シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

ぺぺろん

「君の名は。」感想&解説/新海誠

新海誠といえば、「ほしのこえ」で鮮烈なデビューを飾り、美しい映像・アニメーションを駆使して少年と少女のセカイを描く監督です。 爆発的なヒットをしている「君の名は。」をより理解することができるように、新海誠の特徴や、作品の解説・感想を語ってみ…

スティーブン・スピルバーグに捧げる/J・J・エイブラムス「スーパーエイト」  

スティーブン・スピルバーグといえば、「ジョーズ」「ジュラシック・パーク」「E.T」「プライベート・ライアン」「インディ・ジョーンズ」など、いずれも大ヒット作品を手がけた、ハリウッドにおける超ヒットメーカーです。 そして、そのスピルバーグ監督…

中二病は止まらない。リブート「ゴーストバスターズ」2016年版  

ゴーストバスターズといえば、海外ではいまだにゴーストバスターズの衣装で活動している人もいるという根強い人気がある作品です。 1984年に公開され、新作が公開されないままにきてしまった本作品が、満を持して公開されたことから、第一作目と比較をし…

リメイク版を見る前に。ゴーストはいます!/1984年 ゴーストバスターズ

2016年に主人公を女性に一新してリメイクされる、ゴーストバスターズ。 そのオリジナルを見ないことにはゴーストバスターズははじまりません。 ゴーストバスターズがなぜヒットしたのか。そんな背景も視野にいれながら、1984年に公開されたゴースト…

組織はつらいよ。シンゴジラの予習復習に。/岡本喜八「日本のいちばん長い日」  

シン・ゴジラが下敷きにした岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」について、どういった話なのか、現代に生きる我々がどのようなところをポイントに見ていくと内容が入ってきやすいのかを含めて、シンゴジラの予習・復讐をかねて解説してみたいと思います。 …

シンゴジラのいちばん長い日。ネタバレ解説/シン・ゴジラ  

「新世紀エヴァンゲリオン」や「不思議の海のナディア」の監督である庵野秀明監督がつくったゴジラシリーズの最新作「シン・ゴジラ」がついに公開されました。 12年もの間つくられることがなかったゴジラですが、圧倒的な才能と実力をもって、日本への希望…

本当に怖いのは人間/遊星からの物体X ジョン・カーペンター監督

遊星からの物体Xといえば、巨匠ジョン・カーペンター監督の代表作の一つであり、その後の漫画や映画に多大なる影響を与えた作品でもあります。 ついつい、1984年の映画なので、敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、劇中ででてくるその生物や、恐慌…

忘れられない恋を忘れよう/エターナル・サンシャイン

皆さん、忘れたい記憶はありますか。 失敗してしまったことや、みんなの前で恥をかいて、もう何もかも忘れてやり直したい、そんな悪魔的衝動にかられたことのある人は、数多くいると思います。 その中でも、それが恋愛という土俵の上であれば、その数は数限…

ミニオンズ 黄色い生物たちは何者か/「ミニオンズ」

映画館で映画をみていると、その時期、配給会社とのコラボレーションなのか、放送前の注意事項などを映画のキャラクターで紹介されることがあります。 ディズニー系であれば、ミッキーたちがでてきたりすることもありますし、コラボでないもので有名なのは、…

10年目の夫婦が乗り越えること/「アイズワイドシャット」解説&感想  

アイズワイドシャットは、かの巨匠スタンリー・キューブリック監督の遺作となる作品です。 トム・クルーズとニコール・キッドマンという二人の名優が共演し、当時、実際に二人が夫婦だったということもあって、実に生々しく、心に食い込む映画になっています…

キャッチボールは親子の会話/フィールドオブドリームス

野球については全然知らない人間でも、夢を持つことの大切さや、親子の絆を感じ取ることができる、野球を題材にした傑作映画こそが、「フィールドオブドリームス」です。 それを作れば、彼は来る。 ある日突然、ケビン・コスナー演じる主人公の男レイは、謎…

スーツは現代の鎧だ/マシュー・ヴォーン監督「キングスマン」  

靴のかかとを勢い良く合わせると、毒つきナイフが飛び出る。 数万ボルトの電流が流れる指輪や、地下に張り巡らされた秘密機関の鉄道。 大爆発するライター。 ロンドンに存在する謎のスパイ組織「キングスマン」。普段はスーツの仕立て屋。しかし、その実態は…

父は待っている/クリストファー・ノーラン「インターステラー」感想&解説

かつての世界は、宇宙開発競争を征することこそが世界を先駆けることにつながると信じていました。 宇宙に飛び出し、月に到達した人類は、その副産物として様々な恩恵を得た。 そして、そらを見上げる少年・少女たちの心に、輝かしい未来を想像させたもので…

