隣人トラブル! ネイバーズ2
大人になろうとする大人と、子供であり続けたい男との隣人トラブルを描いた「ネイバーズ」ですが、その続編が「ネイバーズ2」です。
ご近所トラブルという、家をもっている人間であれば、いつ発生してもおかしくないデリケートな問題を含んだ内容をコメディとしてつくりあげた「ネイバーズ」でしたが、2ではクロエ・グレース・モレッツが引越しして新たな隣人トラブルが発生してしまいます。
そんな「ネイバーズ2」について、簡単に解説してみたいと思います。
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ちなみに、「ネイバーズ」の一作目についても、当ブログで言及しておりますので、一度みていただいてから、当記事をみていただくとより楽しめるかと思います。
セス・ローゲン
セス・ローゲンといえば、映画「宇宙人ポール」のポールの声をあて、アメリカかぶれの宇宙人を見事に演じたり、だめな男が一夜限りの関係を結んだ女性を妊娠させてしまったことで、大人として成長していく姿を描いた「無ケーカクの命中男/ノックドアップ」に主演するなど、幅広い演技や才能をもつ人物です。
ヒゲのもじゃもじゃした顔と、大きな身体が特徴であり、「ネイバーズ2」の中でも、私のかわいいテディベアといわれて、奥さんから愛されています。
前作では、主人公として赤ちゃんがいながら遊びたくてしょうがない男を演じていましたが、「ネイバーズ2」では、主人公というにはちょっと役割が弱かったりします。
クロエ・グレースモレッツ
クロエ・グレースモレッツといえば、いわずと知れた「キックアス」のヒットガールによって一気に人気がでた女優であり、それまでの間にもアメリカの田舎で生きる貧乏白人の少女の過酷な日常を描く「早熟のアイオア」や、女の子と付き合ったことのない男の子が理想の女性あってふられるまでを描いた「(500)日のサマー」で、主人公の妹役としてでていました。
「ネイバーズ2」の中では、高校時代にうまく友達をつくることができず、一人ぼっちにならない為に、ソロリティ(女性版フラタニティ)に参加しようとして、やっぱりうまくいかない女の子、シェルビーを演じます。
シェルビーは、結局ソロリティになじむことができずに、意気投合した友人とともに自分達のためのソロリティをつくろうとします。
今回の主人公の一人といってもいい存在です。
本当のことをいってしまえば、本作品は、セス・ローゲンと奥さんが主人公ではなく、ご近所トラブルになったとしても、友人や居場所をつくるために無理をするしかないクロエ・グレース・モレッツと、イケメン男テディの物語になっています。
そのため、前作のテイストを保ちながら、活躍の場は少ないことになっています。
テディという男
テディを演じるのは、17歳の頃に戻って人生をやり直そうとする男を描く「セブンティーン・アゲイン」で10代のころの主人公を演じたザック・エフロンです。
「ネイバーズ」の中では、筋肉がムキムキでイケメンで、かなりのおバカなキャラクターを演じています。
前作では、セス・ローゲンの最大の敵であり、フラタニティの中で伝説をつくりたいと願いながらも、うまくいかなかった男です。
男3人で楽しく暮らしていましたが、そのうち二人が同性愛者で、結婚することになってしまったために追い出されてしまい、困っていたクロエ・グレース・モレッツたちに知恵をかすことになります。
ネイバーズ2は、テディという男がシェルビーたちを通じて自分の問題と向き合うことと、クロエ・グレース・モレッツが演じるシェルビーが、自分の居場所をつくることができるかが主眼になっています。
一応、セス・ローゲンたちも、つぎの家に引越しするために、ソロリティの人間に大人しくしてもらわなければならないため、彼女達を排除したい、という意思はありますが、それは、たいした意味をもっていません。
ご近所抗争
もちろん、前作に引き続き、ご近所同士での嫌がらせ合戦は健在です。
子供が従うのは親だ、と思ったセス・ローゲンたちは、シェルビーの親に告げ口します。
前作でもそうでしたが、相手のだまらせようとしてちょっかいを出すと、ご近所トラブルはエスカレートしていきます。
「私にはどうにもできん。成長すると変わる。話す言葉も違うし」
と、シェルビーの父親は言います。
物事は解決せず、結局、シェルビーたちを怒らせる結果となってしまいます。
「勝負よ」
と言われて、一気に戦いは泥沼化していきます。
水着の女の子たちが庭を占拠してみたり、月のものしみこませたものをぶつけてみたりと、ある意味で前作よりもえぐい嫌がらせが発生します。
セス・ローゲンたちも、シラミをつけにいったりと、やりたい放題です。
理想のパーティ
さて、シェルビーたちは、あまり大きく描かれてはいませんが、友人ができなかったりしたトラウマを、自分達の理想のソロリティをつくり、その場所で、自分達が好きにパーティーをすることを目的としています。
「ネイバーズ2」では、ソロリティなども含んだ性差別への反抗も含まれています。
ソロリティは、単体ではパーティーを行うことができず、フラタニティの主催するパーティーに参加することしかできません。ドラックも禁止です。
フラタニティが行うパーティは、女性はエロチックな服装をしたりと、非常に男尊女卑であり、差別的です。従来のソロリティの女性達もまたそれをあえて行っているところもありました。
そんな現状に嫌気がさしたシェルビーたちは、自分達のためのパーティーをやるのですが、お金がなくなってしまいます。
そして、彼女達は、お金のために、男性にこびたパーティーを始めたりします。
信念をとるのか、お金をとるのか。
「敵は道を踏み外している。家賃のためのパーティーだ!」
その中で、ゆれうごくシェルビーたちを、大人として導こうとしてしまうセス・ローゲンたち。
いつの時代も、はじめの理念を忘れてしまっては、物事はうまくいかないものです。
自分達の居場所をつくろうとしたシェルビー。
しかし、お金がないという現実の前には、結局、男にこびたフラタニティのようなパーティーに結局流れていってしまうのです。
理想と現実の中で、シェルビーは苦悩します。
本作品は、ご近所トラブルを題材にしながらも、キャラクターたちの成長を描いているという点は、前作に引き続き特徴といえるでしょう。
ちなみに、ソロリティの物語で、同じように女性の友情を題材したものとしては、アカペラサークルに入り、孤独だった女性が、いやいやながらもソロリティに入ることで、成長していく姿を描いた「ピッチ・パーフェクト」なんかもオススメです。
世代間ギャップ。
ちなみに、ザック・エフロン演じるテディがシェルビーたちの行いに対して非難する場面があります。
「貴方を排除することになったわ」
と突然言われて、戸惑うテディ。
「いつ決まった」
「今よ。スマホでね」
テディが話しをしている間に、LINEのようなメッセージツールをつかって、その場にいる全員から決をとってしまったのです。
前作ではとうてい考えられない事柄です。
また、見所としては、YOUTUBEらしきものをつかってのソロリティの宣伝です。いかにもな動画がつくられていて、その楽しげな感じをみるだけでも、面白いところです。
「ネイバーズ2」では、クロエ・グレース・モレッツ演じるシェルビーにしても、ザック・エフロン演じるテディにしても、自分の居場所をつくる物語となっています。
コメディ映画ではありますが、その中で、どうやって楽しく生きていくのか、自分が正しい道を見つけていくことができるのか、ということを示している映画でもありますので、前作とあわせてみてみるのも一興かもしれません。
「隣人トラブル! ネイバーズ2」でした!!
前作の記事と、関連記事は以下となります。