ジェニシスをみた後は/ターミネーター3・ターミネーター4
ターミネーター1・2、そしてジェニシスと当ブログにて紹介させてもらいましたが、もしターミネーター3と4を見なかった方で、まだまだターミネーター熱が冷めない方のために、映画会社的に無かったことになってしまったターミネーター3・4について解説・評論をしていきます。
ターミネーター3は、シュワちゃんもでてきますので、シュワリスト(?)のみなさんも安心して楽しむことが出来きます。
当ブログで紹介したターミネーター記事を確認したい、まだ見ていないから先にみておきたい、という方は、以下の記事をみたあとに、アイルビーバックしてもらえるとありがたいです。
ターミネーター3
ターミネーター映画シリーズで唯一の女ターミネーターが出現します。
もう、何のために存在するのか意味がわからなくなりそうですが、女ターミネーターとシュワちゃんが大迫力で戦います。
ターミネーター2から、12年の歳月を経てつくられた続編である本作品。
ターミネーター2の世界から10年後。審判の日と呼ばれる機械の反乱は起こらず、救世主にならなかったジョン・コナーは、動物病院に入って痛み止めを奪うという、ジャンキーなのか、本気なのかよくわからない状態になっています。
あの、救世主になるはずの男がどうしてこんなことになってしまったのか。
T2でのあの美少年っぷりはすでにありません。役者も変わってしまっているとはいえ、面影すら感じられません。
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そんな中、女ターミネーターが現れて、未来のジョン・コナーの部下たちを殺しまくります。
また、ジョン・コナーを守るため、シュワルツネッガー演じるTX-850もまた過去の世界にあらわれて、ジョン・コナーと未来の奥さんであるケイト・ブリュースターを守るため、T-Xと戦いを繰り広げる。
っというのが、ざっくりした内容です。
脚本的な見所としては、ジョン・コナーがすっかり駄目人間になっていることでしょう。
T2では救世主になるべく鍛えられていたはずのジョン・コナーが、機械が反乱しなかったせいで、社会からはみだしてしまい、すっかり世捨て人になってしまっています。
かつて救世主になるはずだった男が、救世主となるための場がなくなってしまったせいで駄目男になってしまう姿は、皮肉としかいいようがありません。
ゼロ年代と呼ばれる時代を代表する作品としても読めるのが興味深いです。
何にもなれなかったジョン・コナー。
今回のターミネーターは、ジョンが再び救世主になるための、前日談となっているのです。
戦闘シーンはT2を超える?
ターミネーター2の続編ということで、2億ドルもの制作費をかけただけあり、アクションや爆発は見ごたえがあります。
女ターミネーターであるT-Xは、TX-800シリーズと同じく金属骨格をもちながら、TX-1000のような流体金属をみにまとうことで、変身することができ、且つ、金属骨格の中にプラズマ砲を搭載。
複雑な武器になることができないというTX-1000の欠点を補完する、まさにシリーズ史上最強のターミネーターなのです。
ターミネーターだったら、女である必要がないじゃないか、というのも公開当時言われたそうですが、隠密行動をとるのであれば、女性型のほうがいいだろう、と思えなくも無い。
っと思っていたのですが、女性型だから優位に物語が動いたっていうところは見受けられませんでした。まぁ、登場シーン付近で、警察にとめられたときには、よかったかもしれませが、必要はなかったです。
サービスとして、セクシー美女の看板をみて、自分の胸を大きくするというズルをやったことには、T-Xの人間?らしさがでてよかったとは思いますが。
クレーン車や消防車がでてくるカーチェイスシーンは、大迫力です。
老練たるシュワちゃんと、新型であるT-Xの戦い。
それは、ジェニシスででてくるセリフとも共通することですが、「古いが、ポンコツではない」という言葉のごとく、TーXはたしかに、最新型。
Tー850という改良版とはいえ、旧式のシュワちゃん。
しかし、その差を経験でうめる戦いかたが、非常に見ものであることが間違いありません。
ターミネーターTX-850の目的
ターミネーター3では、TX-850が水素電池で動いていることがあかされます。しかも、損傷等によりダメージを受けると大爆発をするというおまけつき。
また、心理学のプログラムを書き加えられて、自殺すると脅すジョン・コナーに、自殺する気がないと断定してしまう多機能さには、ターミネーターの改良が読み取れます。
ネタバレは極力しないつもりなので、直接は書きませんが、ターミネーター3では、シュワちゃんの目的がいまいちわかるようなわからないような感じになっています。
