『アウトレイジ 最終章』予告編公開記念!!
10月7日から公開が予定されている北野武監督の『アウトレイジ 最終章』。その予告編が公開されました。
一分半の映像の中に、銃撃・怒号・そしてアウトレイジを象徴する「車」の映像が詰め込まれています。
そもそもなぜ北野監督は執拗にヤクザ映画を繰り返し撮るのでしょうか。
この予告編の冒頭のマシンガン乱射シーンは『3-4x10月』を彷彿とさせますし、釣りのシーンは何となく『ソナチネ』の空気感を思い出しますね。相手を首まで埋めて拷問するのは深作欣二『北陸代理戦争』のエッセンスを感じます。
このように予告編を見るだけでも、これまでの北野映画やヤクザ映画の細部を(無自覚に)引っ張ってくる「自己言及」というのは、それこそ北野映画の醍醐味です。その作家性が肥大化した結果が怪作「TAKESHIS'」です。
おそらく『アウトレイジ 最終章』本編にはこれらの他に「あ、この雰囲気どっかで感じたな」という映像が出てくると思います。観客もそれを求めて映画を観ますし、僕自身も楽しみにしていますが、「アウトレイジ」というタイトルを使った三度目の作品、つまり今まで以上の「繰り返し」は見ようによれば「退屈」ともとれてしまう危険性があります。そこをどのように飛び越えるか、主人公をどのように死なせるかが今作のポイントとなるはずです。
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駐車場と車を同時に映す映像が予告編に登場しますがその艶やかさはやはり素晴らしいですね。北野作品の持つ「密室性」、「死」の象徴が車ですから本作でも思う存分、車を扱ってほしいですね。
前作が『龍三と七人の子分たち』というジジイのヤクザが登場する作品でしたが、本作もずいぶんジジイが出てきますね(いい意味で)。みんな病気持ってるんじゃないかというくらい不気味な顔が、映像/物語を破綻させかねないところがスリリングではないですか。だって、このシリーズのキモは映像は別にして、罵り合いですからね。それが今にも死にそうなジジイたちが演じるとなるともうこれは本当にギリギリの映画になるかも?という期待と不安が身を包みます。
一体、主人公の放つ罵声や銃弾は最後に何を撃ち抜くのでしょうか。それは一作目で死んだはずの「自分自身」かもしれません。
ヤクザ映画を大々的にスクリーンにかけることが出来るのが北野武監督くらいだという消極的な理由でこの映画が消費されないことを祈ります。