インテリヤクザはお手の物!! 成田三樹夫特集!!
本日はやくざ映画で大活躍した個性派俳優・成田三樹夫さんについて書いていきたいと思います。
一目みたら忘れられない風貌で人気となった成田氏。今でもファンは多いです。
東映ヤクザ映画で大人気! 悪役ならまかせろ!
成田三樹夫は山形県生まれ、東京大学に入学するもドロップアウトするという異色の経歴を持っています。大映退社後に出演した東映のやくざ映画の敵役でおなじみになりました。
代表的なところでいえばやはり『仁義なき戦い』シリーズの村岡組幹部・松永役でしょうか。他のやくざのキャラクターが太鼓持ちだったりいざという時はしり込みしたりといった情けない部分が目立つものが多かったのですが、『広島死闘篇』ではヒットマン・山中に村岡組長の仕組んだ筋書きを伝えたり、殺すんならワシを殺せ、と男気をみせたりする割りと筋の通った役回りでした。『代理戦争』でも若頭・武田にお辞儀をして組を離れるシーンが話題を呼びました。
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このように冷静で頭も切れ、面倒見もよさそうなイメージをあたえる印象が強かったですね。
他の作品でも『まむしの兄弟 二人合せて30犯』や『県警対組織暴力』、『バカ政ホラ政トッパ政』、『実録外伝 大阪電撃作戦』などでも智略に長けた現代風なやくざを好演しています。
彼の東大ドロップアウトという経歴とあいまってインテリヤクザをやらせたらピッタリです。しかも単に線の細い弱々しいやくざというよりは、声や見た目に凄みがあるのでもっと不気味で掴みどころがない印象を与えるんじゃないかと思います。
あの独特な髪型や話し方のバリエーションの豊富さなど特徴に溢れた稀有な俳優です。
ものの考え方
成田氏は役者のアイドル化や権力者にしっぽをふることをよしとしませんでした。
その姿勢は東映の実録やくざ路線と非常に相性がよかったと思います(そりゃそうですね、凝り固まった日本映画の伝統を捨て、あくまでエンタメとして刺激的なものづくりをやっているわけですから…)。
有力者におもねることのない、反権力を志向する役者は当時特に多かったでしょう。室田日出男もバラエティ出演時に組合運動を率先してやったというようなことをいってました。
予定調和ではない、自分の考えをしっかりと通す強さが結局スクリーンにも反映されていたのでしょう。
時を越えて、空を越えて
そんな反骨精神を持った室田日出男、川谷拓三らとともに成田三樹夫も若くして亡くなってしまいました(それぞれ享年64歳、54歳、55歳)。
ですが彼らの勇姿はDVDや動画配信サイトでいまでも観ることができます。むしろ以前より視聴の方法自体は増えているのでリアルタイムで彼らの演技を観ていた人よりも集中して楽しめるのかもしれません。
いい映画・俳優は時を越える。
そのことをミッキーこと成田三樹夫は教えてくれました。