シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

洋画

誘拐映画。娘のためなら父は/リーアム・ニーソン主演「96時間」  

シリーズ3作目まで作られ、リュック・ベッソンが脚本し、リーアム・ニーソンが主演を務め、娘のために悪いやつらをガンガン処分していく男の物語、「96時間」について考えてみたいと思います。 本記事では、シリーズ2、3作品目では薄らいでしまった、1作目…

生きている実感がない/アメリカン・サイコ

クリスチャン・ベールが主演し、アメリカ人だけではなく、全ての人間がもちうる問題を浮き彫りにした作品、「アメリカン・サイコ」について、解説してみたいと思います。 名刺バトル さて、この映画は冒頭から問題を見せ付けてきます。 高級そうなレストラン…

正しいアメ車の譲り方/クリント・イーストウッド「グラン・トリノ」

クリント・イーストウッド監督といえば、俳優としても監督しても抜群の存在感と才能を発揮する人物です。 そのクリント・イーストウッドの最高傑作と呼び声の高い「グラン・トリノ」について、その魅力を語ってみたいと思います。 頑固ジジィ 物語は奥さんの…

娘が誘拐されたとき、どうするべきか/プリズナーズ

人は何かによって囚われているものです。 道徳や倫理、国家や宗教。世間など、あらゆる物事は自分たちを囚われの身にしてしまうのです。 ジェイク・ギレンホールとヒュー・ジャックマンが主演する作品にして、同年に「複製された男」も公開したドゥニ・ヴィ…

ブラック企業勤めの心理状況がわかる。映画「セッション」

人は誰でも心が弱ってしまうときがあるものです。自分自身の決断に迷い、後悔するときもあります。 しかし、そんな時でも、人間は進まなければいけませんが、周りが見えなくなってしまい最悪のことを行ってしまう場合もあるのが現実です。 さて、人間という…

私の敵は、私です。/ジェイク・ギレンホール主演「複製された男」

「脳力が試される究極の心理ミステリー」と称された本作品は、一見すると難解にみえる作品ですが、ある程度のキーワードを抑えておくことで、非常に身近で、バカな男の性がわかる作品としてみることができる作品となっています。 ネタバレはあっさりめにして…

スタンフォード監獄実験は、何を語るのか/ES(エス) エクスペリメント

普通の人たちが、理由もなく囚人と監視人にわかれたとき、人はどのような行動をとるようになるのか。 人間の狂気と心理に迫る映画こそが、2001年につくられた「エス」であり、2010年に公開された「エクスペリメント」なのです。 エクスペリメントの…

問題行動を起こすのは何が悪い? ネタバレあり/エスター   

「この娘、どこかが変だ」のキャッチフレーズでお馴染み、「エスター」は、衝撃的なラストと呼ばれる後半もあって、話題作の一つでありました。 この映画は、事前情報なしでキャッチフレーズや画像だけみると、霊能力とかをもった少女の話になるかと思ってし…

スティーブン・スピルバーグに捧げる/J・J・エイブラムス「スーパーエイト」  

スティーブン・スピルバーグといえば、「ジョーズ」「ジュラシック・パーク」「E.T」「プライベート・ライアン」「インディ・ジョーンズ」など、いずれも大ヒット作品を手がけた、ハリウッドにおける超ヒットメーカーです。 そして、そのスピルバーグ監督…

中二病は止まらない。リブート「ゴーストバスターズ」2016年版  

ゴーストバスターズといえば、海外ではいまだにゴーストバスターズの衣装で活動している人もいるという根強い人気がある作品です。 1984年に公開され、新作が公開されないままにきてしまった本作品が、満を持して公開されたことから、第一作目と比較をし…

リメイク版を見る前に。ゴーストはいます!/1984年 ゴーストバスターズ

2016年に主人公を女性に一新してリメイクされる、ゴーストバスターズ。 そのオリジナルを見ないことにはゴーストバスターズははじまりません。 ゴーストバスターズがなぜヒットしたのか。そんな背景も視野にいれながら、1984年に公開されたゴースト…

本当に怖いのは人間/遊星からの物体X ジョン・カーペンター監督

遊星からの物体Xといえば、巨匠ジョン・カーペンター監督の代表作の一つであり、その後の漫画や映画に多大なる影響を与えた作品でもあります。 ついつい、1984年の映画なので、敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、劇中ででてくるその生物や、恐慌…

忘れられない恋を忘れよう/エターナル・サンシャイン

皆さん、忘れたい記憶はありますか。 失敗してしまったことや、みんなの前で恥をかいて、もう何もかも忘れてやり直したい、そんな悪魔的衝動にかられたことのある人は、数多くいると思います。 その中でも、それが恋愛という土俵の上であれば、その数は数限…

ミニオンズ 黄色い生物たちは何者か/「ミニオンズ」

映画館で映画をみていると、その時期、配給会社とのコラボレーションなのか、放送前の注意事項などを映画のキャラクターで紹介されることがあります。 ディズニー系であれば、ミッキーたちがでてきたりすることもありますし、コラボでないもので有名なのは、…

10年目の夫婦が乗り越えること/「アイズワイドシャット」解説&感想  

アイズワイドシャットは、かの巨匠スタンリー・キューブリック監督の遺作となる作品です。 トム・クルーズとニコール・キッドマンという二人の名優が共演し、当時、実際に二人が夫婦だったということもあって、実に生々しく、心に食い込む映画になっています…

