シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

もっと映画を楽しむために 映画評論本の紹介!

本日は映画をもっと楽しむために非常に参考になる本を紹介してみたいと思います。全て自分で読んでいいなと思った本なので、ぜひぜひ読んでみて下さい。

 

『定本 映画術』

定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー

定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー

 

 巨匠ヒッチコックの作品に関して、自身とトリュフォーと語り合った会心の書。トリュフォーによるインタビュー形式の作品紹介はリラックスしつつも要点がまとまっており、非常にためになります。たんにヒッチコックの作品を網羅しただけでなく、映画史の流れについてもその都度触れられているので面白い逸話がぽこぽこでてきます。頭から読み通した後は好きなページを選んで自由に読む直すこともお勧めです!

 

『映画術 その演出はなぜ心をつかむのか』

 

映画監督の塩田明彦による映画評論集にして講義集。①の本からタイトルが取られました。演出という、映画そのものといえるものをどう楽しむかが書かれています。例えば「動線」に関する部分は、観客が何となく理解していたことを言葉で具体的に説明してくれます。これを読んだ後では文字通り映画の見方が変わるかもしれません。

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『映画とは何か』

映画とは何か(上) (岩波文庫)

映画とは何か(上) (岩波文庫)

 
映画とは何か(下) (岩波文庫)

映画とは何か(下) (岩波文庫)

 

 戦後フランスに現れた映画評論家、アンドレ・バザン。映画批評誌『カイエ・デュ・シネマ』創刊に関わり、初代編集長をつとめました。同誌にはロメールゴダールトリュフォーなど後に監督となり映画界を革新していく若手が批評を寄せていた、といえば映画界にもたらした影響の大きさがわかると思います。

そのバザンが愛する「映画」をどう捉えていたのかがまとめられています。上下あわせるとかなり長い本ですが、ふと「映画とは何か」と考える際には読んでおきたい本です。

 

④『映像の詩学

映像の詩学 (ちくま学芸文庫)

映像の詩学 (ちくま学芸文庫)

 

 『伯爵夫人』にて第29回三島由紀夫賞を受賞したことで久方ぶりに(?)マスメディアに取り上げられた蓮実重彦氏。その氏の著作の中からこちらの本をチョイス。貴方が持つ批評のイメージが覆されるかもしれません。とにかく映画批評は読んでて面白くなければ、幾ら正しかろうと価値がないのではないか。めまいのような文章体験が出来ますよ。

 

⑤『ユングのサウンドトラック』

音楽家、そして多数の著作を持つ作家・菊地成孔の映画評論集(の文庫本)。松本人志映画の批評が特に刺激的で、氏以外にここまで彼について書いた人はいなかったのではないか。本書の後半には(一部で)話題となった映画評論家・町山智浩とのDISりあいに発展した『セッション』批評が収録されています。映画批評は映画自体から離れ、まず読み物として面白くないといけない、という思いをさらに強くする私でありました。

 

ゴダール 映画史(全)』

ゴダール 映画史(全) (ちくま学芸文庫)

ゴダール 映画史(全) (ちくま学芸文庫)

 

 700ページを超える大著。ゴダール本人による自作品(とそれに関する幾つかの古典作品)の解説です。例え作品を観ていなくてもその語り口だけでも面白い。もちろん観ている人にとってはもっと面白い。その厚さに反比例してさくさくと読み進められる語り口の軽さが印象的です。

 

淀川長治 究極の映画ベスト100』

 みんなご存知、映画評論家の淀川氏の批評本。古典名作から近年の作品まで幅広く取り上げられています。一作一作の解説は短いのですが的確で、読み進めていくことにより氏の映画を鑑賞する際の評価軸が垣間見れて面白いです。

 

『アイドル映画30年史』

アイドル映画30年史 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

アイドル映画30年史 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

 

アイドル映画に特化した特集本は少なく、その中でもこれが一番まとまっているのではないでしょうか。硬い批評というよりは複数の執筆陣による当時の記憶も含められた読みやすいムック本ですので手元に一冊あると便利だと思います。現代に生きる私にとってはやっぱり80年代の記事が面白いですね。

 

以上、雑多ではありますが映画批評に関連するお勧め本をまとめてみました!

もちろんここに挙げた以外にもたくさんあるので機会があればまた特集したいと思います。

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