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シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

銀河の歴史がまた一ページ/スターウォーズエピソード1 ファントムメナス

スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス [DVD]

 

当ブログにおいて、エピソード7「フォースの覚醒」を前に、スターウォーズエピソード4について紹介しましたが、やはり、どれから見るかというのを改めて考えるためにも、エピソード1を紹介してまいります。

 

エピソード4は古い作品なので見劣りしてしまうということもありますし、スターウォーズはそもそも、エピソード1からはじまる物語である、ということを考えても、エピソード1から見ていくことで、スターウォーズという物語そのものをてっとり早く理解することができます。


ダース・ベーダーや、アナキン・スカイウォーカーとか、ジェダイ。フォース。ダークサイドなど、単語としては聞いたことがあるものも多いと思います。


また、今まで生活してきた中で、スターウォーズ関連の用語を耳にしている方は多いでしょう。

R2D2は可愛いし、キャラクターとして好きだ、とか、ユニクロのTシャツで着ています、とか様々あると思います。

 

スターウォーズシリーズを全てみるのはなかな大変ですし、見方を失敗することでせっかくのスターウォーズを楽しめなくなってしまうのは残念です。

改めて、スターウォーズをみることで、これからの人生でスターウォーズを避けずに正面から楽しむことができるよう、紹介・解説をしてまいります。

 

ちなみに、エピソード4については以下の記事でご覧いただけます。

 

 

エピソード1の概要


1999年に公開され、スターウォーズの世界でいえば序章にあたるのが本作品です。

また、エピソード4以来、22年ぶりにジョージ・ルーカス自身が監督を行っているというのも、重要な部分です。


さて、題名のファントム・メナスとは、直訳すると見えざる敵、といえるものです。

果たして見えざる敵とは何か。


それは後述いたしますが、物語のあらすじをざっと説明します。


通商連合の画策により、惑星ナブーが征服されそうになっている中、惑星ナブーの女王であるアミダラ女王が、共和国の議会である元老院に助けを求めます。

その最中、ジェダイ・マスターであるクワイ=ガン・ジンが、桁外れに高いフォースの能力をもつ少年アナキン・スカイウォーカーと出会い、共にアミダラ女王を議会に送り届けます。

 

しかし、腐敗した元老院はあてにならず、アミダラ女王自ら惑星ナブーに戻り、現地の別の種族と結託、通商連合を倒す。

 

というのが、大まかな内容になっています。


実は、エピソード1はかなり入り組んだ内容になっているので、一度見ただけではよくわからない箇所もあるかもしれません。


通商連合とは?
惑星ナブー?


アミダラ女王?
銀河共和国?


エピソード4は、あくまで、ルーク・スカイウォーカー少年の成長を描いたものになっており、銀河帝国という巨大な敵と戦うという物語構造になっているため、物語にも入り込みやすくなっています。


しかし、エピソード1・2・3では、スターウォーズという世界そのものの成り立ちと、アナキン・スカイウォーカーという人間の葛藤が描かれることになります。

 

特にその世界が描かれることから、なんとなくわかるだろうといったていで、組織の説明が終わらされている箇所が多く、設定資料集などを読み込まないことにはよくわからないことになってしまいます。


しかし、そこはさすがのスターウォーズ


銀河共和国のことや、通商連合、また、その通商連合が惑星ナブーに対して行おうとしていたことは何か、なんてことは一切わからなくても、なんとなくドンパチやって、ライトセーバーで闘って、勝利するだけで面白く、話の内容は二の次でも、全然面白くみれてしまうのが、スターウォーズのすごさといえるでしょう。


もちろん、本記事では、そのわからなくてもいい部分についても解説してまいりますのでご安心ください。

 

スターウォーズの字幕ででてくるあらすじについて

 

スターウォーズシリーズでは、冒頭に必ず文字がズラズラっとでてきて、それまでの物語の説明をします。

注意して欲しいのは、ここにでてくる文字は、今までのあらすじ、ではなくて、映像にしなかっただけの重要な物語になっています。

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そのため、それをみなければ、なぜキャラクター達がそこにいるのかさっぱりわからないことになってしまいます。

 

エピソード1でも、クワイ=ガン・ジンと、オビ=ワン・ケノービがなぜ惑星ナブーへ向かったのかという重要なことが書かれたりしているので、文字をしっかり追わなければ、各物語が飛び飛びになってわからなくなってしまうので注意です。


