シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

ぺぺろん

音楽とカーチェイス。感想/ベイビードライバー エドガー・ライト監督

ゾンビが大発生したイギリスでダメ男たちが、ショッピングモールの代わりに選んだのはパブだった「ショーン・オブ・ザ・デッド」。 巨大な犯罪に立ち向かっていた刑事が、イギリスの田舎に行ったら大変なことになる「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン…

AIの楽園追放。AIは人類を滅ぼすのか/エクス・マキナ  

昨今、ディープラーニングによる機械技術の急速な発展が進んでいます。 将棋ソフトの飛躍的な能力向上にも貢献するなど、様々な分野での活用が期待されており、中でもAI(人工知能)については、かなりの期待ができるところです。 一方で、機械の発達は人…

アメリカ大統領は替え玉か/デーヴ

影響力という点においては、アメリカ大統領ほど影響力の強い人もいないのではないでしょうか。 アメリカ映画において、大統領を主役にした映画は数多くありますが、その中でも、大統領の影武者が主人公というコメディ映画は一風変わったものでもあります。 …

女の友情は真実か/ピッチ・パーフェクト

笑いあり涙ありのエンターテインメント性を重視した音楽映画「ピッチ・パーフェクト」。 音楽が重要な映画には違いありませんが、音楽のノリを楽しみつつ、一人の女の子が孤独な状態から、仲間を思える人間に成長していくビルディングスロマンとしても見るこ…

サム・シェパードよ永遠に。正しい資質とは/ライトスタッフ

数多くのファンに愛されながら、3時間を越える大作ということもあって、見られる機会も少なくなりがちな作品の一つに「ライトスタッフ」があります。 これは、人類を月に向かわせるためのマーキュリー計画(MISS、Man In Space Soonest、 人間をできる限り…

どちらから見るか。/クリント・イーストウッド「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」

クリント・イーストウッド監督が硫黄島プロジェクトと称して作成した2部作品。 「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」について、主に父親たちの星条旗をメインにしながら、どのような物語かを解説していきたいと思います。 突然、英雄になってしまっ…

ミニオンはついていく/怪盗グルーの月泥棒

「怪盗グルーの月泥棒」は、ユニバーサル・ピクチャーズ初の配給となる3Dアニメ作品です。 何はなくとも注目されるのは、主人公である怪盗グルーよりも、黄色くて愛らしいキャラクターであるミニオン達ではないでしょうか。 映画館のCM中にも時々出演し…

オタクが妄想する理想の恋愛/「トゥルー・ロマンス」  

トム・クルーズが主演し、ミュージックビデオを思わせる音楽の使い方とレイバンのサングラスやMA-1などで注目を浴びた「トップガン」、その監督を務めたトニー・スコット監督による、オタクのための理想の恋愛を描いた作品が「トゥルー・ロマンス」です…

マエダ・エスカープメント/メル・ギブソン監督「ハクソーリッジ」

本作品は、「アポカリプト」以来となるメル・ギブソン監督作品となっています。 メル・ギブソンといえば、オーストラリア映画を一気に広めたジョージ・ミラー監督による「マッドマックス」に主演し、映画監督としても数々の作品をつくりだしてきた人物です。…

恋をしたほうが負け/キューブリック版「ロリータ」

スタンリー・キューブリック監督といえば、神という存在を示した「2001年宇宙の旅」や、夫婦円満の秘訣を描いた遺作「アイズ・ワイド・シャット」、ジャック・ニコルソン主演「シャイニング」から「フルメタル・ジャケット」など、あらゆるジャンルにお…

ライプスタッフ。老人だって宇宙を目指す/スペースカウボーイ

クリント・イーストウッド監督は、「ダーティー・ハリー」シリーズなどにおいて俳優として有名ですが、ハリウッドの中でも数少ないA級監督の一人でもあります。 映画を見終えた後にも余韻が残るのが特徴の一つであり、映画を見終えたあとで考え直すことがで…

アン・ハサウェイの代表作/プラダを着た悪魔 感想&解説

ファッション系のおしゃれ映画なのかと思ってしまう題名「プラダを着た悪魔」ですが、この作品は、社会を知らない若者が、ものすごい理不尽に触れながら、仕事を通して成長していく仕事映画といっていい作品となっております。 アン・ハサウェイという類まれ…

家族はお互いが異星人/映画 美しい星/感想

吉田大八監督による三島由紀夫原作「美しい星」。 主演を務めるのは、「おでんくん」や「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン」で有名であり、俳優としても実力を発揮するリリー・フランキーです。 現代に蘇った三島由紀夫の作品がどのように展開され…

サピア=フォーフの仮説で思考は変わる/映画「メッセージ」感想&解説

テッド・チャンの名作「あなたの人生の物語」を映画化した「メッセージ(Arrival)」について、俗にファースト・コンタクトものと呼ばれる本作品の圧倒的な魅力と、原作のよさを生かしながらも映画的に優れた作品に仕上げた部分について、解説してみたいと思…

過去も含めて愛さなきゃ殺す/ヒストリー・オブ・バイオレンス

瞬間移動の装置の中にハエがいたために、ハエと同化してしまった男の悲劇を描く「ザ・フライ」や、ロシアマフィアによる人身売買の現実について知ってしまった女性が巻き込まる「イースタン・プロミス」などで有名な、デヴィット・クローネンバーグ監督。 そ…

