シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

ロリータの深田恭子/中島哲也「下妻物語」

映画「下妻物語」

 

深田恭子土屋アンナが主演し、ロリータとヤンキーという日本の特殊なカルチャーを背負ったキャラクターが活躍する作品「下妻物語」は、中島哲也監督によるコミカルな編集と演出によって人気を博しました。

中島哲也監督のある意味出世作となっている作品でもあり、原作者の嶽本野ばら先生による作品としても、異質な作品となっていることも含めて、この映画の魅力について考えてみたいと思います。

 

続きを読む

かわいい松子は3度死ぬ/中島哲也「嫌われ松子の一生」

嫌われ松子の一生 通常版 [DVD]

 

嫌われ松子の一生」といえば、原作がベストセラーになり、中島哲也監督が映画化した作品です。

本ブログでは、映画の「嫌われ松子の一生」について、その見所を含めながら考えていきたいと思います。

 

松子は嫌われ者なのか。

 物語は、川尻笙(かわじり しょう)が、叔母である川尻松子がどういう人であったかを知っていくという、ミステリー風の物語となっています。


一方で、川尻松子という女性がどのように生き、どのように死ぬこととなったのかが描かれた物語となっており、映画をみることで一人の女性の人生がわかるようになっています。

 

続きを読む

放課後を待ちながら/内田けんじ「アフタースクール」

アフタースクール [DVD]

 

内田けんじ監督といえば「鍵泥棒のメソッド」で日本アカデミー賞で最優秀脚本賞も受賞し、そのストーリーづくりに定評のある監督です。

パズルのようにくみ上げられたシナリオ術は、物語を書く人間は一度はみておいて損はないものとなっています。


見ている人は誰しもが騙される、といわれたこの作品。
(キャッチコピーは、甘くみてるとダマされちゃいますよ

表のスジと、裏のスジにわけつつ、内田けんじ監督の「アフタースクール」について、ネタバレを多分にいれながら解説していきたいと思います。

続きを読む

人間どこで頑張るのか/内田けんじ「鍵泥棒のメソッド」

鍵泥棒のメソッド

 

邦画のオススメを紹介するブログなどの中でも、高確率で選ばれる作品の一つとしてあげられるのが、内田けんじ監督「鍵泥棒のメソッド」です。

鍵、泥棒、メソッド。

という、まとまりそうでなんだかよくわからなそうなタイトルに惹かれる人もいれば、なんとなく敬遠してしまう人もいると思いますが、練られた脚本と、コメディタッチで明るく語られる物語は、非常に後味もすっきりした作品となっています。

そんな「鍵泥棒のメソッド」について、どのような魅力があるのか解説してみたいと思います。

続きを読む

連続ドラマも。園子温監督「愛のむきだし」感想&解説

愛のむきだし

 

園子温監督の数ある映画の中でも、傑作中の傑作の一つとされる映画が「愛のむきだし」です。

4時間近くに及ぶ長い作品に、さらに1時間を追加し、30分ごとのドラマにするという試みがJ:COMで独占放送されることもあり、改めて、「愛のむきだし」の、むきだしの魅力について考えてみたいと思います。

 

これは事実を基にした物語です。

 

園子温監督といえば、「冷たい熱帯魚」や「紀子の食卓」などでも知られる監督であり、「みんな!エスパーだよ」や「新宿スワン」といったマンガ原作の映画化も行う、幅広い才能を発揮する人物です。

続きを読む

疑心暗鬼になった男の末路/黒澤明監督「蜘蛛巣城」

蜘蛛巣城[東宝DVD名作セレクション]

 

黒澤明映画の中でも評価の高い作品の一つに、「蜘蛛巣城」があります。

シェイクスピアマクベス」をもとにして作られた作品であり、黒澤明による映像や、日本の戦国時代に置き換えた内容は、今見ても色あせることはありません。

蜘蛛巣城」について、どういった物語なのか、見所を含めて解説してみたいと思います。

続きを読む

受験生は必見の映画。有村架純主演/映画「ビリギャル」

映画「ビリギャル」【TBSオンデマンド】

 

成績というのは、なかなかよくならないものです。
あがるのも一朝一夕であれば、下がるのもまた一朝一夕です。

受験生にとっては、どうやって受験へのモチベーションを保つかというのが重要なところですし、受験生がいる親からしても、その姿勢というのは非常に重要となってきます。


今回は、学年でビリのギャルが、慶應義塾大学へ行った、という話題性と共にヒットした作品「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」という長いタイトルの作品について、多少日本映画的な過剰演技などはありますが、脚本のできもよく、主演である有村架純の演技も素晴らしいことから、原作のことは一旦置いておいて、映画「ビリギャル」の魅力について考えてみます。

続きを読む
スポンサードリンク