シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

たんなる感想。ベストキッド3 最後の挑戦  

 

 

ベスト・キッド3 最後の挑戦 (字幕版)

「ベストキッド」シリーズは、ダニエルさんと、ミヤギがメインでの出演作としては、3が最後となっています。

謎の東洋人であるミスターミヤギと、ひ弱だった少年ダニエルさんとの友情が語られるシリーズであり、シリーズ2作目の時点ですでに怪しかった雰囲気はさらにおかしくなっていくのが「ベスト・キッド3 最後の挑戦」となります。


もしも、ベストキッドの2と3を見るかどうするかで迷っている人は、本記事をみてからでも遅くありませんので、振り切ったヤバさを感じ取ってもらうべく、感想を述べていきたいと思います。

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ファンサービス的な3

ベスト・キッド3 最期の挑戦」は、2作目が終わった直後のあたりから始まります。

ダニエルさんとミヤギが、オキナワから戻ってきたあたりからはじまるのですが、物語冒頭は、相変わらず、ベストキッド1で撮影されたものが使われています。

物語の冒頭が、コブラ会のセンセイを務めていたジョン・クリースという男の挫折から始まります。

ベスト・キッド」の1作目、そして2作目の冒頭で、弟子であるジョニーを破門にしてしまったジョンは、弟子たちから総すかんを食らってしまいます。

もちろん、謎の日本人に師事するダニエル少年に、愛弟子がコテンパンにやられたこともあって、すっかり道場はさびれてしまいます。


基本的な物語の流れとしては、ミヤギとダニエルさんに負けてしまったことで人生が転落してしまったジョンが、会社社長であるテリー・シルバーの協力を得て、ダニエルさんをトーナメント大会でコテンパンにするべく、奮闘しつつ、最後には、ダニエルさんに負けてしまう、という物語となっています。

本来、第一作目の段階で、ダニエルさんは一定の強さを身に着けているはずですが、2でも片鱗がみえていましたが、3では、いよいよ情緒が不安定になっていきます。

もはや、笑うしかない状況を、あえてツッコミをいれることで、やはり、「ベスト・キッド3 最後の挑戦」も楽しんでみることができます。

 

盆栽ストア「ミヤギの小木の店」

沖縄の旅から帰ったダニエルとミヤギは、まずダニエルの住んでいる家が取り壊しになるという事実を知ります。

そのマンションで、修理工をやっていたミヤギは当然失職。

年金のみの収入となってしまいます。

この時点で、突然の設定に、ついていけないところですが、頭の具合があきらかにおかしくなったダニエルさんは、ミヤギに盆栽の店を開店するように勧めます。


ミヤギは、そんなことはしない、というのですが、テンションのあがったダニエルさんは、学費としてミヤギにもらったお金をつかって、勝手にお店の契約をしてしまいます。

ベスト・キッド3」の面白さは、このキャラクターの崩壊してしまったダニエルにこそあるでしょう。

暴走するダニエル


「空手大会にでようと思うんだ」

というダニエルさん。
ミヤギは当然反対します。

なぜならば、さんざんミヤギは、空手は守るために使うものであって、自分の力を誇示するためにつかうべきものではないからです。

シリーズ1作目から通して言われていることにも関わらず、ダニエルはいまだにわかっていないような素振りです。

 

また、結局、ダニエルの暴走により盆栽ストアをはじめることになったミヤギですが、

彼は、なぜかよくわかりませんが、悪魔の釜と呼ばれる場所に、自分の秘蔵の盆栽を植えていることをダニエルに教えるのです。

そして、お金に困ったと思い込んだダニエルは、その盆栽を勝手にとりだしてしまったりするのです。

気持ちばかりが暴走するダニエル。

もう、今までのシリーズをみてきた人間からすると、もう唖然とするばかりです。

 

敵のやり方

コブラ会を復活させようとするシルバーの手先もひどいです。

空手大会優勝者であるダニエルを出場させるべく、色々な手を使って、出場するための用紙にサインをさせようとします。

結局、お店を壊したり、ダニエル達を崖から落とそうとしたりして、無理やり出場の約束をさせるのですが、果たして、そこまでする意味がどこにあるのかさっぱりわかりません。

前回ラブラブだったクミコもとっくに別れており、「ベスト・キッド」シリーズにおいて、ダニエル少年は女性運にはまったくといっていいほど恵まれていないのがわかります。

敵もまた、結局はものを壊したりするだけで、ベストキッド2のときから、やっていることがかわりません。

「店は直せばいい。商品(盆栽)は直せない」

ミヤギの姿勢はあいかわらず、一貫しています。

この脚本がはたして本当に意図したものなのかはわかりませんが、ダニエルさんの情緒の不安定さと、ミヤギの仙人じみた行動というのが、いい感じです。


改めて、ベストキッドの魅力を考えてみるに、ミヤギとダニエルさんとの友情に尽きるところです。

暴走してしまったダニエルさんもまた、ツルの技、太鼓の技に続き、漠然とした、空手の型によって勝利を得ることになります。


2にしても、3にしても、1と比べると、話の内容自体はかなり無茶な内容ですし、ツッコミどころも満載ですが、ミヤギというキャラクターだけは、ぶれずにいます。

ベストキッドの1をみた人は、ぜひ4をみてほしいところですが、ミヤギの面白さや、片言な英語を含めてみてみると面白くなるところです。

 

ただ、シリーズ通していえることは、ミヤギというキャラクター。ノリユキ・パット・モリタという俳優の、演技力と雰囲気のなせる面白さこそが、何よりもベストキッドの魅力となっています。

 


以上、たんなる感想。ベストキッド3 最期の挑戦でした!

 

 

 

 

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