「審判の日は来ないんじゃないのか」
というジョンに対して、
「先に伸びただけで、審判の日は訪れる」
T2での出来事は、たんに先延ばしにしただけで審判の日は回避できないことがあかされます。
じゃあ、一体シュワちゃんは何をしにきたんだ、思うのですが、その結末は、物語の一番最後の部分であり、ネタバレとなりますので、是非ご覧いただければと思います。
ただ、T2にでてきたターミネーターであるシュワちゃんとは型式も違うということからもわかるように、見た目は同じでも、別のターミネーターとなっています。
「覚えていないのか、アスタ・ラ・ビスタ・ベイビー(日本語訳 地獄に落ちな、ベイビー)だよ」
「それは、別のターミネーターだ。私ではない」
というやりとりから、ターミネーターとの思い出がジョンに影響をあたえていることや、
「ジョン・コナーは子供のころの体験から、同系統のターミネーターに対して感傷がある」
といったことをいっていて、ターミネーターとの出会いそのものが、救世主としてのジョン・コナーに弱さをあたえてしまっている点がいいですね。
この映画にでてくるジョンは救世主ではないということがわかります。でも、ターミネーターは彼を助けるのです。
ターミネーター4
邦題では、「Terminator Salvation」となっています。
Salvationは救済とか、救助とかそういった意味です。
「ターミネーター:救助」ではあまりに、格好悪いのと、日本人向けにターミネーター4ということになったのだと思います。
本作品では、二つの物語が同時に進行します。
一つは、名前の通り、ジョン・コナーが、自分の父親であるカイル・リースが殺されそうになっていることを知り、スカイネットの拠点に父を助けにいく、という物語です。
二つ目は、サイバーダイン社によって、機械に改造されてしまった男、マーカス・ライトの人間と機械、その尊厳を描いています。
最終的には、コナーの頬にのこった傷を説明する物語であり、真の意味で救世主となった瞬間を描く物語として決着します。
今まで少ししか描かれてこなかったターミネーターの未来世界ですが、それをメインにもってきた作品が、ターミネーター4です。
なので、様々なターミネーターをみることができます。
まだ皮膚がついていなかった量産品、TX-600。
バイクの状態で人を襲う、モトターミネーター。
水中で人を襲ってくるヘビのようなハイドロボット。
超巨大な人間捕獲用ロボット、ハーヴェスター。
T1からもおなじみ、HKことハンターキラーも健在で、どんどん人を襲います。
ターミネーターの見本市みたいな作品が、ターミネーター4になっていて、爆発するし、光線は飛び交うわで、迫力は満点です。
カイルと一緒にいる女の子がいるのですが、その子がまるで、ドラえもんのように、重要なタイミングで道具を渡してくれるのが、面白かったりしますが、脚本的にはT1,T2を見比べてしまうと見劣りしてしまいます。
なぜ、T3とT4は評価が低いのか。
ジェームズ・キャメロンが監督をやっていない以上、どの監督がやっても見劣りがしてしまうのはしょうがありません。
ただ、T3に関しては、ターミネーターの設定。
救世主になれなかった救世主の末路。
シュワちゃんとの絆。
審判の日がはじまる絶望感。
非常に面白かったと思います。
T4に関しては、たしかに物語として盛り上がっているのかよくわからなかったりはしますが、ターミネーターの未来というのを過不足なく提示したという点で、興味深く面白くみることができました。
では、何が足りないのか。
それは、サラ・コナーと、アーノルド・シュワルツェネッガーです。
サラ・コナーがいない
ジェームズ・キャメロンの映画でかかせないのは、強い女性。
T1では、逃げるだけだったリンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーが、最後には、ターミネーターを撃退し、強い女性になり、救世主を育てる母となる姿が描かれています。
ウェイトレスをやっていて、金持ちの男と付き合っていたサラが、自立した女性になるというのはまさに象徴的といえるでしょう。
T2では、バリバリに鍛え上げ、息子を救世主にするためならどんな非合法でも自分を危険にさらしてもかまわない、強い母を強烈に示しました。
息子のためなら、一人でサイバーダイン社の技術者を殺しにいく。精神異常者と思われることなんて気にせずに立ち向かう姿と、表情は忘れられません。
強い女性が運命に立ち向かっていく。
その象徴こそが、リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーなのです。
