じじぃ活躍映画。老人VSゾンビはいい勝負。映画「ロンドンゾンビ紀行」
ゾンビ映画は数多くありますが、その大半は、謎のゾンビウイルスが蔓延することで人々が戦いゾンビになりながらも、希望を胸に生きていく。
ジョージ・A・ロメロ監督の偉大さをひも解くまでもなく、ゾンビというのは物語におけるモチーフとして非常に面白いものとなっています。
はたして、ゾンビと老人、どちらが勝つのでしょうか。
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じいちゃん想いの孫たち
主人公たちは、もうすぐ撤去される予定の老人ホームを救うため、銀行強盗を行います。
そして、銀行強盗の最中にゾンビが町にあふれだしたため、老人ホームにいる祖父たちを助けにいく、というものです。
物語自体は単純ですが、ほかのゾンビものと違って、「ロンドンゾンビ紀行」では、老人たちが活躍するというところが見どころです。
本作品ででてくるゾンビは比較的オーソドックスなタイプとなっています。
・噛まれると感染し、その後ゾンビになってしまう
・頭を破壊されると死ぬ。
・ゆっくり動く。
といったものです。
ジョージ・A・ロメロがつくりだした初期のゾンビを思いださせる、クラシックなゾンビといえるのではないでしょうか。
特に本作品においては、そのゾンビのゆっくりとした動きと、老人たちがゆっくり動くという部分で、手に汗を握るシーンが満載です。
歩行器をつかってゆっくりしかあるけない老人が、同じくゆっくりした動きのゾンビに追いかけられるデットヒートは、ほかのゾンビものにはないハラハラ感があります。
また、老人たちは、おそらく、昔けっこうやんちゃしたであろう雰囲気を漂わせており、武器を渡したらすぐにつかいこなして、バンバンゾンビたちを撃っていきます。
その逞しさは、若者たちも驚くほどです。
イギリスゾンビもの
ちなみに、ダニー・ボイル監督といえば、127時間もの間岩に挟まれてしまった男を描いた「127時間」や、一攫千金のテレビ番組ミリオネアで次々とクイズを答える少年を描いた「スラムドック$ミリオネア」など、数々の良質な作品を作り出してきた監督です。
「28日後」は、ゾンビというよりはサルによる狂暴化ウイルスということにはなっておりますが、ゾンビ発生ものが比較的短い時間を描くのに対し、長時間が経ったあとのゾンビ後の世界を描いているという点で、面白い作品になっています。
また、ジョージ・A・ロメロ監督「ドーン・オブ・ザ・デッド」をもじった「ショーン・オブ・ザ・デッド」も面白い映画です。
イギリスでゾンビパニックが起きたら、アメリカではショッピングモールにいくでしょうが、イギリスではパブにいく、というカルチャーギャップも面白い作品となっています。
安心のゾンビアクション
本作品は、ゾンビものにありがちな辛いシーンはそんなに多くありません。
愛する妻がゾンビになりながらも打ち殺すことはありませんし、自らゾンビになるようなこともありません。
ゾンビものにまつわる文学的・エンターテインメント的なものについては、「ウォーキング・オブ・ザ・デッド」を見るとそのすべてが内包されているといってもいいと思いますが、「ロンドンゾンビ紀行」で楽しんでみるべきなのは、たとえ老人であったとしても生きる意志はあるし、戦うことはできる、という点です。
主人公たちが、脱出するために武器を渡します。
「これ持てる?」
と銃を渡しますが、あっというまに弾を装填してしまいます。
老人だからといって、侮ってはなりません。
老人たちはたくましいのです。
その後は、とにかくゾンビを片っ端から倒しながら脱出していきます。
また、本作品は兄弟ものとしても描いており、主人公たちアンディとテリーという二人の兄弟の絆も描かれています。
重厚な重々しいゾンビものをみようとすると肩透かしを食らうかもしれませんが、ゾンビ・コメディとしてみるぶんには非常に楽しめる内容となっております。
以上、じじぃ活躍映画。老人VSゾンビはいい勝負。映画「ロンドンゾンビ紀行」でした!