シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

苦手な人も。園子温監督 冷たい熱帯魚。解説&感想

冷たい熱帯魚

 

 園子温監督は多作な監督です。


冷たい熱帯魚」は、2010年に公開された映画であり、このあたりの園子温監督は、後に続く「恋の罪」などもあって、実際の事件を元に映画にする監督というイメージも若干ついていた時期でもあります。


そのため、見るタイミングによってはなかなか肌に合わない人もいるかもしれませんが、出世作の一つとなった「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」などは、世間的にも園子温監督の認知度が大きく向上した作品たちでもありますので、その見所も含めて、感想&解説をしてみたいと思います。

 

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リタイア後の過ごし方/マイ・インターン

マイ・インターン(字幕版)

 
アン・ハサウェイロバート・デニーロが主演。

俳優そのものも豪華ですが、監督・脚本は、「恋愛適齢期」などでヒットをだしたナンシー・マイヤーズが行っています。


リタイヤ後の人生を考えさせられると共に、どういう生き方こそが自分にとって大切なのかを教えてくれる映画となっておりますので、その魅力や、そこから派生してオススメできる映画も含めて紹介していきたいと思います。

 

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総統はお怒りか/ヒトラー 最期の12日間

ヒトラー ?最期の12日間? (字幕版)

 

 ダンケルク等の戦争映画が盛り上がりをみせつつある昨今、第二次世界大戦におけるナチス・ドイツの終わりを描いた作品が「ヒトラー 最後の12日間」です。

非常にデリケートな作品ではありますが、当時のドイツの何を描こうとしたのかを考えてみたいと思います。

 

タイトルの意味は

ヒトラー 最期の12日間」は、あくまで日本語のタイトルとなっており、ドイツ語、並びに、英語の題では「没落」を意味する単語が使われています。

英語では、falldown(没落)という題名です。

本作品は、ナチス・ドイツという国のまさに没落していく様子を、ユンゲという人物を通してみた作品となっているのが特徴です。

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不良少女は悪魔憑き/ウィリアム・フリードキン「エクソシスト」

エクソシスト ディレクターズカット版 (字幕版)


映画好きにはみないわけにはいかない映画というのはいくつもありますが、オカルト・ホラー系のジャンルでいえば、その一つにウィリアム・フリードキン監督「エクソシスト」をあげないわけにはいかないでしょう。

怪奇現象、超能力といったものに、悪魔的な要素を盛り込み、人間の本質的な葛藤を含めて描き出された「エクソシスト」は、アカデミー賞脚色賞と音響賞を受賞しました。


よくよく知られている作品ではありますが、本作品は、単なるオカルト・ホラーというだけではなく、人間の心理にも深く通じた物語となっておりますので、そのあたりも解説しつつ踏み込んでみたいと思います。

 

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音楽とカーチェイス。感想/ベイビードライバー エドガー・ライト監督

「ベイビー・ドライバー」オリジナル・サウンドトラック

 

ゾンビが大発生したイギリスでダメ男たちが、ショッピングモールの代わりに選んだのはパブだった「ショーン・オブ・ザ・デッド」。

巨大な犯罪に立ち向かっていた刑事が、イギリスの田舎に行ったら大変なことになる「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン」。

スピルバーグ映画のオマージュをささげつつ、イギリス出身のオタクがアメリカ旅行中にであった本物のアメリカかぶれな宇宙人との友情を描く「宇宙人ポール

高校のときはイケイケだった主人公がアルコール中毒になりながらも、伝説のはしご酒をやりながら、街を支配する宇宙生物を撃退してしまう「ワールドエンド 酔っ払いは世界を救う」。

といった、映画へのオマージュとともに面白おかしく作品をつくっているのが特徴的な監督こそが、エドガー・ライト監督です。

 

宇宙人ポール (字幕版)
 

 

そんなエドガー・ライト監督が長い時間構想を練りながら、ようやく完成させた作品こそが「ベイビー・ドライバー」です。

カーアクション×音楽。

ミュージカルカーアクションとも称される本作品について、感想を述べてみたいと思います。

 

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AIの楽園追放。AIは人類を滅ぼすのか/エクス・マキナ  

 

エクス・マキナ (字幕版)

 

昨今、ディープラーニングによる機械技術の急速な発展が進んでいます。

将棋ソフトの飛躍的な能力向上にも貢献するなど、様々な分野での活用が期待されており、中でもAI(人工知能)については、かなりの期待ができるところです。

 

一方で、機械の発達は人類にとって、どのような意義をもたらし、脅威をもたらすのか。

そんな機械に対する不安や、思考実験も含めた中で、比喩や映像をつかって作り出された作品「エクス・マキナ」について、解説してみたいと思います。

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アメリカ大統領は替え玉か/デーヴ

デーヴ (字幕版)

 影響力という点においては、アメリカ大統領ほど影響力の強い人もいないのではないでしょうか。

アメリカ映画において、大統領を主役にした映画は数多くありますが、その中でも、大統領の影武者が主人公というコメディ映画は一風変わったものでもあります。

コメディ映画の中でも、地味でありながら非常に良質の脚本とキャスティングがされている「デーヴ」について、その魅力を語ってみたいと思います。

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