シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

ぺぺろん

秀でた美しさでございます/パク・チャヌク「お嬢さん」

「オールドボーイ」などで有名なパク・チャヌク監督が誇るエロティック・サスペンス。 話題となっている「アガシ」こと「お嬢さん(hand maiden)」について、どのような映画なのか、ミステリー仕立てということもあって、面白さの一旦を伝えづらいところでは…

ジーン・ハックマンは容赦しない/フレンチ・コネクション

アカデミー賞を5部門も受賞し、アメリカンニューシネマを代表する作品の一つでもある「フレンチ・コネクション」。 1971年に公開された映画ということもあって、一体何がそんなに面白いのか。どうしても古い映画は、後発の映画に影響を与えてしまって、…

放課後を待ちながら/内田けんじ「アフタースクール」

内田けんじ監督といえば「鍵泥棒のメソッド」で日本アカデミー賞で最優秀脚本賞も受賞し、そのストーリーづくりに定評のある監督です。 パズルのようにくみ上げられたシナリオ術は、物語を書く人間は一度はみておいて損はないものとなっています。 見ている…

アカデミー賞を総なめか。感想&解説/ラ・ラ・ランド

ミュージカル映画でありながら、圧倒的な人気を誇る「ラ・ラ・ランド」 いきなり踊ったり歌ったりする映画というのは、なじみがある人と無い人とでは大きく印象が異なるものと思います。 英国アカデミー賞も受賞し、その後も次々と受賞していくであろう「ラ…

貴方は踏み絵を踏みますか?/沈黙ーサイレンスーマーティン・スコセッシ

マーティン・スコセッシ監督が、28年の歳月を経て完成させた大作。 遠藤周作がつくりあげた宗教と人間について語られた「沈黙」を、圧倒的なスケールで映画化した傑作です。 本作品は、江戸時代初期のおけるキリスト教の弾圧を受けながらも、信仰を続ける…

人間どこで頑張るのか/内田けんじ「鍵泥棒のメソッド」

邦画のオススメを紹介するブログなどの中でも、高確率で選ばれる作品の一つとしてあげられるのが、内田けんじ監督「鍵泥棒のメソッド」です。 鍵、泥棒、メソッド。 という、まとまりそうでなんだかよくわからなそうなタイトルに惹かれる人もいれば、なんと…

純愛・爆走。ライアン・ゴズリング主演「ドライブ」

「最もセクシーな男性」2位にも輝いた男でもあるライアン・ゴズリングですが、そのライアン・ゴズリングが主演を務め、寡黙なドライバーを演じた「ドライブ」について、非常に映画的である作品の見所について考えてみたいと思います。 ドライブというタイト…

連続ドラマも。園子温監督「愛のむきだし」感想&解説

園子温監督の数ある映画の中でも、傑作中の傑作の一つとされる映画が「愛のむきだし」です。 4時間近くに及ぶ長い作品に、さらに1時間を追加し、30分ごとのドラマにするという試みがJ:COMで独占放送されることもあり、改めて、「愛のむきだし」の、…

疑心暗鬼になった男の末路/黒澤明監督「蜘蛛巣城」

黒澤明映画の中でも評価の高い作品の一つに、「蜘蛛巣城」があります。 シェイクスピア「マクベス」をもとにして作られた作品であり、黒澤明による映像や、日本の戦国時代に置き換えた内容は、今見ても色あせることはありません。 「蜘蛛巣城」について、ど…

受験生は必見の映画。有村架純主演/映画「ビリギャル」

成績というのは、なかなかよくならないものです。あがるのも一朝一夕であれば、下がるのもまた一朝一夕です。 受験生にとっては、どうやって受験へのモチベーションを保つかというのが重要なところですし、受験生がいる親からしても、その姿勢というのは非常…

息も、できない。/映画「ドント・ブリーズ」

低予算ながら、その設定によって圧倒的な人気を誇ったホラー・サスペンス映画「ドント・ブリーズ」について、サム・ライミ製作という意味、老人の意味を、ネタバレも含みながら、語ってみたいと思います。 デトロイトが舞台 「ドント・ブリーズ」の舞台は、…

サントリー胡麻麦茶でもCM。三船敏郎と加山雄三出演/赤ひげ

黒澤明監督が誇る有名な作品の一つに「赤ひげ」があります。 黒澤明監督の白黒映画最後の作品であり、医療を通じて、その当時の人間模様を描き、同時に、現代の我々にとっても色あせることのない金言が含まれた作品です。 サントリーの胡麻麦茶でも、三船敏…

2016年映画10本 シネマトブログ振り返り

2016年も当シネマトブログでは、新旧問わずに色々な映画を紹介してまいりましたが、本ブログで今年公開され、本ブログでも掲載した映画を改めて紹介していきたいと思います。

ジャコ・ヴァン・ドルマルの世界 その4/神様メール

寡作な映画監督であり、公開されるたびに良作を放ち続けてきたジャコ・ヴァン・ドルマル監督の4作品目の映画が「神様メール」です。 ジャコ・ヴァン・ドルマル監督は、独自の世界観が特徴となっており、その世界観の中で作品がつくりだされてきましたが、今…

死霊のはらわたは必見。実はコメディ「キャビン イン ザ ウッズ」  

ホラー映画が好きな人は、大体わかってしまうことがあります。 男にこびていくような女性は、すぐに死ぬ。 危機感ばかりを唱えるやつや、頭のおかしいやつは、あっという間に死ぬ。 最後には、心や身体が清らかな人が生き残る、というのが定番です。 ホラー…

