シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

家を建てるときに、貴方は誰に相談しますか/三谷幸喜「みんなのいえ」

みんなのいえ

 
マイホーム。
その言葉は、かつての日本にとって、いや、今にいたっても特別な響きであることは変わりないのではないでしょうか。


一生を賃貸住宅で過ごすという選択肢もありますが、建売ではなく、設計段階から関わったマイホームとなれば、感動もまた一押しでしょう。


さて、コメディの名手である三谷幸喜監督がつくる「みんなのいえ」では、そんな家づくりをテーマに、色々な思惑が錯綜することで発生するエンターテインメントを知りつつ、自分がマイホームを手に入れようとする人にとっても、参考になる映画となっていますので、楽しみかたを含めて紹介してみたいと思います。

続きを読む

園子温の描くエロの先/アンチポルノ

ANTIPORNO [DVD]

 

園子温監督といえば、「冷たい熱帯魚」や「恋の罪」といった実際の事件をもとにした映画を製作したり、「ヒミズ」や「希望の国」といった社会に沿った作品もつくるなど、幅広い活躍をしている人物です。


若い頃から、東京ガガガといったパフォーマンス集団を率いてみたりと、その活動の幅は広い人物ですが、その園子温監督の一つの特徴といえば、エロとグロです。


とことんまで噴出す血しぶき、まろびでる女性の胸。


そんな園子温監督が、日活ロマンポルノ45周年を記念してつくった、反ポルノ映画「アンチポルノ」について紹介してみたいと思います。

続きを読む

戦場は男の世界/ローン・サバイバー

ローン・サバイバー(字幕版)

 

戦争は常に悲劇を生むものですが、その中で戦っている人たちがいることもまた事実です。


マーク・ウォールバーグ主演「ローン・サバイバー」は、アフガニスタン紛争におけるアメリカのタリバン政権への軍事行動であるレッド・ウィング作戦を取り扱った作品となっています。


この作品は、たしかに軍事的な作戦を取り扱った内容ではありますが、物語の前半は、男たちの世界についてかたられたものとなっており、後半については、怒涛の戦闘シーンとなっています。


本記事においては、そのあたりに見所を含めて感想&解説を述べてみたいと思います。

続きを読む

ブラック企業でも人間性を取り戻せ/サウルの息子  

 

 サウルの息子(字幕版)

サウルの息子は、第二次世界大戦下のアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所を舞台にした物語です。

ユダヤ人の虐殺を取り扱った映画は数多くありますが、「サウルの息子」は、今までの作品と一線を画する作品となっています。


その違いを含めて、最後に主人公がどのようになっていったのかを考えてみたいと思います。

続きを読む

映画みたいな人生を送る。「バリー・シール」感想&解説

バリー・シール/アメリカをはめた男(字幕版)

 

能力もあってお金もあって、将来性も約束されていて、愛すべき家族がいる。
誰もが羨む人生が確定していたとしても、人というのはそのとおりに生きられないものです。

トム・クルーズ主演である「バリー・シール」は、そんな絵に描いたような人生を生きられるはずが、結果として、映画のような人生を送ることになった男を描いた作品です。


実話をもとにつくられておりますので、こんなことが実際にあったのだ、と思いながらみるとまた違った面白さを感じられる映画となっていますので、見所を含めて感想を述べてみたいと思います。

続きを読む

自分探しのやりかた。感想解説。スカーレット・ヨハンソン主演「私がクマにキレた理由

私がクマにキレた理由(わけ)(字幕版)

 

自分自身というのは案外よくわからないものです。

また、他人から指摘されてはじめてわかったりすることもあり、自分が本当にやりたいこと、というのは案外わからないものだったりします。


さて、「私がクマにキレた理由」は、スカーレット・ヨハンソンが主演の、ナニー(乳母)を通じて、自分自身に気づく物語となっています。

簡潔で分かりやすい内容でありながら、教育的な内容となっておりますので、解説をしつつ感想を述べて見たいとおもいます。

続きを読む

日本の異常気象は大丈夫か。映画「日本沈没」1973年版

日本沈没

 

日本は今、異常気象の真っ只中です。

異常気象も毎年続けば、それもまた正常といえる恐ろしさ。

突然ですが、人間のちっぽけさを知ることになると同時に、人間はどう生きるべきかを教えてくれる作品こそが、小松左京原作「日本沈没」です。

もしも、日本が沈没してしまうとしたら、人々はどんな行動をするのか。

感想&解説をしてみたいと思います。

続きを読む
スポンサードリンク