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シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

ジーン・ハックマンは容赦しない/フレンチ・コネクション

ぺぺろん 洋画

フレンチ・コネクション (字幕版)


アカデミー賞を5部門も受賞し、アメリカンニューシネマを代表する作品の一つでもある「フレンチ・コネクション」。

1971年に公開された映画ということもあって、一体何がそんなに面白いのか。どうしても古い映画は、後発の映画に影響を与えてしまって、さらに洗練された技術力の前に、古臭さを感じてしまうことと思います。

そんな「フレンチ・コネクション」の見所を含めて考えてみたいと思います。

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主演はジーン・ハックマン


ジーン・ハックマンといえば、名作「ポセイドン・アドベンチャー」で神を信じることのできない神父を演じ、アル・パ・チーノと共に主演した男二人のロードムービースケアクロウ」などでも有名です。

 

 

晩年には、ベン・スティラーらも出演する「ロイヤル・テネンバウム」を演じるなど、演技、存在感ともに圧倒的な人物です。

 

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そんなジーン・ハックマンを一気にスターに押し上げたのが、ニューヨークの麻薬課に所属するジーン・ハックマン演じるドイル刑事が泥臭く活躍する映画「フレンチ・コネクション」なのです。


フレンチ・コネクションのタイトルは、その名前の通り、フレンチ=フランスから流れてくる麻薬のルート、コネクションに由来します。


正義?のためであれば、どんな手段もいとわない、ドイル刑事の活躍こそが、本作品の魅力の一つになっています。

 

アメリカン・ニューシネマ

ご存知の方も多いとは思いますが、1971年当時は、ようやくヘイズ・コードと呼ばれる自主規制から逃れ、「俺達に明日はない」やダスティン・ホフマン主演で有名な「卒業」といった映画の歴史をみても転換期にあたる時期です。

アメリカンニューシネマ、あるいは、ニューアメリカンシネマと呼ばれる、全時代の明るくハッピーエンドばかりの嘘臭い映画から、最後には主人公達が悲惨な運命に敗れ去る作品が多くでてきた作品群が多く公開されてきた時期にあたります。

 

アメリカンニューシネマの中にあり、正義の味方ではなく、半ば自分の信念のためなら、どんな手段もいとわないドイル刑事というのは、非常にセンセーショナルでした。


よく引き合いにだされるシーンとしては、犯人を追いかけているドイルが犯人を射殺するシーンです。


現在の映画にみなれている人であれば、別にそう気にする場面ではないと思います。

ですが、当時でいえば、目を疑うところです。

それは、逃げる犯人の、背中から撃って殺しているのです。

そう、この刑事はそういうの気にしないのです。

銃をもった奴は、きちんと前から撃たなければならない、という西部劇的な時代から語り継がれる男の決闘。

卑怯者のやることをいとも簡単にやってのけるのです。


ネタバレになってしまいますが、魅力の一つなので書きます。

ドイル刑事は、物語の終わりに、仲間を撃ち殺します。

その前にも、ドイル刑事のせいで警官が死んでいるのですが、物語の終わりにもう一人、犯人と間違って撃ち殺してしまうのです。


普通であれば、がっかりな場面です。

ですが、ドイル刑事はまったく気にしていません。

「次は捕まえてやる!」

彼は、気にしないのです。

 

尾行とカーチェイス


この作品の見所といえば、実にへたくそに行われる尾行。

そして、汽車にのった犯人を、車で追いかけるというシーンでしょう。


ジーン・ハックマンとマフィアとの尾行は、非常に泥臭く行われます。

普通、尾行は気づかれないようにスマートにやるものですが、実際は、そんなものではありません。

何度も撒かれながら、ジーン・ハックマンは敵に追いつき、汽車にのるかのらないか、という心理戦が行われます。


そこで、マフィアの男が、手をにぎにぎしながら手を振るシーンは記憶にのこるいやらしさです。

 

また、カーチェイスシーンも有名で、道路と線路が上下で平行して走っている珍しい場所があり、そこを、ドイル刑事が、一般人の車を無理やり奪って汽車をおいかけるのです。

逆走してくる車の間を走り抜けながら、疾走する姿は、今見てもひやひやします。

 

麻薬の隠し場所

もう一つ、この作品で見所なのは、物語の全般を通して漂う、おっちょこちょいな感じでしょう。


ドイル刑事はやり手です。

ですが、映画をみているとわかりますが、だからといってスマートではありません。

誤認逮捕してしまうし、関係ない人は巻き込むしで、ドタバタしています。

ドイル刑事が、ブーツをはいた女性には弱い、というのも暗に示されているのも人間臭くて面白いところです。


フランスの大使がもってきた車を分解してまで麻薬を探すのですが、まったく見つかりません。

麻薬がでてこなければ国際問題に発展します。

そんなギリギリの中で、ドイル刑事たちは、麻薬を見つけ出すことができるのか。

ラスト30分ぐらいの立場が逆転していく感じは、みていて爽快です。


ドイル刑事たちのお惚けっぷりを見ているだけに、その最後の最後まで麻薬があると信じて探す姿勢というのは、わくわくすることになります。

 

実録映画

 この映画は、実際の事件をもとにつくられています。

ジーン・ハックマン演じる主人公達には、実際のモデルがいて、カメオ出演もしています。

世の中にでている刑事ものは、非常にカッコいいですが、この作品はお世辞にもカッコいいとはいえません。

間違えるし、うまくいかない。


ただ、ジーン・ハックマンの仕事熱心さは間違いありません。


それでも、この映画のエンディングでは、それぞれのマフィア達の後日談が簡単に書かれます。

証拠不十分につき起訴しないとか、逃亡したとか、減刑されたとか。


どこまでも泥臭く物語りは終わります。


現実がどこまでも格好良くないことを教えてくれながらも、その中で、自分を犠牲にしながらも仕事をしていく男たちが描かれている作品となっています。


冒頭でも書きましたが、1971年の映画であるため古く感じる部分もあるかもしれません。ですが、当時の時代背景を知った上で、どこまでも泥臭く行われる捜査は、今見ても際立つ点がありますので、気になった方はご覧になってみるも面白いと思います。


以上、「ジーン・ハックマンは容赦しない/フレンチ・コネクション」でした!

 

 

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