誰しもみんな悩んでる。/ブレックファストクラブ

アメリカのハイスクールというのは、階級がきっちりわかれています。 この場合の階級というのは、つきあう友達によって作り出される、自分の立ち位置のようなものです。 オタクな人間は、オタクとしかかわりをもちません。 スポーツマンは、スポーツマン。 …

エロとバカ/園子温監督「みんな!エスパーだよ」ドラマ&映画

「みんな!エスパーだよ」は、デトロイト・メタル・シティ等の代表作をもつ漫画家 若杉公徳氏の漫画です。 ある日突然エスパーに目覚めた少年が、その能力をつかって世界を救おうとするというほぼギャグとしか思えない設定でありながら、3巻のラストから一…

自分に自信のない男が見るべき映画/デットプール感想  

2016年6月1日より公開された映画「デッドプール」ですが、このユーモラスで真っ赤なコスチュームのふざけたヒーローが、どんな活躍を見せるのか。 どんなところが見どころかを含めて、感想をつづってみたいと思います。 おばかな物語が始まります。 デ…

これぞ逆境! ゼロ・グラビティ

突然ですが、本当の意味で孤独になる、というのはどういう状況でしょうか。 2013年に公開され、ロードショーで地上波放送も行われることになった「ゼロ・グラビティ」。 この映画はたしかに宇宙を舞台にした映画ですが、一人の女性が、逆境を乗り越えて…

偏見を捨てるなら今!感想&考察 ズートピア

ディズニー映画といえば、やはり「アナと雪の女王」の超ミラクル大ヒットの印象がいまだにありますが、4月より公開されている「ズートピア」について、その見所や、脚本の出来の素晴らしさを踏まえた上で、考えてみたいと思います。 この物語は一見してみる…

友情・努力・勝利? 漫画は人を狂わせる/大根仁『バクマン。』

バクマンは、かつて「デスノート」で一斉を風靡した、小畑健と大場つぐみのコンビによる漫画家漫画です。 絵を書くことが好きな少年が、頭のいい友人に誘われて、強引に漫画家を目指すことになり、二人が夢を叶えるまでを描いています。 2012年に原作が…

この世の果てで恋を歌う青年/ミスターノーバディ ジャコ・ヴァン・ドルマルの世界その3

「ミスターノーバディ」は、ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の最高傑作です。 2016年5月には、5年ぶりの新作「神様メールが」公開される予定ですので、ジャコ・ヴァン・ドルマル監督を予習する意味でも、「ミスターノーバディ」は是非見ておきたい一作で…

ディカプリオ アカデミー賞受賞作品/レヴェナント:蘇えりし者

「レヴェナント:蘇えりし者」は、レオナルド・ディカプリオが5度のノミネートを経てようやくアカデミー主演男優賞を受賞した記念すべき作品でです。 アメリカ西部開拓時代の実在の人物を演じ、実際の冬山で行われた過酷なロケは、その裏事情を知らなくても…

ネタバレあり。彼は飛べたのか。バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  

「レヴェナント:蘇りし者」も日本公開されようとしている中、二年連続でアカデミー賞をとるという快挙をなしとげたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。 そのイニャリトゥ監督の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」について、…

吸血鬼の住宅事情。吸血鬼の暮らし方/シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア

吸血鬼は、永遠に生きることはできる存在ではありますが、色々な制約があることでも有名です。 ・白木の杭で心臓を貫かれると死ぬ(人間でも死にます)。 ・にんにくが苦手 ・十字架が苦手 ・銀製品に弱い ・招かれないと家に入れない。 ・血を吸わなければ…

吸血鬼は語る。トム・クルーズとブラピ/インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

吸血鬼といえば、すっかり手垢がついた題材です。 人間の生き血を飲むことで、永遠に生きることが出来るバケモノ。 そのあまりに残酷で、残酷でありながら、永遠に生きる存在として、数々のドラマのもとになっていますが、これからもその題材は使われ続ける…

挫折を乗り越えろ!家族と戦うボクシング映画/ザ・ファイター  

マーク・ウォールバーグ主演「ザ・ファイター」は、実在したボクサーであるミッキー・ウォードの実話を元につくられた映画です。 多少の脚色や、時間を繋ぎ合わせた部分はありますが、人生そのものがまさに映画としか思えない劇的な物語となっています。 「…

