シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

夏に観たい! 学校×ホラー映画特集!

今回は特別企画ということで、暑い夏に観れば涼しくなる?ホラー映画を紹介します。舞台に学校、もしくは子供たちが主要登場人物になっている作品を取り上げてみます。ぜひ童心に帰って怖がりましょう!

 

学校の怪談』シリーズ(1、2、4平山秀幸監督、3のみ金子修介、1995年~)

1990年代に四作製作されたシリーズ。常光徹著作学校の怪談』、ポプラ社から刊行されている『学校の怪談』シリーズを原作としています(当時、結構な数の子供たちがどちらの作品も読んでたと思います。自分もほぼ全て目を通しました)。が、映画はこれらとほとんど関係ありません(そもそも映画は長編ですし…)。ただ、まあタイトルがシンプルで分かりやすくてよかったと思います。

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当時、世紀末が近づきつつある中、ちょっとしたオカルト・ホラーブームがあったように記憶しています(特に子供たち向けに)。少年ジャンプの『地獄先生ぬ~べ~』をはじめとして、少年チャンピオン『学校怪談』、そして少しマイナーかもしれませんが、少年マガジンで連載されていた『学校の怖い噂』などなど。ゲームでもスーパーファミコンバンプレストから学校であった怖い話が発売され、テレビドラマでもチャイドルブームとあいまって『木曜の怪談』(の中の怪奇倶楽部)など、学校ホラーが量産されていたんですね。90年代後半の(バブル崩壊後の)日本は震災やオウム事件などもあったためか全体的に暗い印象が強く、そのイメージの中にホラーブームも含まれていますね私見では。映画でもJホラーブームなんてのもありましたし、やはり80年代や00年代とは少し異なる時代感覚を持ちます。まだインターネットや携帯電話がそこまで広がっていなかったこともあり、今から考えると(暗いは暗いなりに)少し牧歌的な感じだったでしょうか。

関係ない話が長くなってしまいましたが、そんなホラー・オカルトブームに乗じて夏休みの子供たち(+同伴する親)を狙って作られた映画がこの『学校の怪談シリーズ』です。

一・二作目をリアルタイムで映画館で観た自分としては「子供+夏休み+誰もいない学校」というノスタルジックな要素満載で少しせつなさを感じさせるエンタメ作品だなという感想を持ちました。映画の細かい物語は忘れてしまっているので久しぶりに観直したいと思います(でもやっぱり映画館で観たほうがいい系の作品かもしれません)。

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『ヒルコ 妖怪ハンター』(塚本晋也監督、1991年)

諸星大二郎の『妖怪ハンター』シリーズを原作とする映画。主人公の稗田礼二郎沢田研二が演じている。監督は『鉄男』などで映画ファンにはおなじみの塚本晋也。原作ファンは複雑な心境でこの映画を観ることになる…と思われます(余談ですが諸星作品は『栞と紙魚子』シリーズが『栞と紙魚子の怪奇事件簿』としてテレビドラマ化されました。元AKB48前田敦子らが出演)。ジュリーは良かった、と感じる人は結構いると思います。しかし、どういうところからこの企画は持ち上がったのでしょう。「ヒルコ」の造形はもとより、本作の持つせつなさを評価する人も多数。

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③『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』(佐藤嗣麻子監督、1995年

原作は古賀新一。黒井ミサ役は吉野公佳。エロスな要素も含まれています。やはり倉橋みずき役の菅野美穂がイイ。スプラッター要素もありそっち系がお好きな方も楽しめる一本となっています。テレビドラマ版(1997年、主演佐伯日菜子)のほうが有名かもしれません。

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『シロメ』(白石晃士監督、2010年)

アイドルグループ・ももいろクローバーZがまだ無印時代に主演した「フェイクドキュメンタリーホラー」と銘打たれた作品。願いを叶えるシロメ様のいるという廃校に乗り込むももいろクローバーと仲間たちであったが…。

当時、大ブレイク前のももクロが主演したこともあり、後から観たという方もいるかもしれません。映画としての出来は、前半の廃校に乗り込むまでの過程を描いた部分はテンポも良くて悪くないのですが、後半さあクライマックスへという部分が少し弱いかなと感じました。しかし、この後の彼女たちのブレイクぶりを見てみると、シロメ様の力の凄さが分かる(?)というものです。

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『HOUSE』(大林宣彦監督、1977年)

巨匠・大林監督が『時をかける少女』などよりも前に製作した作品。脚本は桂千穂、主演は池上季実子ら。学校が舞台ではありませんが少女たちが主役ということで選んでみました。

簡単にいうと女の子たちが家に食べられるという映画。

日本恐怖映画界に新たな境地を開いたといえる作品で、ポップさ、シュールさを含んだ独特の映像は後の「尾道」三部作へと続いていきます。

大林監督にとっては初の劇場公開用作品だったようで、気合の入りようがよく分かります。

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