シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

苦手な人も。園子温監督 冷たい熱帯魚。解説&感想

冷たい熱帯魚

 

 園子温監督は多作な監督です。


冷たい熱帯魚」は、2010年に公開された映画であり、このあたりの園子温監督は、後に続く「恋の罪」などもあって、実際の事件を元に映画にする監督というイメージも若干ついていた時期でもあります。


そのため、見るタイミングによってはなかなか肌に合わない人もいるかもしれませんが、出世作の一つとなった「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」などは、世間的にも園子温監督の認知度が大きく向上した作品たちでもありますので、その見所も含めて、感想&解説をしてみたいと思います。

 

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リタイア後の過ごし方/マイ・インターン

マイ・インターン(字幕版)

 
アン・ハサウェイロバート・デニーロが主演。

俳優そのものも豪華ですが、監督・脚本は、「恋愛適齢期」などでヒットをだしたナンシー・マイヤーズが行っています。


リタイヤ後の人生を考えさせられると共に、どういう生き方こそが自分にとって大切なのかを教えてくれる映画となっておりますので、その魅力や、そこから派生してオススメできる映画も含めて紹介していきたいと思います。

 

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どちらから見るか。/クリント・イーストウッド「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」

父親たちの星条旗(字幕版)

 

 クリント・イーストウッド監督が硫黄島プロジェクトと称して作成した2部作品。

父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」について、主に父親たちの星条旗をメインにしながら、どのような物語かを解説していきたいと思います。

突然、英雄になってしまったとき、人はどのような末路を迎えるのか。

英雄と言う名のプロパガンダになってしまった人間が、どんな苦悩を抱えてしまったのか、フラッシュバックする想いを読み取ってみたいと想います。

 

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マエダ・エスカープメント/メル・ギブソン監督「ハクソーリッジ」

 Hacksaw Ridge [Blu-ray]

 

本作品は、「アポカリプト」以来となるメル・ギブソン監督作品となっています。

メル・ギブソンといえば、オーストラリア映画を一気に広めたジョージ・ミラー監督による「マッドマックス」に主演し、映画監督としても数々の作品をつくりだしてきた人物です。


キリストがシオンの丘に行き磔になる一連の出来事を描いた「パッション」や、マヤ文明時代の人狩りをモチーフにした「アポカリプト」をつくり、痛々しい作品を作り出してきた監督が、第二次世界大戦の中でも、激戦地の一つとして知られている「前田断崖」での戦いを生々しく描いた作品となっています。

 

この作品は、反戦映画としてみることもできますが、それだけにとどまらない魅力がありますので、そのあたりも含めて語ってみたいと思います。

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恋をしたほうが負け/キューブリック版「ロリータ」

ロリータ (字幕版)

 

スタンリー・キューブリック監督といえば、神という存在を示した「2001年宇宙の旅」や、夫婦円満の秘訣を描いた遺作「アイズ・ワイド・シャット」、ジャック・ニコルソン主演「シャイニング」から「フルメタル・ジャケット」など、あらゆるジャンルにおいて金字塔をうちたてている、偉大すぎる監督です。

そんなキューブリック監督が、1962年につくったのが「ロリータ」です。


記事を読んでいただくまえに断っておきますが、「ロリータ」は少女偏愛のあまり破滅に進んでしまう悲しい中年男性を描いた作品ではありません。

性的な描写はほぼ皆無です。

原作となるロシア人作家V・ナボコフによる小説とはテーマが異なりますので、「ロリータ」を通じて、キューブリック監督が何を描きたかったのかを含めて解説してみようと思います。

 

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ライプスタッフ。老人だって宇宙を目指す/スペースカウボーイ

スペース カウボーイ(字幕版)

 

 クリント・イーストウッド監督は、「ダーティー・ハリー」シリーズなどにおいて俳優として有名ですが、ハリウッドの中でも数少ないA級監督の一人でもあります。

映画を見終えた後にも余韻が残るのが特徴の一つであり、映画を見終えたあとで考え直すことができる作品ばかりを作っています。

ですが、そんなクリント・イーストウッド監督の中で「スペース・カウボーイ」はすこしばかり様相が異なります。エンターテインメント寄りともいえる本作品について、考えてみたいと思います。

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家族はお互いが異星人/映画 美しい星/感想

美しい星 (新潮文庫)

 

吉田大八監督による三島由紀夫原作「美しい星」。

主演を務めるのは、「おでんくん」や「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン」で有名であり、俳優としても実力を発揮するリリー・フランキーです。

現代に蘇った三島由紀夫の作品がどのように展開されていくのか。

どういったところを楽しむべきなのかを含めて、考えてみたいと思います。

 

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