子供が大人になるということ。感想&解説 映画「オーバーボード」
自分の今いる状況というのが実は夢のようなもので、本当の自分はまったく別のどこかにいる、と考えてしまったことはないでしょうか。
「オーバーボード」は、けた違いの大富豪の息子が、記憶喪失になって、シングルマザーの貧乏家族の父親だと思わされてしまうコメディです。
ロマンティック・コメディとしての王道をいくような本作品ですが、どんな年齢でも楽しめて、且つ、感動できる作品となっていますので、そのあたりも含めて解説してみたいと思います。
続きを読む人は人を裁けない。感想&解説 是枝裕和監督「3度目の殺人」
是枝裕和監督は、戸籍にのらない子供とネグレクトの親を描いた「誰も知らない」や、子供の取り違えから親子とはどういうものかを問うた「そして父になる」などが有名です。
特に、近年では「万引き家族」にてカンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞するといった快挙を成し遂げています。
監督のみならず脚本や編集も手掛けていることもって、物語の構成については抜群の実力をもった人物です。
そんな是枝監督による、「3度目の殺人」は、殺人をしたにもかかわらず、のらりくらりと証言を変えていく謎の男に翻弄される男の物語となっています。
法廷ものなのか、と思う人もいるかと思いますが、本作品は、もっと危険なことを描き出した作品となっていますので、そのあたりを解説しつつその魅力に迫ってみたいと思います。
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男って馬鹿ね。キューブリック監督/博士の異常な愛情
スタンリー・キューブリック監督の代表作のひとつ「博士の異常な愛情。または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったか」について、ブラックユーモアたっぷりな本作品の楽しみ方について、語ってみたいと思います。
人は、本当に異常なときには、笑ってしまうものなのです。