シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

北海道の壮絶な開拓。映画「北の螢」

北の螢

蝦夷地が北海道と命名されて150年以上がたった現在。
 
観光地として様々な人が訪れる場所ですが、その広大な土地と、厳寒の冬という中、一筋縄ではいかない場所でもあります。
今回は、1984年に公開され、北海道の樺戸集治監という、北海道の開発の歴史においては欠かすことができないながらも、非常に後ろ暗い雰囲気も漂うモチーフをもってきた稀有な作品「北の螢」を紹介していきます。

北海道は、ご飯がおいしくて、広くて大きい、といったイメージとは異なりますが、そんな裏の歴史を知ることで、北海道の見え方がかわってくるかもしれません。
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親子の和解。ティム・バートンオススメ映画「ビックフィッシュ」

ビッグ・フィッシュ (字幕版)

 親子というのは、常に仲良しというわけにはなかなかいかないものです。
 
父親の存在が大きければ、子供たちもまた苦労しますし、どういう風にして生きてきたかを知らないままで、親を尊敬しろ、というのもなかなか難しいものであったりします。
 
父と子の和解、というテーマといえば、ティム・バートン監督ははずせないところです。
ティム・バートン映画の代表作の一つでもある、「ビックフィッシュ」について感想や見どころを書いてみたいと思います。

ライフスタイル提案型映画「間宮兄弟」感想

間宮兄弟

間宮兄弟」といえば、江國香織原作にして、森田芳光監督による代表作の一つとなっています。
 
内容といえば、30歳を過ぎていながら兄弟で二人暮らしをしている間宮兄弟にスポットをあてており、彼らがどういう風にして日常を過ごしているのか、ということをメインにした作品になっています。
なんかほのぼの系の物語だろうと思う人もいると思いますが、本作品は、2006年に公開されたときには、その彼らの生活を不思議がったり、奇妙に思った人も多かったと思われます。
その彼らの生き方を含めて、どのような作品かを感想を述べていきたいと思います。

これぞ青春。森田芳光監督「の・ようなもの」

 

の・ようなもの


森田監督といえば映画「失楽園」で一世を風靡する一方で、江國香織原作小説「間宮兄弟」のほのぼのコメディものまで手掛ける、幅広い才能で活躍したか人物です。
今回は、森田監督の長編映画デビュー作である「の・ようなもの」について、その面白さを語ってみたいと思います。

少年はお姉さんを仰ぎ見る。感想解説考察。映画版「ペンギン・ハイウェイ」

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ」といえば、大学時代にああしていればこうしていれば、というもしもを何度も繰り返しながら後悔を重ねる主人公を描いた「四畳半神話大系」や山本周五郎賞を受賞した「夜は短し歩けよ乙女」といった作品をだしている森身登美彦の作品となっています。

 

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

  • メディア: Prime Video
 

 

主人公の独特の言い回しが多いのが特徴の作品ですが、原作というよりはアニメ映画としてみた「ペンギン・ハイウェイ」の見どころについて、語ってみたいと思います。

死を前にして何をするのか。映画「ラッキー」感想&解説

ラッキー(字幕版)

 

映画「ラッキー」は、普通に見ている分には非常に地味な映画です。

老人の日常生活をひたすらに見せ続け、ふいに永遠に続くかと思われていた自分の生活に死がちらついたとき、その老人が何を思うのかといったところをみせる作品になっています。

ただ、その描き方や、受け入れ方は大変すばらしい作品となっていますので、どのあたりが面白く見ることができたのかを含めて解説してみたいと思います。

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人の数だけ真実がある。感想&解説「アイトーニャ 史上最大のスキャンダル」

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(字幕版)

 

オリンピック選手でありながら、ライバルである人物を襲わせたということで世界的な大スキャンダルに発展した「ナンシー・ケリガン襲撃事件」。

「アイトーニャ 史上最大のスキャンダル」が、はからずもそんな事件の中心人物となってしまった、トーニャ・ハーディングの人生を追った作品となっています。

この作品は、トーニャという主人公がメインではありますが、作品が描いているのはそれぞれのインタビューによって作られた事実の塊となっています。

どういうことかと気になるところと思いますが、本作品は「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を知らなくても楽しめる作品となっておりますので、どんな話かを解説&感想を述べながら書いていきたいと思います。

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