この世界の片隅に、を見たあとに/マイマイ新子と千年の魔法
圧倒的なクオリティと、積み上げてきた時代考証によって、日本アニメ映画の歴史に壮絶な存在感を示した「この世界の片隅に」。
その監督である片淵須直氏の前作品である「マイマイ新子と千年の魔法」について、「この世界の片隅に」と関連性を考えながら、なぜ、ここまで片淵監督の作品が愛されることになるのか、その理由について考えてみました。
当ブログでは、「この世界の片隅に」の感想&解説も記載しておりますので、是非ご覧いただきたいと思います。
想像力豊かな女の子
「マイマイ新子と千年の魔法」の主人公である新子(しんこ)は、山口県に住む女の子です。
麦畑が広がる村で、大好きなおじいちゃんに千年前の風景や人々について教えてもらうことで、彼女は、想像力を働かせながら日々を生活しています。
続きを読むこの世界の片隅に。ネタバレ必須の感想&解説。原作と映画の違いも含めて。
片淵須直「この世界の片隅に」は、こうの史代氏の漫画が原作の映画です。
各所で話題になっている本作品ですが、その圧倒的なまでに作りこまれた世界。アニメ映画ならではの表現。伝わってくる感情の分厚さ。いずれをとっても、とんでもない作品です。
「アニメ映画で、しかも、戦争ものだし」と思う人もいるかもしれませんが、見る前の人は、ネタバレなしの前半を、見た後の人は、ネタバレをしている後半部分もふくめて「この世界の片隅に」の魅力について、その圧倒的な情報量を紐解きながら語ってみたいと思います。
原作漫画も非常に面白いのですが、映画になるにあたって、カットされる部分もありますし、追加される部分もあります。
そのあたりから、映画でのねらいも含めた中で考えてみます。
続きを読むシンゴジラのいちばん長い日。ネタバレ解説/シン・ゴジラ
「新世紀エヴァンゲリオン」や「不思議の海のナディア」の監督である庵野秀明監督がつくったゴジラシリーズの最新作「シン・ゴジラ」がついに公開されました。
12年もの間つくられることがなかったゴジラですが、圧倒的な才能と実力をもって、日本への希望などが示される作品となっています。
庵野監督版「ゴジラ」がどのような影響の下作られたのか、その元ネタを探りつつ、シン・ゴジラの魅力に迫ってみたいと思います。
極力、物語の本質的なネタバレは避けておりますが、この映画は、事前情報をいれない状態でみたほうが明らかに面白い作品となっておりますので、すぐにでも映画をみにいける人は、映画をみてから、事前情報が入ってしまった方については、あきらめて当ブログの見方を参考にしていただけると、シン・ゴジラをより考えながら見ることができる一助になると思います。
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