シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

過ち一つで人生は狂う。でも幸福かも。真木よう子主演。感想「さよなら渓谷」

さよなら渓谷

真木よう子が主演した「さよなら渓谷」。
日本アカデミー賞主演女優賞にも輝いた本作品は、日本映画らしいある意味で暗くて重たい話になっています。
 
人生に過ちは発生するものです。
それを、なんてことのないものととらえるのか、一生抱え込まなければならない物事だと思うかは、それぞれの人間の問題であるということも示されている本作品。
 
本作について、どのような作品だったのか、を感想を述べてみたいと思います。

戦争は終わらない。スパイク・リー監督「ザ・ファイブ・ブラッズ」感想

battle!!!!!

 

スパイク・リー監督といえば、「ドゥ・ザ・ライトシング」や「マルコムX」でお馴染みの監督ですが、ネットフリックス資本でつくられた作品「ザ・ファイブ・ブラッズ」について、感想を述べてみたいと思います。


ネタバレありで感想を書きますので、気になる方は、ぜひ本作品をご覧になってからみていただければと思います。

 

本作品は、金塊と仲間の遺体を探す4人の黒人たちとその息子の話ではあるものの、昨今のブラック・ライヴズ・マターと重ねてみることのできる作品となっておりますし、何より、戦争はいまだに個人個人の中で続いているのか、ということを教えてくれる作品になっています。

 

一見陽気に見えたり、実直に暮らしている人たちにみえても、その闇の奥には、戦争の歴史が埋まっているかもしれないことをハッキリ伝えてくる作品になっています。

 

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お子さんのいる人は見てはいけない。トラウマ映画「震える舌」

あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション 震える舌 [Blu-ray]

 本日紹介する作品は、下手なホラー映画よりも数段恐ろしい映画になっています。
 
それでなくとも、最近は衛生関係に対しての意識が強くなっている昨今ですから、そんな時期に「震える舌」を見ることはオススメしません。
 
しませんが、こういう映画もあるということを知って、その結末を見届けるということもまた必要なときがあります。
 
映画は自分が体験できないことを疑似体験させてくれるツールでもありますので、その恐怖の一旦について語ってみたいと思います。

県民の空気感がよくわかる。感想&解説「翔んで埼玉」

翔んで埼玉

日本アカデミー賞もとった「翔んで埼玉」ですが、この作品は、「パタリロ!」で有名な、魔夜峰央によるギャグマンガとして、1982年から連載された作品を映画化しています。

なぜ、今「翔んで埼玉」なのか、という点は気になります。

その決定的な事柄はわかりませんが、30年以上の時を経て、SNSでその存在が拡散、そのあまりに特異な内容から、話題を呼び映画するという運びになった稀有な作品です。

本作品は、ギャグマンガですので、一歩引いた目でみてしまう人も多いかと思いますが、堅苦しくない作品でありながら、日本の中にもたしかに存在する空気感を感じ取ることができる作品となっていますので、そのあたりを含めて感想を述べていきたいと思います。

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ウイルスの予言。角川映画記念すべき一作「復活の日」

復活の日

ウイルスによる影響は多大になってきている昨今。
 
ウイルスが関係する映画作品というのも数多くあり、どのような騒動になっていくのか、その最悪のシナリオがわかる、という点で、今見ると違った見方ができる作品がありますので、注目の一作を紹介していきたいと思います。

北海道の壮絶な開拓。映画「北の螢」

北の螢

蝦夷地が北海道と命名されて150年以上がたった現在。
 
観光地として様々な人が訪れる場所ですが、その広大な土地と、厳寒の冬という中、一筋縄ではいかない場所でもあります。
今回は、1984年に公開され、北海道の樺戸集治監という、北海道の開発の歴史においては欠かすことができないながらも、非常に後ろ暗い雰囲気も漂うモチーフをもってきた稀有な作品「北の螢」を紹介していきます。

北海道は、ご飯がおいしくて、広くて大きい、といったイメージとは異なりますが、そんな裏の歴史を知ることで、北海道の見え方がかわってくるかもしれません。
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ライフスタイル提案型映画「間宮兄弟」感想

間宮兄弟

間宮兄弟」といえば、江國香織原作にして、森田芳光監督による代表作の一つとなっています。
 
内容といえば、30歳を過ぎていながら兄弟で二人暮らしをしている間宮兄弟にスポットをあてており、彼らがどういう風にして日常を過ごしているのか、ということをメインにした作品になっています。
なんかほのぼの系の物語だろうと思う人もいると思いますが、本作品は、2006年に公開されたときには、その彼らの生活を不思議がったり、奇妙に思った人も多かったと思われます。
その彼らの生き方を含めて、どのような作品かを感想を述べていきたいと思います。
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