シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

時間を止められたら、貴方は何をする?/フローズン・タイム

フローズン・タイム(字幕版)

 

時間をとめて自由に好きなことができるとしたら、一体何をするでしょうか。

金銀財宝を盗み出したり、はたまた、自分の欲望を満たすために行動を起こすか、いずれにしても、ろくなことにはならなそうです。

「フローズンタイム」は、フォトグラファーでもあるシェーン・エリス監督がメガホンをとった作品であり、イギリス映画ということもあって、時間を止めながら非常に紳士的な映画となっています。

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二階堂ふみの赤裸々演技。感想&解説 映画「私の男」

私の男

 

「私の男」は、直木賞を受賞した桜庭一樹の作品を映画化したものです。

主に北海道を舞台に、閉鎖的な親子の関係を描いており、内容の過激さも含めて好き嫌いがはっきりする作品とは思いますが、見所を含めて感想や解説をしてみたいと思います。

 

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君の名は。好きな人は前作も。解説&感想「言の葉の庭」

言の葉の庭

 
社会現象ともいえる人気となり、日本アニメ会にとって大きな影響を与えた新海誠監督「君の名は。」ですが、その前作にあたる「言の葉の庭」も、ファンであれば抑えておきたいところです。


言の葉の庭」は46分という、かなり上映時間の短い作品となっており、さくっと新海誠作品をみたい、という人にはオススメの作品となっています。


君の名は。」の流れから見る人も、すっきり入れるように解説しつつ、語ってみたいと思います。

 

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主体性がない人は損をする。岩井俊二「リップヴァンウィンクルの花嫁」

リップヴァンウィンクルの花嫁【劇場版】

岩井俊二監督といえば、蒼井優出世作となった「花とアリス」や「リリィ・シュシュのすべて」などで有名な監督です。

ミュージックビデオの仕事をしつつ、奥菜恵の存在感が示された「ifもしも~打ち上げ花火下から見るか横から見るか」で話題となり、一躍人気監督へと躍り出ました。


そんな、岩井俊二監督が、黒木華(はる)と出会ったことで作られた作品こそが「リップヴァンウィンクルの花嫁」となっています。


岩井俊二監督の映像美や、雰囲気がふんだんに映し出された作品となっておりますが、一種異様な雰囲気も生み出される作品であることから、解説してみたいと思います。

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子供は成長し、親は学ぶ/映画「ルーム」

ルーム(字幕版)

 
アカデミー賞ノミネート作品であり、主演のブリー・ラーソンアカデミー賞主演女優賞を受賞した作品です。

実際にオーストリアで起こった事件である「フリッツル事件」を基につくられた作品であり、事件そのものは、非常に重たい内容となっていますが、本作品は、事件そのもの悲惨さではなく、親子の関係や、子供がどのように成長していくのか、というのがわかる物語です。

いわば、それをわかりやすくするために、フリッツル事件が下敷きに使われた作品といえます。


小さな「部屋」で生まれ育ち、世界へと足を踏み出した少年が、どのようにして世界をみたのでしょうか。 

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愛情こそが世界を変える/ライアン・ジョンソン「ルーパー」  

 

LOOPER/ルーパー (字幕版)

 

スターウォーズ 最後のジェダイ」において、脚本・監督を務めたライアン・ジョンソン監督による映画「ルーパー」は、一風変わったSF映画です。


未来からきた人間を殺すと、お金がもらえるという闇社会で生きる主人公が、未来の自分と出会うという物語となっています。

未来でも殺人が行われており、その憎しみの連鎖は止まらない。はたして、人間というのはどうすれば、そんな連鎖をとめることができるのか。

そんなことを考えさせられる映画となっています。 

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正義はいったいどこにある。/日本で一番悪い奴ら

日本で一番悪い奴ら Blu-rayスタンダード・エディション

 
「凶悪」でリリー・フランキーピエール瀧の二人を、ものすごく恐ろしいおじさんとして演出した白石和彌監督。

白石監督のその次の作品にあたるのが「日本で一番悪い奴ら」です。


古きよき日本映画の生臭さをただよわせながら、暴力を時に恐ろしく、時にユーモラスに描くその作品は、好き嫌いがわかれるところかもしれません。


今回紹介する「日本で一番悪い奴ら」は、北海道警察による組織的犯罪について指摘した、ここ最近では非常にめずらしい作品となっていますので、その魅力も含めて考えてみたいと思います。

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