シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

クリエイターは必見。職人とアーティストの狭間で。三谷幸喜「ラヂオの時間」

ラヂオの時間

 

ラヂオの時間」は、三谷幸喜監督による第一作目の映画作品となっており、そのあとに続く三谷幸喜映画をみるうえでも大いに参考になる作品となっています。


そんな「ラヂオの時間」について、簡単に解説&感想を述べてみたいと思います。

 

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家を建てるときに、貴方は誰に相談しますか/三谷幸喜「みんなのいえ」

みんなのいえ

 
マイホーム。
その言葉は、かつての日本にとって、いや、今にいたっても特別な響きであることは変わりないのではないでしょうか。


一生を賃貸住宅で過ごすという選択肢もありますが、建売ではなく、設計段階から関わったマイホームとなれば、感動もまた一押しでしょう。


さて、コメディの名手である三谷幸喜監督がつくる「みんなのいえ」では、そんな家づくりをテーマに、色々な思惑が錯綜することで発生するエンターテインメントを知りつつ、自分がマイホームを手に入れようとする人にとっても、参考になる映画となっていますので、楽しみかたを含めて紹介してみたいと思います。

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園子温の描くエロの先/アンチポルノ

ANTIPORNO [DVD]

 

園子温監督といえば、「冷たい熱帯魚」や「恋の罪」といった実際の事件をもとにした映画を製作したり、「ヒミズ」や「希望の国」といった社会に沿った作品もつくるなど、幅広い活躍をしている人物です。


若い頃から、東京ガガガといったパフォーマンス集団を率いてみたりと、その活動の幅は広い人物ですが、その園子温監督の一つの特徴といえば、エロとグロです。


とことんまで噴出す血しぶき、まろびでる女性の胸。


そんな園子温監督が、日活ロマンポルノ45周年を記念してつくった、反ポルノ映画「アンチポルノ」について紹介してみたいと思います。

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映画みたいな人生を送る。「バリー・シール」感想&解説

バリー・シール/アメリカをはめた男(字幕版)

 

能力もあってお金もあって、将来性も約束されていて、愛すべき家族がいる。
誰もが羨む人生が確定していたとしても、人というのはそのとおりに生きられないものです。

トム・クルーズ主演である「バリー・シール」は、そんな絵に描いたような人生を生きられるはずが、結果として、映画のような人生を送ることになった男を描いた作品です。


実話をもとにつくられておりますので、こんなことが実際にあったのだ、と思いながらみるとまた違った面白さを感じられる映画となっていますので、見所を含めて感想を述べてみたいと思います。

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日本の異常気象は大丈夫か。映画「日本沈没」1973年版

日本沈没

 

日本は今、異常気象の真っ只中です。

異常気象も毎年続けば、それもまた正常といえる恐ろしさ。

突然ですが、人間のちっぽけさを知ることになると同時に、人間はどう生きるべきかを教えてくれる作品こそが、小松左京原作「日本沈没」です。

もしも、日本が沈没してしまうとしたら、人々はどんな行動をするのか。

感想&解説をしてみたいと思います。

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宮沢りえ主演「湯を沸かすほどの熱い愛」感想&解説

湯を沸かすほどの熱い愛

  

自分の余命がわかったとき、人はどんな行動をとるのでしょうか。

多くの作品がそのような人生の終わりを予感することで、変わる人間を描いてきていますが、「湯を沸かすほどの熱い愛」は、一人の女性が、大きな愛を示し、多くの人間を救っていく物語となっています。


倫理的な問題が言われることもある本作品ですが、その魅力と物語の構造を含めて解説してみたいと思います。

 

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ダメな人でも未来を。是枝裕和監督「海よりもまだ深く」

海よりもまだ深く

 

人間というのは、なかなか素直になれないものです。

いいたくもないことを言ってみたり、嬉しいのに怒ってみたり。すべてが自分の思い通りにならないからこそおもしろいといえる人生かもしれませんが、なかなか、そんなに割り切れるものではありません。


そんな、うまく生きることのできない家族を描いた作品、「海よりもまだ深く」について、人間の業(ごう)がどのような形で肯定されているかを含めて、考えてみたいと思います。

 

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