ご近所トラブルコメディ/セス・ローゲン製作主演「ネイバーズ」  

ご近所トラブルというのは、どんな場所でも悩みの種です。 「ネイバーズ」は、アメリカでも発生しているご近所トラブルが描かれた、傑作コメディ映画です。 子供が生まれたばかりの若夫婦が、遊びたいのを堪えながら子育て、仕事と頑張っている中、お隣さん…

感想はカ・イ・カ・ン?/相米慎二「セーラー服と機関銃」  

セーラー服と機関銃といえば、薬師丸ひろ子が主演、相米慎二監督による映画を避けては通ることはできません。 誤解を恐れず言いますと、薬師丸ひろ子は決して、絶世の美人ではありません。 ですが、スクリーンの中では、時には母性に溢れ、時には何をしでか…

カイカンは二度ある/橋本環奈主演「セーラー服と機関銃-卒業-」

2016年3月5日から絶賛公開の映画「セーラー服と機関銃-卒業-」ですが、想像以上にお客の入りが悪いという話が続出していますが、角川映画40周年記念作品というだけあって、非常に力が入った作品でもあります。 公開真っ只中ではありますが、ネタバ…

動物愛は不滅。ムツゴロウさんの猫物語/畑正憲「子猫物語」

畑正憲氏こと、ムツゴロウさんは、フジテレビ系で放送されていた「ムツゴロウ王国とゆかいな仲間たち」でよく知られている人物です。 「よーし、よしよし」といって、小型犬から大型犬、子猫からライオンにいたるまで、様々な動物たちと交流している動物大好…

全ては神のてのひらで/コーエン兄弟「シリアスマン」

あまりに理不尽な出来事にあったとき、人は神の存在を疑わずにはいられません。 なぜ自分だけがこんな目に合うのか。 神様が存在するのであれば、なぜ戦争はなくならず、貧困はなくならないのか。 そんなことを考えなくても、世の中には無数の理不尽が転がっ…

怪獣は海からやってくる。/パシフィック・リム

巨大な怪獣と、巨大なロボットが町を壊しながらバトルする。 それだけで、少年の心をもった人はわくわくすることでしょう。 でかいもの同士が闘うという迫力と、怪獣に取り付かれてしまった人間の責任と苦悩を描いている映画。それこそが、映画「パシフィッ…

全てのものをぶち壊せ!/デパルマ版「キャリー(1976)」リメイク版「キャリー(2013)」

いじめられっこの女の子が、超能力パワーで嫌なやつらを抹殺する。 これだけ聞くと、実にふざけた話に聞こえますが、かのホラー作家の大家であるスティーブン・キングのデビュー作であり、巨匠ブライアン・デ・パルマ監督の名前が大きく世間で認知されること…

夫婦ゲンカが円満の秘訣/ミスターアンドミセス・スミス(Mr.&Mrs.Smith)  

ブラット・ピットとアンジェリーナ・ジョリーは、ハリウッドが誇るおしどり夫婦です。 その二人が出会い、そして、結婚するきっかけになった「ミスター&ミセス・スミス」が金曜ロードショーで放送されるということもあって、ちらっと紹介してみたいと思いま…

解釈しても藪の中?/黒澤明「羅生門」

果たして真実は何だったのか。 芥川龍之介による「藪の中」を原作にした澤明の傑作映画の一つ「羅生門」は、人間の業を見事に描いている作品です。 一人の男が殺され、現場にあったはずの高価な短刀が失われた。 その変えられない客観的な事実があるものの、…

コリン・ファースの言葉は世界を救う/英国王のスピーチ

コリン・ファースといえば、マシュー・ヴォーン監督「キングスマン」や、恋人が死んでしまったために自殺を考える同性愛者の大学教授を演じた「シングルマン」が有名です。 イギリス紳士たるコリン・ファース主演映画の中でも、見事アカデミー賞を受賞した「…

孤独と向き合う登山家、男ただ一人/ダニー・ボイル「127時間」

127時間もの間、岩に手を挟まれていた人物がいます。 キャニオンランズ国立公園という、アメリカに存在する冗談みたいに広い公園の中で、大岩に手を挟まれ、誰も助けに来ることもない。 その中で、見事に生還を果たした人物こそが、アーロン・リー・ラル…

ブギーマンが、ついてくる。/イットフォローズ(IT Follows)

2015年に公開され、わずか4館の上映ながら、あのクエンティン・タランティーノ監督からも絶賛され、「今までみたことがないホラー映画」という触れ込みの中、一気に人気を広げている映画があります。 「それ」をうつされた人間は、ゆっくり歩いてくる「…

スカイウォーカーを探せ!/スターウォーズ エピソード7「フォースの覚醒」

2016年も始まってしまいましたが、みなさん、スターウォーズエピソード7「フォースの覚醒」はご覧になりましたでしょうか。 ネタバレもちらほらでてきている昨今ではありますが、極力ネタバレはしないようにしながら、でも、見たときに考えてしまう違和…