また、スクリーン一杯に文字が一杯に広がる様は大迫力です。

 

間違いなくエピソード7でも行われるでしょうから、映画館でみることができる方は、迷わず大スクリーンで、あの巨大な文字をみることをおススメします。

また、この字幕でも必ずでてきますが、スターウォーズという物語は、はるか遠くの銀河の、昔の物語でもあるということが重ね重ねかかれていることもまた特徴です。

 

スターウォーズをより理解するための銀河英雄伝説

 

とある銀河にある星。そこが集まってできたのが銀河共和国です。

 

その中では元老院と呼ばれる議会があり、各惑星からでてくる議員たちによって構成されています。

 

さらに、通商連合と呼ばれる、巨大企業の集まりによる組織が存在します。

スターウォーズエピソード1・2・3は、権謀術数渦巻く世界の中で、平和の使者であるジェダイの騎士たちが活躍する物語です。


ただ、先ほども述べたように、銀河共和国や通商連合。元老院といった用語が普通にでてきて、いまいち理解できない部分もあるかと思います。

 

そんなスターウォーズの世界を理解するには、別作品を経由するとわかりやすいので、寄り道をしつつ紹介してまいりたいと思います。

 

スターウォーズと同じく、スペースオペラとして長年にわたり親しまれている日本の作品といえば、田中芳樹銀河英雄伝説」をおいてほかないでしょう。


銀河英雄伝説は、銀河帝国の貴族であるラインハルト・フォン・ローエングラムが、姉を後宮から助け出すために、親友のジークフリード・キルヒアイスと共に銀河帝国の皇帝まで上り詰めようとする物語です。

そして、共和制の理想をもっていた自由惑星同盟。その中で、はからずも出世していってしまう男ヤン・ウェンリー

商業自治領であるフェザーン

三つ巴になりながら、男達が織り成す壮大なスペースファンタジーこそが、「銀河英雄伝説」なのです。

銀河英雄伝説もまた、はるか昔の物語とされ、物語は、常に「後世の歴史家が言うには・・・」と、はるか未来から語られるように物語が進んでいきます。

 

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

 

 

さて、単に宇宙で男達が戦うからといってなぜこの物語を引き合いにだすのか。


それは、銀河英雄伝説もまた、共和国が銀河帝国になったという物語だからです。


銀河連邦と呼ばれる政府が誕生し、人類は平和に暮らしていましたが、いつしか政治は腐敗し、いつしか、天才政治家であるルドルフ・フォン・ゴールデンバウムが誕生。

民衆の期待を一身にうけ、終身執政官となり、やがて、銀河帝国皇帝に即位し、長い銀河帝国が始まります。

 

スターウォーズエピソード1・2・3は、銀河英雄伝のまさにこの部分を濃縮して行っているのです。

 

銀河英雄伝説は1982年に創刊されていますので、もちろん、スターウォーズ銀河英雄伝説スターウォーズは直接的な関係はないでしょうが、銀河英雄伝説のほうが影響を受けているという可能性もあります。

 

ただ、銀河英雄伝説は、中国のような壮大な群集同士の戦いを宇宙でできないかというアイデアから生まれたものですので、スターウォーズとは発想が異なると思われます。

それよりも、銀河英雄伝説も、スターウォーズも我々の世界でおこった一つの歴史的事実に基づいてつくられた、と考えたほうがしっくりくると思います。

 

共和国から帝国へ。古代ローマとの関係。

 


我々の歴史でも同様のことは起こっています。

 

古代ローマ史は、スターウォーズ銀河英雄伝説を彷彿とさせるものであって、かなりの部分を参考にしていると思われます。


古代ローマの政治を取り仕切っていたのは、各属州から選出されたもので構成される元老院です。

その共和国の見本たるローマが、カエサルという男の登場によって拡大されるとともに、絶対的な権力をもっていた元老院の力は縮小されていきます。


そして、カエサルが終身独裁官(ディクタトール)として権力を集中させ、後のオクタビアヌスに引き継がれ、帝政ローマの基礎となってしまうのです。


スターウォーズに関しては、元老院という名称がそのままつかわれていることからも、ローマ的であることがわかります。

 

エピソード4で、レイア姫が白い布をまきつけたような服をきているのは、まさにこのローマ時代を意識した衣装だからともいえると思われます。

 