キャッチボールは親子の会話/フィールドオブドリームス

野球については全然知らない人間でも、夢を持つことの大切さや、親子の絆を感じ取ることができる、野球を題材にした傑作映画こそが、「フィールドオブドリームス」です。 それを作れば、彼は来る。 ある日突然、ケビン・コスナー演じる主人公の男レイは、謎…

スーツは現代の鎧だ/マシュー・ヴォーン監督「キングスマン」  

靴のかかとを勢い良く合わせると、毒つきナイフが飛び出る。 数万ボルトの電流が流れる指輪や、地下に張り巡らされた秘密機関の鉄道。 大爆発するライター。 ロンドンに存在する謎のスパイ組織「キングスマン」。普段はスーツの仕立て屋。しかし、その実態は…

父は待っている/クリストファー・ノーラン「インターステラー」感想&解説

かつての世界は、宇宙開発競争を征することこそが世界を先駆けることにつながると信じていました。 宇宙に飛び出し、月に到達した人類は、その副産物として様々な恩恵を得た。 そして、そらを見上げる少年・少女たちの心に、輝かしい未来を想像させたもので…

誰しもみんな悩んでる。/ブレックファストクラブ

アメリカのハイスクールというのは、階級がきっちりわかれています。 この場合の階級というのは、つきあう友達によって作り出される、自分の立ち位置のようなものです。 オタクな人間は、オタクとしかかわりをもちません。 スポーツマンは、スポーツマン。 …

自分に自信のない男が見るべき映画/デットプール感想  

2016年6月1日より公開された映画「デッドプール」ですが、このユーモラスで真っ赤なコスチュームのふざけたヒーローが、どんな活躍を見せるのか。 どんなところが見どころかを含めて、感想をつづってみたいと思います。 おばかな物語が始まります。 デ…

これぞ逆境! ゼロ・グラビティ

突然ですが、本当の意味で孤独になる、というのはどういう状況でしょうか。 2013年に公開され、ロードショーで地上波放送も行われることになった「ゼロ・グラビティ」。 この映画はたしかに宇宙を舞台にした映画ですが、一人の女性が、逆境を乗り越えて…

偏見を捨てるなら今!感想&考察 ズートピア

ディズニー映画といえば、やはり「アナと雪の女王」の超ミラクル大ヒットの印象がいまだにありますが、4月より公開されている「ズートピア」について、その見所や、脚本の出来の素晴らしさを踏まえた上で、考えてみたいと思います。 この物語は一見してみる…

この世の果てで恋を歌う青年/ミスターノーバディ ジャコ・ヴァン・ドルマルの世界その3

「ミスターノーバディ」は、ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の最高傑作です。 2016年5月には、5年ぶりの新作「神様メールが」公開される予定ですので、ジャコ・ヴァン・ドルマル監督を予習する意味でも、「ミスターノーバディ」は是非見ておきたい一作で…

ディカプリオ アカデミー賞受賞作品/レヴェナント:蘇えりし者

「レヴェナント:蘇えりし者」は、レオナルド・ディカプリオが5度のノミネートを経てようやくアカデミー主演男優賞を受賞した記念すべき作品でです。 アメリカ西部開拓時代の実在の人物を演じ、実際の冬山で行われた過酷なロケは、その裏事情を知らなくても…

ネタバレあり。彼は飛べたのか。バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  

「レヴェナント:蘇りし者」も日本公開されようとしている中、二年連続でアカデミー賞をとるという快挙をなしとげたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。 そのイニャリトゥ監督の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」について、…

吸血鬼の住宅事情。吸血鬼の暮らし方/シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア

吸血鬼は、永遠に生きることはできる存在ではありますが、色々な制約があることでも有名です。 ・白木の杭で心臓を貫かれると死ぬ(人間でも死にます)。 ・にんにくが苦手 ・十字架が苦手 ・銀製品に弱い ・招かれないと家に入れない。 ・血を吸わなければ…

吸血鬼は語る。トム・クルーズとブラピ/インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

吸血鬼といえば、すっかり手垢がついた題材です。 人間の生き血を飲むことで、永遠に生きることが出来るバケモノ。 そのあまりに残酷で、残酷でありながら、永遠に生きる存在として、数々のドラマのもとになっていますが、これからもその題材は使われ続ける…

挫折を乗り越えろ!家族と戦うボクシング映画/ザ・ファイター  

マーク・ウォールバーグ主演「ザ・ファイター」は、実在したボクサーであるミッキー・ウォードの実話を元につくられた映画です。 多少の脚色や、時間を繋ぎ合わせた部分はありますが、人生そのものがまさに映画としか思えない劇的な物語となっています。 「…

ご近所トラブルコメディ/セス・ローゲン製作主演「ネイバーズ」  

ご近所トラブルというのは、どんな場所でも悩みの種です。 「ネイバーズ」は、アメリカでも発生しているご近所トラブルが描かれた、傑作コメディ映画です。 子供が生まれたばかりの若夫婦が、遊びたいのを堪えながら子育て、仕事と頑張っている中、お隣さん…

全ては神のてのひらで/コーエン兄弟「シリアスマン」

あまりに理不尽な出来事にあったとき、人は神の存在を疑わずにはいられません。 なぜ自分だけがこんな目に合うのか。 神様が存在するのであれば、なぜ戦争はなくならず、貧困はなくならないのか。 そんなことを考えなくても、世の中には無数の理不尽が転がっ…

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