通過儀礼のお手本映画/「アポカリプト」

イニシエーション(通過儀礼)と聞いてみなさんはどんなことを思い出すでしょうか。 通過儀礼は、世界でも古来から大人になるための儀式として存在しており、バンジージャンプなんかは、通過儀礼が娯楽としても認知されてしまった稀有な例といえます。 映画…

フラタニティ(差別)を壊すにはコメディで/アニマル・ハウス

映画評論家の町山智浩氏が影響を受けたコメディ作品の一つとしてあげられ、映画ライターであり悪魔崇拝主義者でもある高橋ヨシキ氏がよく紹介する映画の中に「アニマル・ハウス」があります。 「アニマル・ハウス」は、フラタニティ(友愛会)を舞台に、差別…

理不尽に立ち向かえ!/フォーリングダウン

世の中は、理不尽なことだらけです。 会社では意味なく怒鳴り散らされ、生活に必要なお金は日に日に高くなる。食べ物は添加物にまみれて、凶悪な事件は当たり前のように発生する。 個人レベルから国レベルまで、あらゆる出来事が起きる中で、人々の不平・不…

駄セーターからはじまる恋/ブリジット・ジョーンズの日記

ロマンティック・コメディとして絶大な人気を誇る「ブリジット・ジョーンズの日記」ですが、「ブリジット・ジョーンズの日記」の三作品目の撮影が10月から行われているそうです。 多くのファンがいるブリジットジョーンズの魅力と、近年流行つつある駄セー…

クリスマスの名作ホームコメディ映画/クリス・コロンバス「ホーム・アローン」

1990年に公開され、クリスマス映画の代表であり、金曜ロードショーなどでもしきりに再放送されるのが「ホーム・アローン」です。 実は2012年にはシリーズ完結編と称して、「ホーム・アローン5」までつくられている長寿作品でもあります。今回は、そ…

犯罪映画!貴方の隣の瀧とリリー/白石和彌監督 映画「凶悪」

実際の事件を元にした映画というものは、映画界に数多く存在します。 有名どころでいえば、緒形拳主演の「復讐するは我にあり」は、あまりに知られた作品ではないでしょうか。 西口彰事件をもとに作られた小説「復讐するは我にあり」の映画化であり、カトリ…

「古典名作入門 立場の異なる男たち/黒澤明「七人の侍」

世界のクロサワを代表する作品の一つといえば、「七人の侍」をあげない人はいないことでしょう。 3時間を20分にも及ぶ上映時間ながら、その長尺を感じさせないつくりは、何十年経っても古びることはありません。 そんな、歴史的傑作である「七人の侍」で…

悲しんだ後にみる映画 お葬式映画3選/おくりびと・お葬式・東京物語

photo by Hyougushi 「映画は人生の予行練習」という見方があります。 映像と音、ストーリーが渾然一体となって語られる中には、人間が体験するであろう様々なことがつくりだされ、また、決して体験できないであろうことも映画では語られます。 その中で、人…

デ・ニーロとショーン・ペンの共演/俺たちは天使じゃない

ロバート・デ・ニーロといえば、知らない人のほうが少ないぐらいの有名な俳優です。 そのロバート・デ・ニーロと、これまた名優であるショーン・ペンが共演した1989年の映画、「俺たちは天使じゃない」を紹介・解説してみたいと思います。 比較的短い映…

あなたも稲塚を食べている/NORINTEN 稲塚権次郎物語

稲塚権次郎という人物を知っている人はどれほどいるでしょうか。 知っている人は知っているけれど、知らない人は聞いたこともない。 稲塚権次郎氏は、米で言えばかつて高級な米の代名詞ともいわれた「コシヒカリ」のもと「水稲1号」をつくりだし、小麦にい…

銀河の歴史がまた一ページ/スターウォーズエピソード1 ファントムメナス

当ブログにおいて、エピソード7「フォースの覚醒」を前に、スターウォーズエピソード4について紹介しましたが、やはり、どれから見るかというのを改めて考えるためにも、エピソード1を紹介してまいります。 エピソード4は古い作品なので見劣りしてしまう…

エピソード4から観るか?徹底解説/スターウォーズエピソード4「新たなる希望」

スターウォーズエピソード7「フォースの覚醒」が12月18日に公開されるにあたり、今までのスターウォーズシリーズを予習がてらに振り返りたい、新作が公開されるにあたって、はじめてスターウォーズをみたいけれど、どれからみればわからないといった人…

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