T3では、白血病で死んだ、ということで終わっています。
その代わりに、ジョン・コナーの未来の妻ということになっている、ケイト・ブリュースターが、逃げるだけの女性から、銃をもって機械を壊すまでになっています。
ただ、あくまでジョンが主人公なので、ケイトの存在は物語上は大きいですが、象徴的な存在とは言いがたいと思います。
T4にいたっては、強い女性はでてきますが、やはり、サラ・コナーと比べると活躍の場は限定されています。むしろ、主人公に助けられるばかりで、ぱっとしないぐらいです。
そう、ターミネーター1・2で大きな魅力の一つになっていた要素がT3・T4ではほとんど無いのです。
知事になってしまったシュワルツェネッガー
続いて、ターミネーター1・2の大きな魅力になっていたアーノルドシュワルツネッガーですが、T3では、ちゃんとでてきています。
なので、サラがいなくてもシュワちゃんだけで十分みせてくれました。
しかし、T4にいたっては、カリフォルニア知事になっていたせいで、出演することができず、CGで使いまわしたシュワちゃんが、実に不完全な状態で再現されます。
再び敵になってしまったシュワちゃん。
しかし、あっという間に人工皮膚はなくなり、骨格だけで襲ってきてしまうので、誰だろうと関係ないやん、と思ってしまうのが悲しいところ。
ターミネーターたちは、いったいどうすれば倒すことができるんだろう、というドキドキも大きな要素だと思います。
しかし、ターミネーター4で、最後の最後に満を持してあらわれた、シュワちゃんは、鉄パイプでひとひねりされて、くびが飛びます。
ええ、これだけ!?
今までの攻防戦はどうしたんだ。
すいません、ネタバレしました。
ネタバレしましたが、どうやってターミネーターを倒すかがシリーズの中での肝でもあるはずなのですが、T4にいたっては簡単すぎました。
もちろん、ネタバレの要素はもっと別のところにありますのでご安心を。
純粋にシリーズの重要な場面が、そんな簡単に終わってしまうのか、ということに驚いてしまうのです。
もちろん、そこにいたるまでの攻防戦は見ものです。T1~3まで毎回使われているターミネーターならでわの戦い方も見せてくれます。
ターミネーター2での予告編でも言われていますが、シュワちゃんは、ダークヒーローとして紹介されます。
※諸般の都合により、2の予告を張っています。
冷酷、非道、残虐、最強の悪のヒーローがやってくる
ターミネーター1 予告より
ちゃらいやつらは、シュワちゃんがばったばったと倒して、服を剥ぎ取ってしまうのです。
その悪魔的な存在のターミネーターだからこそ、魅力敵(的)なのです。
二つの魅力
強い強い女性を意味するサラ・コナー。
決して倒れず、諦めず、強い強いターミネーター。シュワちゃん。
この二つの魅力が如何なく発揮されていたのが、ターミネーター1であり、ターミネーター2でした。
ターミネーター3は、サラ不在。
ターミネーター4は、シュワ不在。サラ不在。
魅力が下がってしまうのは、仕方が無いことでしょう。
とはいえ、その二つの魅力という点でみるとたしかに見劣るかもしれませんが、迫力は違います。
スケールアップした爆発。
戦闘。
ターミネーターシリーズとしてではなく、純粋なアクション映画としてみるのであれば、その熱気の中に2時間を過ごすことができること間違いなしです。
ちなみに、ブルーレイやDVDとでていますが、どちらも映像的にはかわらないように思えますが、爆発をより迫力をもって体感したいのであれば、やはりブルーレイがいいと思います。
何より、ターミネーター・ジェニシスをみた人であれば、その余韻をより伸ばすためには悪くない映画だと思います。
再び、ジェニシス。
今紹介したターミネーターの魅力を考えた上で、再度、ターミネータージェニシスについて考えてみたいと思います。
ジェニシスは、サラ・コナーが9歳のときに、ターミネーターに助けられた世界がベースになっています。
T2のように後から鍛えたわけでもなく、子供のころからバリバリ鍛えていたサラ。
ちょっと、恋と運命を天秤にかけてしまう乙女な戦士ではありますが、サラ・コナーというキャラクターの重要性をはっきり意識してつくられているのは間違いありません。
また、シュワちゃんも67歳にして再びターミネーターに戻ってきたということで、そのターミネーター像はより強固なものとなっています。
3部作ということですので、ここからどのように物語が展開していくのか。
興味は尽きませんが、T3やT4もまた可能性の未来の一つとして、視聴者を楽しませてくれるに違いありません。
以上、『ジェニシスを見たあとは/ターミネーター3・ターミネーター4』でした!
ターミネーターに関連ある記事は以下になります。