ヤクザ映画おすすめブックガイド!
今回はヤクザ・任侠映画を観る前・観た後に読むと大変オモチロイ本を紹介してしまいます!
ヤクザ映画なんて観たことないよー! という人でも楽しめるような本、実際に自分が読んでみてよかったと思う本を紹介しますので、気になる方はぜひぜひ手に取ってください!
①『昭和の劇ー映画脚本家・笠原和夫』
晩年の深作欣二もよく読み返していた一冊!
『仁義なき戦い』シリーズをはじめ、数々のヤクザ映画の脚本を書き上げた脚本家・笠原和夫。
インタビューや豊富な資料を中心にその笠原の思考と軌跡を一冊にギュギュッとまとめた本です。彼の脚本家人生を通して、「なぜそれを書いたのか」を解き明かします。戦争体験を経た彼の天皇への複雑な思いもまとめられています。非常に熱量を感じる、魂の本です!
定価も高いし、ぶ厚い(約600ページ)です!
いやいや、定価も高いし、ぶ厚すぎんよ・・・と思った御仁は同じく笠原和夫著『映画はやくざなり』を読みましょう。こちらは約1600円、ページ数も少なく(約200ページ)サクサク読めます。脚本に興味のある方は「シナリオ骨法十箇条」に関するページがオススメ。
②『仁義なき戦い 浪漫アルバム』
ハロプロと東映映画を愛する男、杉作J太郎氏が中心となって編まれた『仁義なき戦い』シリーズを分かりやすくまとめた一冊。
細かい文字やコラム、ところどころに挟み込まれる写真など、まさにマニアック!
古きよきヲタの熱い思いが伝わってきて、一家に一冊は置いておきたい!
初心者にも優しい登場人物のまとめなどもあるので、これから『仁義なき戦い』シリーズを観たいと思った貴方にも、何度も観返している貴方にもオススメです。
杉作『浪漫アルバム』シリーズは他にも『トラック野郎』や『東映ピンキー・バイオレンス』、『東映スピード・アクション』などが編まれているのでそこらへんが好きな方にはたまらないシリーズです!
東映実録路線を分かりやすくまとめたムック本。サイズ的には少々大きめだがそんなにページ数はない。わずか5年の間とはいえ、時代の花となった東映実録路線をざっと復習するのに最適。当時の広告やポスターが再録されていて、平成のこの世ながらも昭和にトリップできる嬉しい一冊です!
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④「妖しの民」と生まれきて
笠原和夫の本はどれも読み応えありますが、これもそんな一冊。子供時代から脚本家に至るまでが極上の文章で瑞々しく描写されています(笠原は自分の文章はうまくない、と主張しますがまったくそんなことありません!)。
とくに本書の後半に収録されている幻の短編『木挽町のパリ祭』は傑作です!米軍とパンパンのためのホテルのマネージャーをやっていた頃を小説化した作品で、ノスタルジーとリアリズム溢れる内容です。真実と幻想、快楽と憂いの曖昧な領域を行き来する独特なテイストは、彼の描くヤクザ実録路線にも通ずるものがあると自分は思います!
⑥笠原和夫 人とシナリオ
- 作者: シナリオ作家協会「笠原和夫人とシナリオ」出版委員会
- 出版社/メーカー: シナリオ作家協会
- 発売日: 2003/12
- メディア: 単行本
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シナリオ作家協会プレゼンツ『人とシナリオ』シリーズの一冊。笠原関係本ばっかりで恐縮ですが、こちらは彼のシナリオをそのまま収録した貴重なもの(現在、絶版とのこと。大変残念であります…)。7本のシナリオが収められており、『博打打ち 総長賭博』、『仁義なき戦い 代理戦争』、『県警対組織暴力』などを読むことができます。
『シナリオ 仁義なき戦い』では笠原の関わった、完結篇を除く『仁義なき戦い』シリーズ初期4作品の脚本を読むことができます!しかしこちらも絶版…。とみせかけてKindleでは600円で売っているようです! 安い!
シナリオ仁義なき戦い 仁義なき戦い 広島死闘篇 代理戦争 頂上作戦
- 作者: 笠原和夫
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/09/12
- メディア: Kindle版
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⑦東映実録路線 最後の真実
笠原が『仁義なき戦い』シリーズの脚本を降りたあとを継いだ、高田宏治氏。彼の解説と回想で、東映実録路線を振り返る一冊。『仁義なき戦い』のみではなく、安藤昇系作品なども取り扱っております。作品ガイドとしても使えますが、当時の関係者インタビューも収録されております。コンパクトに各作品がまとめられておりますので、サクサク読んでいけますよ!
⑧映画監督 深作欣二
東映実録映画はじめ、邦画史に残る名作をバンバン撮影しまくった深作欣二をインタビューで振り返る一冊。彼の全61作をまとめられています!
ヤクザ映画関連本として考えると『昭和の劇』と対になるような一冊であり、こちらも定価約4500円、500ページオーバーという大作であります!
でも、深作好きのみならず映画を愛する人ならば必ず楽しめる一冊です!
⑨映画俳優 安藤昇
貴重な本を次々と繰り出してくれることで一部の映画ファンを歓喜させているワイズ出版映画文庫。そんな文庫から一冊とりあげるとしたらコレ。
2015年に亡くなった、映画俳優・安藤昇の映画人生を振り返ります。絶版本を再構築して編まれたそうです。インタビューが大変貴重です。こんないい本を安価で、しかも文庫で出版してくれるワイズ出版、マジ神です!
⑩映画の奈落:北陸代理戦争事件
東映実録路線最後の一作とも評される『北陸代理戦争』。その作品とその後に起きたある事件を丹念に取材し、まとめあげた伊藤彰彦の労作。
映画も熱いが、その周辺も熱い!
やはりヤクザ映画は取材とファンタジーの混合によって成立することがよく分かります。本書にでてくるエピソードが一つ一つすさまじく、これはこれで一本の映画を観ているような気分になります。東映映画ファンの間でも非常に評価の高い一冊なので、ご興味のある方はぜひ「映画の奈落」を覗いてみて下さい!
さて、ザザっとおすすめ本を取り上げてみました!
あなたが読んだことのある本はありましたか?
それでは次の特集でお会いしましょう!