愛することについて/きみに読む物語
年齢を経た中ですれ違う男女を描いた「ブルー・バレインタイン」や、ダッチワイフを彼女だとして連れてきた心の弱った男を「ラースとその彼女」で演じたライアン・ゴズリング。
近年では「ラ・ラ・ランド」などでもヒットを飛ばした俳優の、代表作の一つとしてあげられるのが「きみの読む物語」です。
恋愛映画の中でひときわ際立つ本作品について、その愛がどのように変化していったのかを含めながら、考えてみたいと思います。
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子供の幸せは誰が決めるのか/ゴーン・ベイビー・ゴーン
ベン・アフレックといえば、「ゴーン・ガール」で冴えない旦那を演じる俳優を一方で、「グッド・ウィルハンティング」では共同脚本、「ザ・タウン」や、要人救出のために、偽の映画をつくるといって乗り込む「アルゴ」では監督もこなす多才な人物です。
そんなベン・アフレックが初監督をしたのが「ゴーン・ベイビー・ゴーン」であり、弟であるケーシー・アフレックを主演させ、且つ、モーガン・フリーマンやエド・ハリスといった有名俳優を起用した大変豪華な作品となっています。
ただし、数々の賞を受賞した本作品でありながら、日本では劇場公開されなかった作品でもあります。
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地元に居づらい人はよくわかる。解説。マンチェスター・バイ・ザ・シー
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」は、アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞、そして、主演のケーシー・アフレックがアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品であり、それ以外にも数々の賞にノミネート・受賞した良作となっています。
そんな、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」ですが、過去に辛い思いをした男が再び地元に戻り、兄の子供と共に過ごすことで少しずつかわっていく姿を描いたと紹介される作品であり、人間の苦悩が描かれた作品でもあります。
たしかにいい映画ですが、なぜそこまで評価が高いのか。
より映画のよさを理解しやすくするために、補助線をひきながら、本作品の魅力について語ってみたいと思います。
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騙されるより、騙されたい。マッチスティック・メン
騙されるということは不幸なことなのでしょうか。
多くの場合、騙されることはいいことではなく、残念な出来事であることは間違いありませんが、時には騙されたほうがいいことだってあったりします。
リドリー・スコット監督が描く、詐欺師を主人公にした映画「マッチスティックメン」について、その魅力を語ってみたいと思います。
強迫神経症の男
主人公を演じるのはいわずと知れたニコラス・ケイジです。
特徴的な顔立ちと、演技力の高さは「マッチスティック・メン」の中でも如何なく発揮されています。
主人公であるロイは、自らを詐欺のアーティストと呼ぶほど、詐欺師としての自分にプライドを持って生きています。
完璧な仕事ぶりで、人をだまして大金をせしめることで、彼は、ものすごい豪邸に一人で住むことができています。
続きを読む会社か、法令順守か。リドリー・スコット監督「エイリアン」
言わずとしれた、SFホラーの古典であり、「エイリアン」という名前を聞けば、誰しもが、だいたいどういう映画かわかってしまう有名作品でもあります。
ただし、エイリアンシリーズも後半になるに従ってその影響力を徐々に失っていき、ついには「エイリアンVSプレデター」といった、お世辞にも「エイリアン」としての、ビックネームの威厳が失われつつあったのは、事実といえるでしょう。
当時、なぜか、「フレディVSジェイソン」あたりにはじまって、他作品との対決ものがでてきたりする不思議な時代だったりしました。
それでも、「エイリアンVSプレデター」は3まで公開され、かなり色物として扱われてしまっていましたが、リドリー・スコット監督が再びメガホンをとり、エイリアンシリーズということを伏せて作られたのが「プロメテウス」でした。
いずれにしても、「エイリアン」のはじまりである一作目がどのような作品だったのか。どんな魅力があったのかを、振り返ってみたいと思います。
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