この世界の片隅に、を見たあとに/マイマイ新子と千年の魔法

圧倒的なクオリティと、積み上げてきた時代考証によって、日本アニメ映画の歴史に壮絶な存在感を示した「この世界の片隅に」。 その監督である片淵須直氏の前作品である「マイマイ新子と千年の魔法」について、「この世界の片隅に」と関連性を考えながら、な…

この世界の片隅に。ネタバレ必須の感想&解説。原作と映画の違いも含めて。  

片淵須直「この世界の片隅に」は、こうの史代氏の漫画が原作の映画です。 各所で話題になっている本作品ですが、その圧倒的なまでに作りこまれた世界。アニメ映画ならではの表現。伝わってくる感情の分厚さ。いずれをとっても、とんでもない作品です。 「ア…

物語の意味は。/クラウドアトラス ウォシャウスキー姉弟

映画「マトリックス」シリーズで大ヒットを記録し、一躍有名監督になったウォシャウスキー兄弟ですが、そのウォシャウスキー兄弟が映像化不可能といわれていた作品を映画化した「クラウドアトラス」について、考えてみたいと思います。 「マトリックス」をつ…

誘拐映画。娘のためなら父は/リーアム・ニーソン主演「96時間」  

シリーズ3作目まで作られ、リュック・ベッソンが脚本し、リーアム・ニーソンが主演を務め、娘のために悪いやつらをガンガン処分していく男の物語、「96時間」について考えてみたいと思います。 本記事では、シリーズ2、3作品目では薄らいでしまった、1作目…

「終わらない人 宮崎駿 NHKスペシャル」を見て/感想  

宮崎駿監督が「風たちぬ」を公開し、その後引退宣言をしてから3年が過ぎました。 「もののけ姫」の時から、監督引退宣言を何度もした監督ではありましたが、そうはいっても今度こそ本当に引退してしまったのではないか、という思いを持っていたのが実際のと…

生きている実感がない/アメリカン・サイコ

クリスチャン・ベールが主演し、アメリカ人だけではなく、全ての人間がもちうる問題を浮き彫りにした作品、「アメリカン・サイコ」について、解説してみたいと思います。 名刺バトル さて、この映画は冒頭から問題を見せ付けてきます。 高級そうなレストラン…

正しいアメ車の譲り方/クリント・イーストウッド「グラン・トリノ」

クリント・イーストウッド監督といえば、俳優としても監督しても抜群の存在感と才能を発揮する人物です。 そのクリント・イーストウッドの最高傑作と呼び声の高い「グラン・トリノ」について、その魅力を語ってみたいと思います。 頑固ジジィ 物語は奥さんの…

娘が誘拐されたとき、どうするべきか/プリズナーズ

人は何かによって囚われているものです。 道徳や倫理、国家や宗教。世間など、あらゆる物事は自分たちを囚われの身にしてしまうのです。 ジェイク・ギレンホールとヒュー・ジャックマンが主演する作品にして、同年に「複製された男」も公開したドゥニ・ヴィ…

ブラック企業勤めの心理状況がわかる。映画「セッション」

人は誰でも心が弱ってしまうときがあるものです。自分自身の決断に迷い、後悔するときもあります。 しかし、そんな時でも、人間は進まなければいけませんが、周りが見えなくなってしまい最悪のことを行ってしまう場合もあるのが現実です。 さて、人間という…

私の敵は、私です。/ジェイク・ギレンホール主演「複製された男」

「脳力が試される究極の心理ミステリー」と称された本作品は、一見すると難解にみえる作品ですが、ある程度のキーワードを抑えておくことで、非常に身近で、バカな男の性がわかる作品としてみることができる作品となっています。 ネタバレはあっさりめにして…

スタンフォード監獄実験は、何を語るのか/ES(エス) エクスペリメント

普通の人たちが、理由もなく囚人と監視人にわかれたとき、人はどのような行動をとるようになるのか。 人間の狂気と心理に迫る映画こそが、2001年につくられた「エス」であり、2010年に公開された「エクスペリメント」なのです。 エクスペリメントの…

問題行動を起こすのは何が悪い? ネタバレあり/エスター   

「この娘、どこかが変だ」のキャッチフレーズでお馴染み、「エスター」は、衝撃的なラストと呼ばれる後半もあって、話題作の一つでありました。 この映画は、事前情報なしでキャッチフレーズや画像だけみると、霊能力とかをもった少女の話になるかと思ってし…

潰れた魂に義足は付かない。アル・パチーノ主演/セントオブウーマン 夢の香り  

「セントオブウーマン 夢の香り」は、名優アル・パチーノがアカデミー主演男優賞を獲得した作品です。 劇中で、瞬きをほぼしないという演技もさることながら、メソッド演技法を駆使した徹底した役作りによる迫力は、見るものを圧倒します。 名作と呼ぶに相応…

シン・ゴジラのあとには岡本喜八を。ブルークリスマス

庵野秀明監督が多大なる影響を受けたという岡本喜八。 当ブログでも、「日本のいちばん長い日」を取り上げましたが、特にエヴァンゲリオンの使徒の血が青いという点でも、リスペクトを捧げている「ブルー・クリスマス blood type:blue」も解説してみたいと思…

「君の名は。」感想&解説/新海誠

新海誠といえば、「ほしのこえ」で鮮烈なデビューを飾り、美しい映像・アニメーションを駆使して少年と少女のセカイを描く監督です。 爆発的なヒットをしている「君の名は。」をより理解することができるように、新海誠の特徴や、作品の解説・感想を語ってみ…

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