではありますが、今回紹介するのは、ダスティン・ホフマン主演「わらの犬」を紹介してみたいと思います。


園子温監督「冷たい熱帯魚」は、本作品の影響を思いっきり受けており、その類似性も含めて解説していきます。

 

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本当の幸せとは何か。感想。「あなた、その川を渡らないで」  

あなた、その川を渡らないで(字幕版)

 

ドキュメンタリー映画というのは、時に厳しい現実を映し出すことができます。

虐殺したことを誇っている人を映し出した「アクトオブキリング」などは有名だったりしますが、今回紹介する映画は、愛や老いとは一体どういうものなのかというのを、恐ろしさと共に伝えた作品です。


やらせじゃないの、といわれることもある作品もあり、感動で涙がとまらなかった、という人もいる本作品について、シネマトブログ的にはこう見えた、という部分を誇張しながら感想を述べてみたいと思います。

 

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ダメな人でも未来を。是枝裕和監督「海よりもまだ深く」

海よりもまだ深く

 

人間というのは、なかなか素直になれないものです。

いいたくもないことを言ってみたり、嬉しいのに怒ってみたり。すべてが自分の思い通りにならないからこそおもしろいといえる人生かもしれませんが、なかなか、そんなに割り切れるものではありません。


そんな、うまく生きることのできない家族を描いた作品、「海よりもまだ深く」について、人間の業(ごう)がどのような形で肯定されているかを含めて、考えてみたいと思います。

 

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日本人は見るべき映画。感想&解説「犬ヶ島」ウェス・アンダーソン

犬ヶ島

 

ウェス・アンダーソン監督といえば、天才少年と学校の校長との恋の鞘当てが行われる「天才マックスの世界」や、アカデミー賞にノミネート・受賞するなどした「グランド・ブタペスト・ホテル」で有名です。


ウェス・アンダーソン監督は以前にもストップモーションアニメである「ファンタスティック MR.FOX」を作成しているのですが、「犬ヶ島」は、段違いの出来のよさとなっています。


ネタバレしたからといって魅力に影響がでるような作品ではありませんが、少々物語に踏み込みながら、究極のストップモーションアニメといえる本作品について感想と解説をしてみたいと思います。

 

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家族も終わる。感想&解説。ネタバレあり。是枝裕和監督「万引き家族」

万引き家族【映画小説化作品】

 

 何かと騒がれてしまっている是枝和弘監督「万引き家族」ですが、本作品を通じてみえてくる事柄や、で是枝監督が描き続けてきた家族というものについて、一つの集大成として描かれた本作品を、ネタバレありで解説してみたいと思います。


誤解をうけることの多い本作品とはいえ、人間の業(ごう)を肯定するという点において、文学としてみても素晴らしいものでもありますので、感想も含めて述べていきたいと思います。

 

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