シネマトブログ

映画の評論・感想を紹介するサークル「ブヴァールとペキュシェ」によるブログです。不定期ですが必ず20:00に更新します

お前のミルクシェイキを飲みつくす!感想&解説/ゼアウィルビーブラッド

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド (字幕版)

 

 ポール・トーマス・アンダーソン監督(以下PTA監督)といえば、映画界の中でも才能に溢れた人物として、有名な人物です。


アメリカのポルノ業界の隆盛と、その中で翻弄される主人公を描いた「ブギーナイツ」を監督したことで一躍有名になり、トム・クルーズ演じる性の伝道士やその他の人々の理不尽な世界を描く「マグノリア」といった作品によって、実績と才能を確固とした人物です。


そんな、PTA監督のアカデミー賞なども受賞した作品「ゼアウィルビーブラッド」について、その見所や主人公の思いに迫ってみたいと思います。

 

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二階堂ふみの赤裸々演技。感想&解説 映画「私の男」

私の男

 

「私の男」は、直木賞を受賞した桜庭一樹の作品を映画化したものです。

主に北海道を舞台に、閉鎖的な親子の関係を描いており、内容の過激さも含めて好き嫌いがはっきりする作品とは思いますが、見所を含めて感想や解説をしてみたいと思います。

 

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人間は変わることができる。黒人差別/大統領の執事の涙

大統領の執事の涙 (字幕版)

 

 人間の価値観は変化していきます。

かつては良しとされていたものも、時代を経るにつれて悪いものにかわっていったりするものです。また、その逆もあります。

人類の歴史の中でも、奴隷文化や差別の歴史というものは今の我々にとってすれば、常識外のことであっても、当時の人たちであればあたりまえのことだったりします。


さて、ロビン・ウィリアムズの最後の出演作としても知られつつ、作品の内容としても非常に素晴らしい「大統領の執事の涙」について、語ってみたいと思います。

 

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高畑勲監督遺作「かぐや姫の物語」

かぐや姫の物語 [DVD]

 

ホーホケキョ となりの山田くん」から14年。高畑勲監督による「かぐや姫の物語」は、興行的にふるうものではありませんでしたが、一度は見ておく映画としてオススメしたいと思います。

 

また、数々の良作を作り、多くのクリエイターの影響を与えた高畑勲監督の最後の作品となっています。


竹取物語は授業でならったし、今更みるようなこともない、という人も多いかと思いますが、今だからこそ見えてくるものがあります。

かぐや姫が犯した罪と罰

かぐや姫の葛藤も含めて、考えてみたいと思います。

 

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ネタバレ解説。人は見かけじゃない/スリービルボード

スリー・ビルボード

 

 3枚の看板を田舎の道沿いに立てる。そこから波及する影響をもとに、人々の心のありようが浮き彫りにされる「スリービルボード」。


わかりやすいアクションがあるわけでも、心が熱くなるような恋愛劇があるわけでもない本作品ですが、看板に表裏があるように、人間の色々な側面をみることができる本作品について解説していきたいと思います。


大きなネタバレはしませんが、適度なネタバレをいれつつ作品を見ていきたいと思います。

 

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君の名は。好きな人は前作も。解説&感想「言の葉の庭」

言の葉の庭

 
社会現象ともいえる人気となり、日本アニメ会にとって大きな影響を与えた新海誠監督「君の名は。」ですが、その前作にあたる「言の葉の庭」も、ファンであれば抑えておきたいところです。


言の葉の庭」は46分という、かなり上映時間の短い作品となっており、さくっと新海誠作品をみたい、という人にはオススメの作品となっています。


君の名は。」の流れから見る人も、すっきり入れるように解説しつつ、語ってみたいと思います。

 

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主体性がない人は損をする。岩井俊二「リップヴァンウィンクルの花嫁」

リップヴァンウィンクルの花嫁【劇場版】

岩井俊二監督といえば、蒼井優出世作となった「花とアリス」や「リリィ・シュシュのすべて」などで有名な監督です。

ミュージックビデオの仕事をしつつ、奥菜恵の存在感が示された「ifもしも~打ち上げ花火下から見るか横から見るか」で話題となり、一躍人気監督へと躍り出ました。


そんな、岩井俊二監督が、黒木華(はる)と出会ったことで作られた作品こそが「リップヴァンウィンクルの花嫁」となっています。


岩井俊二監督の映像美や、雰囲気がふんだんに映し出された作品となっておりますが、一種異様な雰囲気も生み出される作品であることから、解説してみたいと思います。

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