誰かの幸福は誰かの不幸/クリント・イーストウッド「トゥルー・クライム」  

クリント・イーストウッド監督といえば、俳優では「ダーティ・ハリー」「マディソン群の橋」、監督では「許されざるもの」や「グラン・トリノ」といった素晴らしい作品に出演・撮影している大物中の大物です。 そのクリント・イーストウッド作品の中でも、す…

マイルを貯める人生/マイレージ・マイライフ

ジョージ・クルーニーが主演。ゴールデングローブ賞脚本賞を受賞。圧倒的な脚本の力とテンポのいい編集によって一気に引き込まれる作品「マイレージ・マイライフ」。 あらすじなどでは、年間322日も出張し、リストラを言い渡す「宣告人」をやっている主人…

人生はクイズだ! /ダニー・ボイル「スラムドック・ミリオネア」

「スラムドック$ミリオネア」といえば、岩を手に挟まれたことで遭難してしまった孤独な男を描いた「127時間」や、スコットランドの若者がドラックにおぼれながら前に進もうとする姿を描く「トレインスポッティング」などで有名な監督である、ダニー・ボ…

安藤サクラがボクシング/「100円の恋」解説

何もしたいことがない。何かに流されて生きている。一生懸命になったことがない。 人というのは、自分がどうしたらいいのかわからないまま年月を重ねてしまうものです。 安藤サクラが主演した「100円の恋」は、そんなどうしようもないところまで落ちてし…

ロビン・ウィリアムズの代表作/ミセス・ダウト

ロビン・ウィリアムズといえは、若くして亡くなってしまいましたが、その俳優としての存在感や、演技力についてはずば抜けたものがある個性派俳優です。 「ガープの世界」「今を生きる」「フィッシャーキング」など、名だたる名作に出演した彼ですが、とりわ…

パソコンの父は暗号解読者?/イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

チューリングテストといえば、機械が知能をもっているかどうかを判定するテストとして有名なテストです。 また、チューリングマシンといえば、現在におけるパソコンの基本的な考えをつくりあげたものであり、我々が生活する中で切り離せないコンピュータの基…

麻薬中毒から更正するために/トレインスポッティング

ダニー・ボイル監督の代表作の一つであり、ユアン・マクレガーが主演した「トレインスポッティング」は、ドラックをやっている人間からすると非常に身近なものに感じられるそうです。 そのドラックにはまった人間の心境がよくわかってしまう作品であり、人間…

ロリータの深田恭子/中島哲也「下妻物語」

深田恭子と土屋アンナが主演し、ロリータとヤンキーという日本の特殊なカルチャーを背負ったキャラクターが活躍する作品「下妻物語」は、中島哲也監督によるコミカルな編集と演出によって人気を博しました。 中島哲也監督のある意味出世作となっている作品で…

かわいい松子は3度死ぬ/中島哲也「嫌われ松子の一生」

「嫌われ松子の一生」といえば、原作がベストセラーになり、中島哲也監督が映画化した作品です。 本ブログでは、映画の「嫌われ松子の一生」について、その見所を含めながら考えていきたいと思います。 松子は嫌われ者なのか。 物語は、川尻笙(かわじり し…

復讐の鬼/パク・チャヌク監督「オールドボーイ」

日本の漫画を原作として、それを韓国を舞台に再構成した映画「オールドボーイ」について、語ってみたいと思います。 復讐の物語 主人公は15年間監禁された後、いきなり解放されます。 わけもわからない主人公オ・デスは、殺人事件の犯人にさせられたあげく…

秀でた美しさでございます/パク・チャヌク「お嬢さん」

「オールドボーイ」などで有名なパク・チャヌク監督が誇るエロティック・サスペンス。 話題となっている「アガシ」こと「お嬢さん(hand maiden)」について、どのような映画なのか、ミステリー仕立てということもあって、面白さの一旦を伝えづらいところでは…

ジーン・ハックマンは容赦しない/フレンチ・コネクション

アカデミー賞を5部門も受賞し、アメリカンニューシネマを代表する作品の一つでもある「フレンチ・コネクション」。 1971年に公開された映画ということもあって、一体何がそんなに面白いのか。どうしても古い映画は、後発の映画に影響を与えてしまって、…

放課後を待ちながら/内田けんじ「アフタースクール」

内田けんじ監督といえば「鍵泥棒のメソッド」で日本アカデミー賞で最優秀脚本賞も受賞し、そのストーリーづくりに定評のある監督です。 パズルのようにくみ上げられたシナリオ術は、物語を書く人間は一度はみておいて損はないものとなっています。 見ている…

アカデミー賞を総なめか。感想&解説/ラ・ラ・ランド

ミュージカル映画でありながら、圧倒的な人気を誇る「ラ・ラ・ランド」 いきなり踊ったり歌ったりする映画というのは、なじみがある人と無い人とでは大きく印象が異なるものと思います。 英国アカデミー賞も受賞し、その後も次々と受賞していくであろう「ラ…

貴方は踏み絵を踏みますか?/沈黙ーサイレンスーマーティン・スコセッシ

マーティン・スコセッシ監督が、28年の歳月を経て完成させた大作。 遠藤周作がつくりあげた宗教と人間について語られた「沈黙」を、圧倒的なスケールで映画化した傑作です。 本作品は、江戸時代初期のおけるキリスト教の弾圧を受けながらも、信仰を続ける…

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