シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

ぺぺろん

これぞ青春。森田芳光監督「の・ようなもの」

森田監督といえば映画「失楽園」で一世を風靡する一方で、江國香織原作小説「間宮兄弟」のほのぼのコメディものまで手掛ける、幅広い才能で活躍したか人物です。 今回は、森田監督の長編映画デビュー作である「の・ようなもの」について、その面白さを語って…

少年はお姉さんを仰ぎ見る。感想解説考察。映画版「ペンギン・ハイウェイ」

「ペンギン・ハイウェイ」といえば、大学時代にああしていればこうしていれば、というもしもを何度も繰り返しながら後悔を重ねる主人公を描いた「四畳半神話大系」や山本周五郎賞を受賞した「夜は短し歩けよ乙女」といった作品をだしている森身登美彦の作品…

死を前にして何をするのか。映画「ラッキー」感想&解説

映画「ラッキー」は、普通に見ている分には非常に地味な映画です。 老人の日常生活をひたすらに見せ続け、ふいに永遠に続くかと思われていた自分の生活に死がちらついたとき、その老人が何を思うのかといったところをみせる作品になっています。 ただ、その…

人の数だけ真実がある。感想&解説「アイトーニャ 史上最大のスキャンダル」

オリンピック選手でありながら、ライバルである人物を襲わせたということで世界的な大スキャンダルに発展した「ナンシー・ケリガン襲撃事件」。 「アイトーニャ 史上最大のスキャンダル」が、はからずもそんな事件の中心人物となってしまった、トーニャ・ハ…

2019年日本公開映画5本振り返り。 シネマトブログ記事特集

今年も、2019年に日本公開されてシネマトブログで紹介した映画について、振り返りつつ紹介していきたいと思います。

一つ目作品も押さえるべし。映画「ジュマンジ」感想&解説

映画「ジュマンジ」といえば、いまやロック様を筆頭に活躍する作品のように思われる方もいるかもしれませんが、かつては、ロードショーなどでもたびたび放映され、その教育的でありながら心温まるエピソードにお茶の間が癒されたものでした。 1995年に日…

アメリカンドリーム。マクドナルド創始者物語「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」

マクドナルドを食べたことのない人は、ほとんどいないのではないでしょうか。 世界各国に存在し、且つ、そのハンバーガーの基本構成はどの国でも同じであることから、経済の指標としてビックマック指数なんてものがあるぐらい、マクドナルドは世界的に店舗を…

金曜ロードショー。感想&解説。映画「ホームアローン3」

ホームアローンといえば、クリスマス映画の代名詞といっても過言ではないのではないでしょうか。 金曜ロードショーでは、声優も変わったりしつつですが、そもそも、ホームアローン3については、1と2を見る必要があるのか、ということも含めて解説&感想を…

ストーカー映画の先駆け「恐怖のメロディ」感想

クリント・イーストウッドといえば、「ダーティハリー」シリーズの俳優として記憶している人が多いと思いますが、毎年のように映画をつくっている、非常に才能あふれる人物でもあります。 多作なイーストウッド監督の記念すべき第一作品目が「恐怖のメロディ…

関係性があって人は人になる。「仕立て屋の恋」

今回は、フランス映画である「仕立て屋の恋」について語ってみたいと思います。 近所の人から嫌われている仕立て屋の男イール。 彼の趣味は、向かいのビルに住んでいる女性アリスの姿を盗み見ること。 これだけ聞くと、ああ犯罪者の映画なのね、と思ってしま…

キッチュ路線に逆戻り? 「ダークナイト ライジング」

傑作と名高いダークナイト。 また、ダークナイトほどではないにしても、神話的な物語としてバットマンの誕生と苦悩を描いた物語として評価の高い「バットマン ビギンズ」。 そして、クリストファー・ノーラン監督によるバットマンシリーズ3部作の最終作にあ…

リメイクを見る前にオリジナルを。「最高の人生の過ごし方」

日本版としてリメイクが公開された「最高の人生の過ごし方」ですが、2007年に公開された本作について、どのような話なのかということを解説してみたいと思います。 モーガン・フリーマンはアカデミー賞の助演を受賞し、ジャック・ニコルソンに至っては主…

「ジョーカー」とは違うジョーカー。「バットマン ダークナイト」

バットマンシリーズは何度かつくられておりますが、傑作と名高い作品といえば、クリストファー・ノーラン監督「バットマン ダークナイト」をはずすことはできないでしょう。 ジョーカーは作中の中でも、バットマン最大の敵でありライバルのような存在となっ…

ジョーカー予習。ヒーロー誕生秘話。感想&解説 「バットマンビギンズ」

映画「ジョーカー」が人気という中で、「バットマンシリーズ」見たことない方々を対象に、クリストファー・ノーラン監督によるバットマン3部作について解説してみたいと思います。 映画「ジョーカー」そのものは、バットマンというヒーローが不在の世界で、…

ネタバレ多少あり。感想&解説「ジョーカー」

映画というのはいつの時代も世の中を反映する作品が話題になるものです。 今回紹介する映画「ジョーカー」は、病気を患っていて、身体の調子もよくない母親と暮らしている男が、いかにして、バットマンシリーズで有名な悪役ジョーカーへと生まれ変わったかを…

