シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

神と悪魔に鉄槌を。ジョン・ランディス 映画「大逆転」

大逆転 (字幕版)


「星の王子 ニューヨークへ行く」の中で登場する二人のホームレス。

彼らは、映画「大逆転」において、主人公たちを翻弄し、気まぐれで人間を陥れてしまう存在として描かれていましたが、最後に彼らは失敗してしまいます

前日談というほどのものではありませんが、「星の王子 ニューヨークへ行く」を見て、ジョン・ランディス監督作品が気になった方にむけて、簡単に内容を説明しつつ感想を述べていきたいと思います。

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男女成り上がりの物語。題名で損する映画「愛と青春の旅立ち」

愛と青春の旅だち (字幕版)

 

「愛と青春の旅立ち」。

本作品の内容を知らない方は、このタイトルを聞いて、ラブロマンスな映画なんだろうと思ってしまうのではないでしょうか。

間違っても、厳しい軍曹に鍛えられていく士官候補生たちの物語を描いた、軍隊ものとは思わないはずです。

 

本作品は、名作として名高い反面、そのタイトルによって敬遠、誤解されてしまいがちな作品となっておりますので、どんな要素が含まれているのか、そんな点も含めて解説&感想を述べていきたいと思います。

田舎で生まれた娘が夢をあきらめたり、士官になれないで脱落していく多くの人々。

あなたは、この中の誰に感情移入するでしょうか。

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続編の前の復習に。星の王子さまニューヨークへ行く。感想&解説

星の王子ニューヨークへ行く (字幕版)

 

エディ・マーフィ主演であり、続編もつくられる「星の王子さまニューヨークへ行く」。

 

本作品は、アフリカにあるとされる架空の国ザムンダの王子であるアキーム(エディ・マーフィ)が、何もかもが与えられていると同時に、何の自由もない日々の中、自分の奥さんを見つけるべくニューヨークへ行くという物語です。

1988年に公開された本作品は、今見てることで、かわらない面白さと、感覚の違いというのがわかる作品となっていますので、感想&解説を含めて語ってみたいと思います。

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過ち一つで人生は狂う。でも幸福かも。真木よう子主演。感想「さよなら渓谷」

さよなら渓谷

真木よう子が主演した「さよなら渓谷」。
日本アカデミー賞主演女優賞にも輝いた本作品は、日本映画らしいある意味で暗くて重たい話になっています。
 
人生に過ちは発生するものです。
それを、なんてことのないものととらえるのか、一生抱え込まなければならない物事だと思うかは、それぞれの人間の問題であるということも示されている本作品。
 
本作について、どのような作品だったのか、を感想を述べてみたいと思います。

格差とコメディ。感想&解説「パラサイト 半地下の家族」

パラサイト 半地下の家族(字幕版)

 

アカデミー賞作品賞を、非英語作品ではじめて受賞した作品「パラサイト 半地下の家族」。

監督であるポン・ジュノは、「グエムル 漢江の怪物」で怪物相手に戦う家族を描き、「母なる証明」では、知的障害を持つ息子を守る母親を描いた、韓国を代表する人物の一人です。

貧困による格差を描いている、とされて知られる本作品ですが、そこに含まれる単なる貧困格差だけではない部分について、感想と解説を加えてみたいと思います。

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戦争は終わらない。スパイク・リー監督「ザ・ファイブ・ブラッズ」感想

battle!!!!!

 

スパイク・リー監督といえば、「ドゥ・ザ・ライトシング」や「マルコムX」でお馴染みの監督ですが、ネットフリックス資本でつくられた作品「ザ・ファイブ・ブラッズ」について、感想を述べてみたいと思います。


ネタバレありで感想を書きますので、気になる方は、ぜひ本作品をご覧になってからみていただければと思います。

 

本作品は、金塊と仲間の遺体を探す4人の黒人たちとその息子の話ではあるものの、昨今のブラック・ライヴズ・マターと重ねてみることのできる作品となっておりますし、何より、戦争はいまだに個人個人の中で続いているのか、ということを教えてくれる作品になっています。

 

一見陽気に見えたり、実直に暮らしている人たちにみえても、その闇の奥には、戦争の歴史が埋まっているかもしれないことをハッキリ伝えてくる作品になっています。

 

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ロバート・ゼメキス監督「マーウェン」感想

マーウェン (字幕版)

 ロバート・ゼメキス監督といえば、言わずと知れた「バックトゥザフューチャー」で知られる監督です。
 
それ以外にも「フォレストガンプ/一期一会」や「キャストアウェイ」など、数々の名作を残しており、名前を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
 
そんなロバート・ゼメキス監督が、暴行を受けたことで記憶を失ってしまった男の、創作活動を通して世の中と向き合っていく姿を描いた作品「マーウェン」について、感想を述べていきたいと思います。
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