怪盗グルーのミニオン危機一髪 感想
「怪盗グルーのミニオン危機一髪」は、怪盗グルーシリーズの第二作目となっております。
ミニオンたちの可愛さや楽しさはそのままになった本作品は、恋や愛といった部分を前面に押し出してつくられていますので、簡単に解説してみたいと思います。
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家族を作る物語
前作「怪盗グルーと月泥棒」は、偏屈な泥棒グルーが、盗みを働くために3人の娘を養子に迎え入れたことで、自分自身が変化していく、という物語になっていました。
もともと、心の優しい主人公ではありますが、自分自身のプライド等に影響されて、なかなか素直になれなかったにもかかわらず、他人との関わりによって変わっていくという王道の物語となっています。
二作目については、家族を増やす物語となっています。
二作目ということで、娘がいるのに母親がいないのはどうなのか、ということですすんでいったのではないかと推測されますが、いずれにしても、グルーという男が、伴侶をみつけるという話しになっていきます。
娘たちが「お見合いサイト」に登録しようとしてみたり、まわりの人たちがやたらにデートをすすめたりと、変な気を使うのですが、グルーは、子供のときのトラウマから女性とうまくつきあえないということがほのめかされます。
泥棒家業からは逃げられない。
一作目では泥棒家業で活躍していたミニオンズですが、二作目はおいしくないゼリーをつくったりして、悪ではないことにがんばろうとするのですが、空回りするばかりです。
「我々にはゼリー以外にも考えることがあるのではないか」
一作目でも活躍した博士は、どこかへいってしまい、グルーは最高機密期間の捜査官として世界を救うことを目指します。
そこで、ルーシーという女性と出会うことで、物語は進みだします。
恋する男グルー
女性との付き合いにかんしてトラウマをもっていたグルーは、ルーシーと出会ったことで変わります。
恋をした楽しさについては、グルーのテンションのあがりかたや、彼の町での行動でわかります。
道行人とハイタッチをしてみたり、歩いているカモを助けたり、幸せをふりまきながらあるきます。
最近の映画でいえば、「500日のサマー」で、主人公がサマーちゃんに恋をしたときに、町の人たちが踊ったりするシーンなどでわかります。
500日のサマーは、一人の小悪魔のような女性と恋をして失恋し、新たな恋いにいくまでの500日を、日にちを前後しながら描いていくという面白い作品となっています。
主人公の気持ちと、まわりの状況とのリンクが大変面白いところです。
人はそのような気持ちになってしまう、というのを映像や行動でわかるようにしているところが面白いです。
あとは、娘がへんな男にひっかかりそうになるところも描いています。
養女であるマーゴが、きざっぽい男の子に心を奪われてしまい、親として心配してしまうという点もいかにも王道といったところです。
「怪盗グルーのミニオン危機一髪」は、そんな人間のデリケートな心情をうつしだしているのです。
あいかわらずのミニオン
怪盗グルーシリーズで面白いのは、なんといっても、ミニオンたちでしょう。
映画「ミニオンズ」でもいまいち何者かわからない彼らですが、その底抜けの明るさはみていて楽しくなってきます。
物語の内容そのものは、劇的なものではありませんが、ミニオンというキャラクターたちの生き生きとした行動と、王道ながらあきさせないつくりとなっております。
怪盗グルーシリーズは、ミニオンたちの存在に注目がいきがちな作品ですが、大人から子供まで幅広くみることのできる作品となっていることから、もし敬遠してみていないというかたがいれば、ちらりと見てみても面白いと思います。
以上、怪盗グルーのミニオン危機一髪 感想でした!