感想&解説。深作欣二監督「蒲田行進曲」

深作欣二監督といえば、仁義なき戦いシリーズや、バトルロワイヤルといったイメージが強いかと思いますが、当時の日本アカデミー賞などを総なめにした偉大なる作品として「蒲田行進曲」があります。 エンターテインメント性と、男の身勝手さ、女性がいかにふ…

感想&解説。深作欣二監督「火宅の人」

誰しもみんな煩悩にまみれて遊んでいたい、という欲求を抱えてしまうのではないでしょうか。 今回とりあげるのは深作欣二監督「火宅の人」です。 火宅とはどういう状況なのか。 小説家の男と、その周りの女性たちを描く傑作映画となっておりますので、見てな…

良作映画を紹介。ある女性作家の罪と罰

面白い作品ではあるものの、宣伝が悪いのか、なんとなくイメージで敬遠されてしまうのかはわかりませんが、世の中には、思ったほどみられていない良作映画というものはあるものです。 今回の記事で紹介するのは「ある女流作家の罪と罰」です。 罪と罰という…

生き残ることができるのか。映画「生きてこそ」

過酷な状況の中で生き抜くということを取り扱った映画というのは枚挙にいとまがありませんが、映画「生きてこそ」では、実際にあった飛行機事故に基づいて作られた過酷な現実を描いた作品となっています。 遺書を書いた人間は全員死んでしまった、というその…

記憶にもてあそばれた男の悲劇。映画「手紙は憶えている」

記憶にまつわる映画というのは数多くありますが、本作品は、認知症の老人が主人公という珍しいものになっています。 その中でも、友人と協力して、認知症でたびたび自分がどこにいるかもわからなくなる主人公が、ナチの残党を見つけ出そうとする本作品は特に…

ネタバレ前にみる映画。感想&解説「バービー」

「バービー」は、人形のバービーもでてきますが、タイトルとは全然違う物語です。 ネタバレをしてしまうと、先入観をもって見ることになってしまいます。 もし、まだご覧になっていないのであれば、ぜひ視聴後に本記事をご覧いただきたいと思います。予告編…

類似映画も紹介。殺人者の記憶法。新しい記憶も。

アルツハイマーににして、元連続殺人鬼という経歴をもつ主人公が、愛する娘のために、若い連続殺人鬼と対決する「殺人者の記憶法」。 この一文だけでも、設定に驚いてしまうところだと思いますが、特殊な設定をいかしながら描かれる本作品について、類似する…

空っぽの人間がいる場所。是枝裕和監督「空気人形」

是枝監督といえば、「万引き家族」によって、法の外側でしか生きることのできない疑似的な家族のつながりを描き、「そして父になる」では、血のつながらない親子でも、本当の親子になれるのか、という現実を赤子の取り違え事件をもとに作り上げています。 そ…

世界は狂っていていい。ネタバレ感想。こうやって見た「天気の子」

新海誠監督は、「君の名は」で圧倒的な知名度と人気を得ました。 その新海監督による最新作「天気の子」は、物語的にかなり驚くことをやっています。 普段映画を見慣れない人もいると思いますが、本作品が、どんな特殊さがあるのか、シネマトブログ運営がど…

男子に辛く。男はバカな生き物。青い体験

青春というのは人それぞれですが、誰しもが最近の日本映画のように、イケメンと美女と学校生活、という青春ではないでしょう。 「青い体験」は、主人公は中学生くらいの男の子になっています。 母親が死んだのと同時にやってきた、美人な家政婦さんによって…

感想。ロックンロールなオペラ座の怪人。ブライアン・デ・パルマ「ファントムオブパラダイス」

ブライアン・デ・パルマといえば、職人気質な映画作家として「アンタッチャブル」といったマフィア映画から、ホラー映画の傑作「キャリー」。ボディダブル、殺しのドレス、ともう、枚挙にいとまがないほどの名作を作り出してきた映画監督です。 とはいえ、こ…

オタクは環境を選ばない。ブリグズリーベア

いわゆる監禁ものの映画というのは、重たい雰囲気のものが多いです。監禁によって生まれたトラウマをどう解消していくべきか、と悩んでみたり、脱出そのものに重きを置いたり、はたまた、犯人とのストックホルム症候群を考えるものもあります。 「ブリグズリ…

15分間の悲劇。感想。クライングフリーセックス

世の中には、いろいろな映画が存在するわけですが、「クライングフリーセックス」は、15分という短編映画ながら、映画館で上映までされた、というかなり異色の作品となっています。 15分という短い作品ではありますが、続編が制作される(ただし、本当に…

死は孤独なのか。幸せのひとりぼっち

スウェーデンの映画の中で、歴代3位の売り上げになったという「幸せの独りぼっち」。 59歳にして妻に先立たれ、会社をクビになったおじいさんが自殺をしようとするものの、なかなかうまくいかないというコメディタッチであり、人間がどう生きるべきかを考…

重ねたSFを読み解け。感想&解説 映画「ミッション:8ミニッツ」

いわゆるループものとされる作品は、映画表現のみならず、数多くの作品で使われるモチーフです。 代表的なものでいえば、ビル・マーレイが主演する「恋はデジャ・ブ」なんかは、嫌みな主人公が気が遠くなるほど同じ1日を繰り返すことによって、やがて、人間…

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