ローマ政治家伝I カエサル

ローマ政治家伝I カエサル

 

 

 

聖書的なモチーフ

 

 

さらに、エピソード4の記事でも書きましたが、スターウォーズは聖書的な部分も多分に含まれています。


アナキン・スカイウォーカーの父親について、クワイ=ガン・ジンが、アナキンの母に尋ねるのですが、父親はいない、といわれます。

「一人で勝手にできた」のだ、と。


推測は様々できるわけですが、王道の物語でよくある貴種流離譚として、名前を言うことのできないさる高貴な人が父親なのかもしれませんし、

 

スターウォーズが聖書的ということを考えるのであれば、

処女懐胎をしたマリアが、アナキンの母親だとすれば、アナキン・スカイウォーカーが、救世主たるキリストにあたるという、暗示にもなっているのです。


スターウォーズを理解するうえでは、以上のようなローマ時代に代表されるような政治の腐敗による共和国から帝政への移行。

聖書的な観点からみるキャラクター造詣を考えながらみることで、より理解を深めることができます。

 

見えざる敵。

 

 

ネタバレにならないように直接は書きませんが、この見えざる敵というのは、文字通りエピソード1では見えないままになっています。


深くフードをかぶった謎の男。

その男が、通商連合をたきつけて、惑星ナブーに侵略をさせ、銀河共和国を戦争状態にもっていくことで、腐敗しきって保守に走る元老院の権力を一つの人間に集中させ、銀河帝国をつくっていこうとするのです。

 

帝国がなぜ悪いのか、と思う方もいると思いますが、帝国というのは一人の人間が絶対的な権力をもつことで、あらゆることができてしまうため、諸刃の剣となってしまうのです。

 

一人の絶対的な皇帝がいることで、物事はすぐに決まります。

 

そのため、戦争など迅速さが求められる場合や、よい政治を行う場合には絶大な効果を発揮します。災害時や緊急時においては、民衆は独裁者を求めるというのは歴史的事実でもあります。

 

ですが、それが一旦悪いほうに向けば、どんなに悪いことをしても誰も逆らうことができなくなってしまうのです。それは、第二次世界大戦時のナチスをみてもわかることです。


ライトセーバーをもって闘うジェダイでは相手をすることのできない、より巨大な敵が存在するということで、エピソード1は終わります。

 

 

 

アミダラの女王

 

ちなみに、普通にみているとアミダラの女王について大きく誤解をしたまま過ごすことになりますので、そちらだけ解説します。


惑星ナブーでは、女王は血脈などによる世襲制ではなく、民間から選出するというきわめて民主主義的な国家になっています。

 

そのため、ナタリーポートマン演じるアミダラ女王は、エピソード1の中ではまったく触れられることはありませんが、幼くして女王になるために志願しているという設定になっています。

 

数々の訓練を受けた中、先代の女王が亡くなったために、14歳にして女王になってしまったという経歴の持ち主なのです。

 

そのため、劇中では、他のやつらに、かなり舐められてしまっているのですが、それでも気丈にふるまうのは、女王になるために訓練があるからこそだったりするのです。

 

そんなことはまったく最中で語られていませんが、そういうものなので気にしないでください。

そういうこともあって、自ら志願した女王でもあることから、アミダラ女王とアナキン・スカイウォーカーの二人の関係は、お互いにねじれていってしまう要因になっていくところが、物語的にも面白いところです。

 

エピソード1からみるか。

 


ざっと、エピソード1からはじまる3部作の概要とエピソード1の物語についてざっくり説明してきました。

まだまだ、エピソード2と3についても解説していこうと思っていますので、興味がでたかはたそちらの記事もお待ちいただければと思います。


エピソード1からみると、スターウォーズという世界の大枠がわかった状態になります。

その状態で、エピソード4を見ることで、どういう経緯であの世界がつくられたのかがわかり、古い作品でもすんなり見ることができる、という利点があります。


スターウォーズは、CGの過渡期ということもあって、いかにもCGっぽい映像の部分もありますが、基本的には非常にお金がかかった作品です。


映像的な迫力もあることから、物語の意味が多少わからなくても十分楽しめますし、設定がわかってみるとより面白くみることもできるので、エピソード7を見る見ないにかかわらず、一見の価値はあるとおもいます。

 

以上「銀河の歴史がまた一ページ/スターウォーズエピソード1 ファントム・メナス」でした!

 

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